恋愛

2010年9月18日 (土)

ほんのふとした瞬間に人は恋に落ちる

私は、私という人間の感覚、認識を根本的に疑っている。あまり信用していないと言っても良い。言い換えれば、私は私の「理解」がいかに脆弱であるかを知っている、つまりはそういう事だ。

私の見ている景色は、私にだけ見えている景色であり、私以外の誰かが同じ景色を見た時には、まるで別の景色に見えるかも知れない。私には不毛に見える砂漠は、誰かの目には豊饒な泉に見える事もありうる。例えばフランツ・カフカ的なその不条理を、私は強固に信じている。

認識し、把握する。しかしそれは決して本質を掴むものではない。或いは本質など、この広い宇宙をくまなく探してみてもどこにもないかも知れない。「理解」という事に対する私の不信は、幾分と深い。

例えば。

何気なく眺めていた筈のもの、つまり自分にとっては特別な意味を持たなかったものが、ふとしたきっかけで特別のものになる、自分にとって特別な意味を包含する何かになる、そんな経験をしたことのある人は少なくないだろう。或いはその逆もあるだろう。強いこだわりを感じていた何かが、些細なきっかけで自分にとっては最早「特別ではない何か」に堕する事が。歳を重ね、成長するに従って様々なこだわりは少しずつ剥がれ落ちてゆく。それは必然的な変化だ。我々は変化する事を決して恐れてはならない。

物質・事象・存在の価値は、このように大変流動的であり、可変性に富む。その事を私は幾度となく実感している。そして先日も、した。

私が日中にピアノの練習をしていた時の話である。私は突如として強烈な眠気を覚えた。

あまりに眠い時には、私は無理に練習をしない事にしている。集中力を欠いた状態で、身体に不適当な動きを覚え込ませたくない、というのがその理由だ。眠い時には15〜30分、我慢せずに眠る。長い目で見た時には、そちらの方が効率的なのだ。

その日も私はすぐに眠りに落ちた。そういう時は再び目覚められるように、浅めの眠りである事が多いのだが、浅めの眠りには夢が伴う場合が多い。その日も私は夢を見ていた。夢に出て来たのは、女優の木村多江氏であった。

木村多江氏。映画「ぐるりのこと」で様々な賞を獲得し、最近では映画「東京島」の主役も務めている実力派女優だ、と言えば「ああ、あの人か」と思い出される方も少なくはないだろう。

この木村氏、私も以前から気にはなっていたのだが、特別に好きな女優ではなかった。素晴らしい役者である事には間違いないが、女優と言えば私には「ゆり子(神)」がいるではないか。貞操と純潔こそを美徳とする私は他所へ視線を遣る事を、頑なに拒んでいた。

だのに。だのに、何故。

夢に現れた木村氏の美しさたるや、まさに尋常ならざる美しさであった。

私と木村氏は、昭和の趣の残る家の中で、静かに、そして穏やかに対峙し、時折視線を絡ませていた。沈黙に耐えかねた私が口を開く。

「この間、新しい映画観たよ。すごく良かった。面白かった。」

「ありがとう。大変だったのよ、ずうっと島でのロケだったから。」

「大変だったね。お疲れ様。」

「早く…あなたに会いたかった…」

私と多江の手が触れる。胸が高鳴るのがわかる。多江。

という所で目が覚めた。

どきどきしていた。(←この部分だけ吉岡秀隆の声で読むように)

木村氏が私の夢に現れる事、それは私の想定外の事であった。

私はその日まで木村氏に特別な感情を抱かなかった。しかし、その日を境に私の中に、木村氏に対する特別な感情がはっきりと芽生えたのである。木村多江氏は、むちゃんこ可愛い。

木村氏の事を、色々とネットで調べてみた。どうやら深川は門前仲町の出身らしい。これだけで随分と好感度アップである。もしこれが仮に麻布や渋谷の出身であったら、好感度は下がる。土地に対する偏見を、私は確かに持っている。

どうやら結婚しているらしい事もわかった。案ずるな、私も既婚者だ。

という事で、これから暫くは木村多江氏に積極的に心を奪われながら生きていこうと決めた。

今度「東京島」観に行こっと。

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2010年2月14日 (日)

人妻愛子

バンクーバーオリンピックが始まった訳だが、女子モーグルの日本代表、上村愛子の美しさが尋常ではない。

歯並びが少し悪い所、写真映りによってはたまにちょいブサイク顔になる所。そんなマイナス要素さえ、美しさを引き立たせるアクセントでしかない。

人妻愛子。

ああ、何て美しいんだ…

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2009年8月18日 (火)

結婚に纏わる妄想~くえるの?ウマいの?~

ここ二、三年ほどの話だが、私の周りでも結婚する(した)人が急激に増えて来ている。私もじきに三十歳なので「お年頃」と言ってしまえばそれまでかも知れぬ。

必然的に私自身も「家族を持つ事」などについてあれこれと思いを巡らせたりしないでもないが、やはりまだまだ私には現実感に乏しい。「けっこんってくえるの?うまいの?」みたいなレベルである。

