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2023年8月 6日 (日)

今日のレッスンで思ったこと

久しぶりに朝から夕方過ぎまでずっとレッスンをやった。

実は数日前から毎日のようにちょこちょこレッスンが入っていて、明日以降もそこそこ続く。

いつも無職なのに仕事があるのはありがたい。


ピアニストというこういう仕事を始めて今年で18年目になる。レッスンは17年目。最初の頃は本当によくわかってなかったなあと思う。自分ではそれなりにわかってたつもりだったというのが非常にタチが悪いのだけれど、やはり17年前の私は本当にわかっていなかった。

今はその頃に比べると「私は何もわかっていないし、知らないことがまだまだたくさんある」という事がわかっているだけ少しはマシかな。

知らないことがたくさんあるから毎日勉強しなくてはいけないし練習しなくてはいけない。そのことがわかっただけでもまあ上等ということにしておこう。


レッスンにおいて、ずーっと「伝えることの難しさ」みたいなものは感じていて、自分ではわかっているつもりのことを誰かに伝える時の言語化だったり筋道の立て方だったり、そういうものの正解が未だにわからない。とにかく平易な言語化と、必要十分にして回りくどくない論理構成を気を付ける。

それから「聞く耳を持ってもらう」ということにも最近は本当に気を付けている。

私自身が違う二人の誰かから同じことを言われたとしても、Aさんから言われたら素直に聞くのにBさんから言われたら「うっせーバカ」となることがある。「何を言うか」ということと同じぐらい「誰が言うか」ということは大事で、相手が私の言う事に耳を傾けてくれなければ何を伝えても徒労に終わる。そのためにはまずは尊重しあえる人間関係なんだよなあ、と思う。

その為には私が謙虚であらねばならない。卑屈であってはいけないけれど。

もちろんごくごく稀にめちゃくちゃ横柄な生徒というのが来てしまうこともあって、そういう時はとっととお引き取り願う。そういう人と良い人間関係を築くことは不可能ではないだろうけれど、可能だとしてめちゃくちゃ時間がかかるし何よりもそこまでの時間が辛い。お互いにとって良いことが全然ないので、それはもう諦めた。

いずれにしても
・平易な言語化
・必要十分にして簡潔な論理構成
・聞く耳を持ってもらうための信頼関係

というのがレッスンにおいてはすごく大事だなあというのが今の私の正直な気持ちだ。

あとは、私自身がきちんと音楽家として努力を続けていることかな。練習してない先生に習いたいって、私は思わないから。


ということで今日はずっとレッスンだったのだけれど、その中で一つ発見があった。

ここまで私自身が考えていた「グルーブとはなんぞや」ということを解明していくヒントになるような場面がいくつかあったのだ。

そういう発見がすごく嬉しい。もう少し自分の中でブラッシュアップしていきたい。


今日の演奏動画。

Abdullah Ibrahim(Dollar Brand)の作曲した『Tookah』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。

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