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2024年3月 7日 (木)

確定申告の書類を作成しながら昔のことを思い出す

今日と明日が無職デーなので、この無職の内に確定申告をやってしまおうと思っていた。

予定では今日用紙を書いて、明日税務署に提出しに行くというプラン。朝から「やりたくないよう、めんどくさいよう」と布団の中でグダグダしてしまったが、昼過ぎに意を決して仕事部屋に向かって夕方前には書類作成を終わらせた。明日提出すれば完了だ。

今どきオフラインで税務署に行ってアナログ提出をするなんてとんでもない情弱だと思われても一向に構わない。税務署は平井にあり、平井には私がものすごく好きな(多分東京で一番好きな)ラーメン屋「〇政(まるまさ)」がある。毎年確定申告書類を平井の税務署に提出し終わった後にはご褒美として「〇政」のラーメンを食べに行くのを習慣としているのだ。確定申告をしに行ったついでにラーメンを食べるのではない、ラーメンを食べに行くために確定申告をするのだ。なので必ずオフラインで税務署にじかに行く。

確定申告というのは音楽家としての商売を始めてすぐの頃からずっと毎年やっているので、もうかれこれ20年近くやっている。なので随分と慣れたものだ。

そもそもコロナ禍以降、私の収入は激減しているので書類作成もそんなに面倒でもない。雀の涙ほどの金額をポチポチと入力して、そこからいくつかの控除を差し引くと金額が簡単にゼロになる。ここ何年かは「よくこんな収入で生きていけてんなー」と自分でも驚くが、実際に生きていて何とかなっているのだから不思議なものだ。人間はそんなに金がなくとも何とか生きていけるものなのかもしれない。

過去10年ぐらいの確定申告の控えもデータとして残っていて、約10年前の2015年とか2016年のデータを見ると収入が今の3倍ぐらいあった。私が36歳とか37歳の頃だ。もちろん真っ当にサラリーマンなどをしている人たちに比べれば遥かに低収入なのだけれど、それでも今の3倍あったというのはすごい。今の私はちょっと真面目にアルバイトをしている高校生と同じぐらいかそれ以下しか稼いでいないというのに。

そういえばあの頃はレッスンもたくさんやっていたし、ライブも月に15本ぐらいやっていたような気がする。

でも、今の方が良い。

あの頃の私は「プロの音楽家としてやっていくんだ。その為には仕事はたくさんやらなくちゃ。たくさん稼いで一人前のミュージシャンになるんだ」と思っていた。言うほど稼いでもいなかったけれども。それはそれで悪いことだとは今も思わないけれど、仕事をし過ぎていて自分の練習がおろそかになっていたのも事実だ。収入が3分の1になった今はあの頃の3倍以上練習をしている。今の方が良い。

音楽家生活も20年近くになってきて、「音楽で稼ぐ」ということと「良い音楽をやる」ということの価値基準が逆転した。

そういえばあの頃にもうっすらと「仕事がたくさんあるのはありがたいけれど、おれは本当に何がしたいんだろう。今もずっとヘタクソなままじゃねえか」と思っていたのだが、やはり忙しかったので「ま、いいか」と有耶無耶にしていた。

今はその頃よりはもう少し自分のやりたいことがはっきりとしている。

とはいえ、ここ数年の確定申告のたびに「やべーなー、もうちょい稼がねーとなー」とも思う。

ま、いいか。練習しよっと。


今日の演奏動画。

Antonio Carlos Jobimの作曲した『Fotografia』をベースの野々口毅さんとデュオで弾いてみました。

野々口毅さんのYouTubeチャンネルはこちら。
https://youtube.com/user/nyonyo30

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