2025年末関西ツアー終了!
大阪から東京に戻る新幹線の中から。
そういえば、と思い出したのだが、こうしてツアーに出る前にはいつもほんのりと「イヤだなあ、行きたくないなあ」という気持ちがある。多分に漏れず今回もあった。
ツアーに限らずかも知れない。日々の演奏の仕事の前には必ず「イヤだなあ、行きたくないなあ」という気持ちが少しはある。
それは常に少なからず演奏に対する不安があるからだ。
ショボい演奏をしてがっかりされたらどうしよう。あるいはビビり過ぎて「置きに」いってしまってつまらない演奏になったらどうしよう。たくさんミスをしてしまったらどうしよう。そんな様々な不安が。
というのも、私はこれまでにいくつものそういう「失敗」を繰り返してきているからだ。
26歳からこっち、20年にわたって音楽で金を稼いで生活している。私は一般的な意味で「プロの」音楽家と言って差し支えないのだろう。
だがその20年は失敗の連続だ。おびただしいほどのミスを犯してきたし、おそろしいほどたくさんの仕事を自分の無能が原因で失いながらやってきた。私の音楽人生は見事なまでに失敗と敗北の連続だ。
だがそのたびに「まあおれみたいな無能くんが音楽でメシ食ってるってこと自体が奇跡なんだからこんぐらいの失敗は当然あるわな!練習してちょっとでも上手くなるしかねえな!」と切り替えて前を向きながらやってきた。そう、打たれ強いのと楽天的なのは私の一番の長所なのだ。
とは言え失敗をすればその度に深く落ち込むし、やはり心の奥底ではそういう失敗をなるべくならば味わいたくないという気持ちがどこかにある。そういった恐怖をして私に「イヤだなあ、行きたくないなあ」という気持ちにさせる。また失敗したらどうしよう、と。
結局は仕事だし四の五の言わずに現場に行って演奏するし、始まってしまえば無我夢中になって頭をフル回転させながら最後まで駆け抜けることになる。その時間は他のどんな事とも交換不可能な興奮と喜びを私にもたらし、終了時の「終わったー…とりあえずなんとかなったー…」という安堵感は多くの人が仕事後に感じる「ひと仕事終えた感」と遜色ない。
今こうして新幹線の中から文章を書いている私の胸にあるのもそういった安堵感とこの数日間の演奏にまつわる幸せな記憶が混ざり合った感情だ。細かなミスはたくさんやらかしたけれども、おおむね演奏の全てにおいて集中して頭を使って全てをさらけ出してやってこれたと思う。「現状の私(あるいは私たち)」ということではベストな演奏が出来た。出発前に感じていた不安は今回も何とか杞憂に終わらせることが出来た。
それを支えてくれたお店やお客さん、そして共にリスクを抱えてくれた共演者のことを思い出して「マジでありがてえな…」としみじみしている。
絶対に失敗も敗北もしない必勝法がたった一つだけあって、それは戦わないことだ。戦いの舞台に立たなければ絶対に負けないし失敗しない。そして傷つかない。唯一にして最強で究極の必勝法だ。
ふざけんなよ、と思う。
そんなセーフティな場所にいるぐらいなら死んだ方がいい。
戦わずに敗北もせずに傷つかずに、戦って敗れた人を笑うならば、もしもそういう者に自分がなるならば、ノータイムで死ぬ。秒で死ぬわ。
とりあえず今はそうなっていないのでまだ生きていられる。なかなかミラクルだな。
大晦日である今日は毎年YouTubeに今年一年のお礼や来年のことを喋る動画を撮っていて、今日は演奏動画に変わってそれを。撮ったのは旅に出る前日だったのだけれど、大晦日に公開する体裁で。
今年一年お世話になりました方々、本当にありがとうございました。
来年も精一杯生きていきます。
今日の動画。
2024年大晦日に今年一年の振り返りとそれにまつわるお礼を言う動画を撮りました。









































最近のコメント