ニンニク入れますか?
昨日は三週間ぶりの柔道の稽古。
動けるかどうか不安があったのだけれど、何とか怪我無く終えることが出来た。やっぱり柔道はめちゃくちゃ楽しい。
稽古の後はいつものように居酒屋に行って仲間たちと柔道談義に花を咲かせてそれもとても楽しかったのだけれど、そのまま楽しくなってしまってついつい杉村先生(すぎむら接骨院の院長)とスナックへサシ呑みに行ってしまった。
これがまた楽しくて、ほどほどでサクッと帰るつもりが深夜3時過ぎまで吞んでしまった。あんまり遅くまで付き合わせてしまうと杉村先生の奥様のエリちゃんに「もうふくしまくんと遊んではいけません」と言われてしまうかもしれないのでマジでほどほどにしなくてはならない。この辺の制御能力の低さは私は本当に比類ない。ヤバい。
おかげで今日は昼近くまで寝てしまって、そこから嫁氏と昼飯を食べに出かけた。
近所に最近出来たラーメン屋に二人で行った。私は初めて訪れる店だったのだが、嫁氏はこれまでに数回行ったことがあるそうだ。
この店がいわゆる「二郎系」と呼ばれるラーメン屋で、私はこれまでの経験上この二郎系ラーメンがあまり得意ではない。だが嫁氏いわく「二郎系以外のラーメンもあるし結構美味しいよ」とのことだったので行ってみたのだ。
だが、店に入る前にしばし懊悩してしまった。懊悩の内容は以下だ。
・私は二郎系ラーメンがあまり得意ではないという自覚がある。
・それゆえに二郎系のラーメン屋にはそもそも行くことがほとんどない。
・だがこれから入店するラーメン屋は二郎系と呼ばれるラーメン屋である。
・ここで二郎系以外のラーメンを注文するならばそもそもその店に行く必要はなかったのではないか?
・そもそも二郎系のラーメンに対する苦手意識の自覚は本当に正しいのか?
・意外と今食べたらいけるのではないか?
・ならばここは二郎系以外のラーメンでお茶を濁すのではなく、あえてその店の「売り」である二郎系ラーメンをいっとくべきではないか?
このような懊悩を数秒の内に脳内で処理して、私はその店で二郎系ラーメンを注文することにした。
やってきたのがこちらである。
二郎系ラーメンのお決まりである最初に「ニンニク入れますか?」と聞かれた時に「野菜アブラカラメ云々」とかいう呪文はよくわからないので「ニンニクはいらないです。普通でいいです」と答えておいた。
結論から言えば、やっぱりそこまで好きな味ではなかった。
そしてこういう時に私は激しく落ち込むのである。
食べながら、このラーメンが好きな人の気持ちもわかる、とは思ったのだ。それは決して不味いわけでも何でもなく、とても丁寧に作られた一品でありそのラーメン自体に何の罪もないのだ。単純に私の好みとは少し違う、というだけの問題だった。
例えばこれが音楽だったらどうだろう。ディストーションギターの効いたロックがすごく好きな人が我々のやるアコースティックなジャズを聴きに来たとして「これはこれで悪くはないのだけれど好みとはちょっと違う」と言い出したら。
「じゃあ、来るな」なのである。
好きなものを聴きに行けばいいし、わざわざ好きでないことを自覚しているものを聴きに来る必要はない。好きな音楽を奏でる音楽家の演奏する現場に行けば良いだけの話だ。そして自分が好きでなかったからといって「誰かが好きなもの」をディスる必要性はどこにもない。
ということなので、私が二郎系のラーメン屋に行くこと自体がそもそもお門違いなのだ。私にはそのラーメン屋のラーメンを好きな人を非難するような資格は一切ない。
人が好きなものをディスるような人間を私は心底から軽蔑する。人が何を好きでも構わないのだ。
今日は二郎系ラーメンを食べながら「なかなか美味いがちょっとおれにはしょっぱい」などと思いつつ、「じゃあわざわざ行くな!」という激しいツッコミを自分に入れていた。これはそういうものなのだ。
まだまだ修行が足らんなと自分を戒める、そんな昼下がりだった。
今日の演奏動画。
Randy Breckerの作曲した『Inside Out』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。
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