日なたの道を歩こうぜ
昨日は悪天候のためにアナゴ釣りが中止になってしまったので、少々ぶんむくれながらピアノの練習をしていたのだが、BACK IN TIMEのマスターの梶川さんとベースの野々口さんからほぼ同時に「今、BACK IN TIMEに三笠さんがいらっしゃっているから来れたらすぐ来い!」とメールが入ったので「そりゃあ行くわ!」と即座に返信してBACK IN TIMEに向かった。
三笠さんというのは現在88歳の男性で、かつてよく私のセッションに来てくれていた。戦後間もなくから進駐軍の基地などで歌われていたそうだ。飄々としてユーモアがあってとてもカッコいい。
ここしばらくは大病をされていたそうでとんとご無沙汰だったのだが、彼が快復された暁には是非またお会いしたいと強く願っていたので、ひょっこり店に顔を見せてくれた彼に会いに自転車を飛ばした。
三笠さんは昨日も歌ってくださった。そのうちの二曲ほど、ご一緒させていただいた。
歌われた曲の一つに「On the sunnyside of the street」というジャズスタンダードがあった。
「人生は上々だ、日なたの道を歩こうぜ」という歌詞のついたこの曲は、私にとってとても思い出深い曲の一つだ。
かつて私の友人の昭良(アキラ)という男がタイで交通事故に遭い亡くなった時に、私の師匠市川修(彼ももはやこの世にはいない)がソロピアノの会場に私を電話で呼び出して「大丈夫や!まっすぐ歩け!」と言ってこの曲を弾いてくれた。
もうこの世では会うことの出来ない大好きな人が何人もいるが、昨日は三笠さんに会うことが出来た。
その喜びに、ほんの少しだけ目元が濡れた。
大丈夫、まっすぐ歩ける。人生は上々だ。
おれたちは日なたの道を歩くんだ。
今日の演奏動画。
Antonio Carlos Jobimの作曲した『O Morro Não Tem Vez ~Favela~』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。
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