若い人との関わり方の変化
しばらく柔道への復帰が未定になっているので、7月末にやらかした左肩の怪我も放置しっぱなしだ。別に日常生活に支障はきたさないしピアノも問題なく弾けるから別に良いだろと思って。
肩の怪我はまだ全然治らない。ピークの時の痛みを10とすれば今は2ぐらいなので大したことはないのだけれど、やっぱり歳をとっているせいで治りが遅いのだなと実感する。その肩の怪我と並行して両方の手首に鈍い痛みがずっとある。何年か前にTFCCと呼ばれる手首の怪我をやらかしたことがあるが、それのちょっとマイルドなやつ。まあ我慢しときゃあそのうち治る。
こういう怪我で加齢を痛感することが増えてきたが、最近はそれ以外でも「ひょっとしたら歳をとったのかも」と思うことがあった。
たまたまなのだけれど、ここのところ若い人のピアノレッスンをする機会が増えている。若いと言っても子供ではなくて、二十歳前後くらいの若い人たちだ。
昔から若い人のピアノレッスンをする機会はそれなりにたくさんあった。音大生だとか、大学のジャズ研に所属している人だとか。それはそれで非常にやり甲斐はあった。
ただし昔は心のどこかで「おめーら若いもんには負けねーからな」という気持ちもあった。「伸び盛りでぐんぐん伸びていくんだろうけど、おれだってその倍の量練習してお前らには負けない」という気持ちが。
今もそういう気持ちはどこかにある。若くて才能豊かな伸び盛りな人たちを目の前にして「おれも負けてられねえ」という気持ちは確かにある。
けれどそれ以上に最近では「この人たちの未来をおれは今預かっているんだ」という気持ちが大きい。
プロのミュージシャンを目指す若者もいる。音楽の仕事に関わりたいと思っている若者もいる。
そういう人たちを目の前にして「彼らの素晴らしい未来をおれが損なってはならない」という気持ちが強烈に芽生えてきている。
彼らが意欲的に音楽に取り組めるように、そして才能を花開かせられるように。
そういう意味で昔に比べるとすごく慎重になっている。どうやったらこの子は伸びるんだろう、どうやったらこの子が音楽を通じて豊かな未来を獲得出来るんだろう。そうやって考えていたら以前よりも遥かに慎重にならざるをえない。
レッスンの原則としては「自分が出来ないことや自分が理解していないことは教えられない(伝えられない)」というのがあるので、自分の技術や知識を増やしていくのはこれまでと変わらずに必須なんだけど。
若い人との関わり方において、私は「ひょっとしたら歳をとったのかも」と思ったのだが、これはそんなに悲観することでもないかなと思っている。
こういう変化もまた悪くない。
今日の演奏動画。
Duke Ellingtonの作曲した『East St. Louis Toodle-oo』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。
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