さて、上に書いた「思いを巡らす」という事、それは言葉を変えれば「妄想を広げる事」とほぼイコールになる。少なくとも現実感に乏しい私にしてみれば。

三十歳男子の典型的な結婚妄想を少し。

まず私には昭和、或いは大正以前的な「妻が三つ指をついて夫の帰りを待つ」というタイプの願望は今ではほぼない。そもそもMSが言うところの関白宣言的な(注:MS=マサシ・サダ)「俺より先に寝てはいけない俺より後に起きてもいけない」という価値観を持つには、私の生活は夜が遅すぎるし朝も遅すぎる。価値観の相互理解はありえるにしても、共有は難しい。

ではそこで新たに生まれ出ずるのは、「主婦的な私」という思考(妄想)パターンである。

つまり、妻に私の帰りを待たせるのではなく、私が妻の帰りを待つという逆転の発想、コペルニクス的転回である。

私は日々のレッスンやライブを終えて帰途に着く。帰りに立ち飲み屋でレモンハイの一杯もひっかけて帰るやも知れぬ。さすれば家に着くのはおそらく日が変わる時刻、午前0時(業界用語で言うところのテッペン)近くとなるだろう。まだ妻は家に帰り着いてはいない。

「ああ、今日も仕事が長引いているのか。大変だな」と妻への気遣いを見せる私は、おもむろに帰り道にコンビニで購入した発泡酒(500ml、カロリーオフ)を片手に台所へと立つ。

手際良く野菜炒めの一つも作る。同時並行作業でいりこ出汁のよく効いた味噌汁も作る。豆腐は掌の上で刻みつつ、だ。まさしく現代的な「デキる男」の典型的所作に相違ない。

漬け物を刻み、炊飯器のスイッチを入れ、一通りの器を用意した所で台所での作業は一段落だ。

次いで私は新たに冷蔵庫から缶チューハイ(500ml、氷結ストロング)を取り出すや否や、それを片手に風呂場へと向かう。風呂釜をざっと洗い、そこに清潔な湯(41℃)を張った所で一通り終了だ。

後はパソコンで2chを閲覧したりプレステで野球ゲームをしたりしながら妻の帰りを待つ。

程なくして妻が帰って来る。

「お疲れ様。今日も大変だったね」私が言う。

「ありがとう。ちょっと打ち合わせが長引いてね。」妻がそう言って表情を緩める。

「ご飯、出来てるよ。それとも先にお風呂にする?」私が尋ねると、「じゃあ先にお風呂いただこうかしら。」と妻は疲れを洗い流しに風呂へと向かう。

風呂は命の洗濯だとか何だとか、かつて誰かが言っていた。「この次も、サービスサービスぅ!」ともその人は言っていたが今回はあまり関係ない。

風呂から上がって来た妻が随分と遅めの夕飯を食べるのを見ながら、今日あった出来事などを話し合いながら夕餉の時間は穏やかに過ぎてゆく。

「いつもありがとうね」妻が呟く。

「良いんだよ。君こそ毎日お仕事ご苦労様」私が返す。

「ジュン!」(←何かが激しく濡れる音)

といった妄想をしてみたのだが、如何であろうか。

全方向的に間違っているような気もする。

ヒリつくほどリアルな未来を予見するならば、私は妻の帰宅時には家で一人宴会の挙げ句に下半身が剥き出しになりながら泥酔して就寝、ぐらいが良い所だろうが。

いやあ、けっこんってくえるの?ウマいの?

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2008年12月22日 (月)

私の夢

眠りが浅かったせいなのか、間断なく夢を見続けた。幾つかの夢を覚えているが、見事に全てが悪夢だった。

過去の不義理をなじられ、私は正座の格好からひたすらに頭を下げ続けるという夢。

殺人を犯し、その罪ゆえに警察から追われ、逃げ惑う夢。

私の周りから、人がどんどん離れていく夢。

全て、たまらなく悪い気分で目覚め、夢だった事に少し安堵する。再び眠りにつき、そしてまた悪夢を見る。この繰り返しである。

ものすごく損をした気になる。

起きてる間は、惨めな気分を味わうことの方が圧倒的に多いのだから、夢の中ぐらい良い思いをさせてくれよ。

強くそう思う。

何故石田ゆり子が妻役で夢に登場して「あなた、お帰りなさい、お風呂にする?ご飯にする?それとも…」とベタなセリフを言わない!

何故トーストを口にくわえた綾瀬はるかと朝一の曲がり角で不意にぶつかり、そこから恋が芽生えない!

何故図書館で本上まなみと偶然同時に同じ本に手を伸ばし、「あっ」と言って互いに頬をほんのり赤らめた後で、そこから恋が芽生えない!

非常に納得が行かない。

合点が行かない。

理不尽極まりない。

仮に上記のような夢を見たならば、私は正夢を疑うであろう。

朝、曲がり角を曲がる際には極力誰かとぶつかるように気をつけるし、昼にはきっと図書館に寄るだろう。家に帰れば、「メシも風呂も後で良いよ。まずはお前だよ。」「あなた…(ジュン!)」というやり取りを期待するだろう。当然ではないか。

早くLCLの海に還らなくては。

私は多分三人目だから。

じゃあの。

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