盗作について考える
「盗作」ということについて少し考えた。
私の創作活動は主に作曲という分野だが(たまに小説も書くけど)、その作曲において多分これまでに盗作という行為をしたことはない。
多分、と書いたのは、自分でもわからない内に自分の好きな(あるいはここまでに影響を受けてきた)音楽に似てしまうということはありえるからだ。
少々性善説に寄り過ぎているかもしれないが、私は原則として盗作ということは創作行為においてはあまり起こりづらいことなのではないかと思っている。
自分が作曲する時に「良い曲が書きたい」という思いはもちろん一番最初にあるのだが、その次ぐらいに「誰かの何かに似ていないようにしたい」という思いがある。それは自分の敬愛する作曲家たちの過去の作品もそうだし、自分の過去の作品もそうだ。「なるべく何かに似ないようにしたい」という思いは多くの創作者に共通する思いなのではないだろうか。
なので私に限って言えば、意図的に「このメロディをパクってやろう」とか「このコード進行を拝借しよう」ということは非常に起こりづらいことの一つだ。そうならないようにあれこれと気を付けているのだから。
ただし、それでもどうしても似てしまうものはいくつもある。私の過去の楽曲も聴き返してみると「これはあの曲のこの部分に似ているなあ」とか「うわ、やっぱりおれは誰某の影響を受けまくっているんだなあ」と思うような部分が非常に多い。
これに関しては私は「しょーがない、だって影響受けてるし、好きなんだし」と思って諦めるようにしている。
似ないようにしよう似ないようにしようと散々気を付けているのにどうしても似てしまう。なぜならばそれを「良い」と思っているからだ。
好きなメロディや好きなコード進行というのが確実に私の中に存在していて、そういうものの集積から色々と拾い集めてくるのが私にとっては「作曲」という作業なのかもしれない。
なので私の曲を聴いて「あ、○○っぽい」と思った人がいたとしたら、それは多分正解だ。私がその○○にとても影響を受けているケースが多いのだ。
そんな作曲にまつわる盗作のことをふと考えた。基本的にあんまりないんだよ、盗作って。
今日の演奏動画。
Oscar Levantの作曲した『Blame It On My Youth』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。
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