アマチュアミュージシャンがミュージックチャージをとってライブするのはいかがなものか論争について
先日、人から「アマチュアミュージシャンがミュージックチャージをとってライブするのはいかがなものか論争」というものが巷にあると聞いた。
そんな話があるのは知っていたが、そういう話題自体が嫌いなのでこれまでずっと知らんぷりをしていたのだけれど。
いわく
・アマチュアミュージシャンでも金を取るならばアマチュアと名乗ってはいけない。そこはプロと一緒だ。
・ミュージックチャージを取らずにオープンマイクなどに出れば良いのではないか。
・プロミュージシャンたちが「こうやって我々の職場が荒らされている」と嘆いている
とかなんとか。
私は「みんなそれぞれ事情もあるし好きにしたらええがな」という感想なのだが、それ以前に私にはそういう議論に参加する資格があるのかどうかが怪しい。
私は26歳から音楽のプロを自称してやってきた。今でもプロを自称してやっている。丸二十年以上である。プロを自称しているので原則として無料では演奏しない。金を取る。
だが、プロを自称し始めた二十代の頃の自分の演奏を思い返すとひどいものであった。どこに出しても恥ずかしいレベルでヘタクソだったし何もわかっていなかった。それでもプロを自称した手前無料で演奏するわけにはいかず金を要求し続けた。もちろんそういった無茶が原因で数々の仕事の場を失ったし数え切れないぐらいのバンドをクビになった。
私はろくに何も出来ないくせにエラそうに金を要求しながらここまでやってきたのだ。
それから二十年以上が経過して今なお、私の演奏に金を払う価値があるのかどうかは自分では謎であるが、私の音楽(あるいは私が音楽を奏でているという「文脈」)に決して少なくない数の人が金を払う価値があると判断してくれている事実にひたすら感謝して「生業」として音楽をやり続けている。
そこを今さら他人から「お前の音楽に金を払う価値があるのか」と言われても「知るか」としか言えない。
ということで結論から言えば私はアマチュアがミュージックチャージをとって演奏しても良いと思っている。そこには様々な文脈で金を払う価値が発生しているのだろうし、それに対して他人がとやかく言う筋合いはない。というか私みたいなポンコツプロミュージシャンが言えた義理ではない。今までも、そしてこれからも、生きててすまん。
さて、私がこういう話が嫌いなのは、「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」の価値観からである。言わずとしれたヨハネによる福音書である。
「近ごろの若いもんはなっとらん」という話になれば必ずと言っていいほど「おれの若いころの方がはるかになっとらんかった!」と思う。恥の多い生涯を今も送りまくっている私に今の若いもんを説教する資格はない。
ということでアマチュアミュージシャンがミュージックチャージをとって演奏することに憤慨しているプロミュージシャンは多分立派な方々なんだと思いますよ。
知らんけど。
ていうかおれは少なくとも立派じゃないけど。
どっかにド底辺の売れないピアニストが好きな人はおらんかー。
今日の演奏動画。
Tony Jacksonの作曲した『Do Right Baby』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。
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