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2024年3月 4日 (月)

下品な私を鉄拳制裁でKOする

朝から千駄ヶ谷でレッスンだったので、朝ドラ終わりの8:20には家を出た。

京成小岩から浅草橋まで行って総武線に乗り換えて千駄ヶ谷まで行くのだが、この時間に出ておくと浅草橋で朝食をとる時間がある。家を出るのが8:40を過ぎてしまうと無理なのだが、8:20ならばいけるのだ。

浅草橋と言えば何と言っても立ち食いそばの「ひさご」である。いかにも下町然とした初老の夫婦が営む「ひさご」の蕎麦は、キリッとした醤油の香りが立ったつゆと共にいただく絶品である。

なかなか朝早く家を出るのに難儀してしまっていたせいでしばらく訪れていなかったので、何としても今日は「ひさご」で朝食を、と思っていた。

都営浅草線が浅草橋の駅に着いてそこから歩いて地上へ向かう私の足取りは軽かった。ひさごでおそば、ひさごでおそば♪と脳内で歌いながらルンルン気分だった。

だが、

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本日は臨時休業だった。

あー、そっかー、残念ーとうなだれたそのすぐ後の瞬間に、私は自分の浅ましさを省みた。

臨時休業の看板には「体調不良のため」としっかり書いてあるではないか。ならば、まずはあのご夫婦の体調が回復することを願うのが人としての道理だろう、と思ったのだ。

にも関わらず、私の頭にはまず先に「自分が蕎麦を食べられなかった残念さ」が来てしまった。何と利己的なんだろう、と自分を恥じた。

自分が少しでもトクをしたい、あるいは自分の思うように世界が動いてほしいというような気持ちは多かれ少なかれ誰しもが持っている感情だろうが、あまりにそれが先立ってしまうのは下品だろうと私は思っている。そう、私はその時下品だったのだ。

具体的な何かを出来るわけではないのだが、自分だけでなく周りの人がみな健やかで幸せであるようにと願うことぐらいは出来る。自分さえ良ければそれでOKではなく、他人も健やかで幸せであってほしいと人々が願い合う社会こそが私の望んでいる社会なのに、私はついついこうして利己的に自分の利益ばかりを考えてしまう。なんと浅ましいのだろう。

ということで、私はその場で「ひさご」の蕎麦を食べられなかったことを残念に思う私を鉄拳でフルボッコにKOして葬り去り、夫婦の安寧を祈る私を主人格に据えることで辛うじて人としての形を保つことにした。

ささくれだった私の心だったが、その後のレッスンにより回復した。生徒たちに感謝である。

これからも下品な私が出てきそうな時には鉄拳制裁でそいつをノックアウトしていきたい。

手加減をしてはならない。


今日の演奏動画。

Dan BelloeとLew DouglasとCliff ParmanとFrank Levereの作曲した『Pretend』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。

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