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2023年8月25日 (金)

清里ピアノ旅日記後編

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昨日、清里駅に降り立った時にはその気候にまず驚いた。「あれ?全然暑くない?むしろ寒い?」とすら思ったのだが、どうやら標高のせいだった。標高1300メートルだそうで、なるほど湿度もそれほど高くなく気温も東京に比べると遥かに涼しかった。これが避暑地ってやつか、と思った。

清里駅から仕事現場であるホテルまでは約6kmだったので、徒歩で一時間強かと思って歩いた。道中唯一のコンビニで買い出しもした。夕飯のカップラーメンと、酒はビールと缶チューハイとワインを一本ずつ、あとはツマミにチーカマとポテチと。


ホテルはものすごく素敵なペンションだった。ものすごく素敵なのだが、私と同世代の人たちはこういう素敵なペンションを見るとスーパーファミコンの『かまいたちの夜』や漫画の『金田一少年の事件簿』を反射的に思い出してしまう人も少なくないかも知れない。そのペンションに入る時に私の頭の中で「おれはまだ気付いていなかった、これからここであんなに凄惨な事件が起こるなんてことに…」というナレーションが流れたが、もちろん凄惨な事件なんて起こらなかった。じっちゃんの名にかけて謎を解き明かす必要は1ミリもなかった。「素敵なペンション=凄惨な連続殺人事件」というイメージは完全に『かまいたちの夜』と『金田一少年の事件簿』のせいだ。


私の楽屋兼宿泊部屋もめちゃくちゃ素敵だった。


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おかしいだろ。YAVAYだろ。

普段泊まっているのは常に一泊2000円台のバックパッカー向けのドミトリーだぞ?なんだこの差は。おかしいだろ。ヤヴァイだろ。

冷静を取り戻す為に冷蔵庫に買ってきたビールとチューハイとワインを入れた。

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少し現世に戻ってきた気がした。

ともかく私はそこからピアノを弾かなくてはいけなかったので、急いで準備に取り掛かった。

まずはトイレを済ませてからシャワーをして電車旅の汗を綺麗にして。この時点で、部屋にトイレやシャワーがある宿になど50年ぶりぐらいに泊まったものだから「やっぱり部屋にトイレとシャワーがあるって最高だ」と思った。いつもは共同トイレと共同シャワーだ。

その後は歯を磨いてスーツに着替えて。

自分なりにビシッとしてから演奏会場に向かった。

昨日のピアノはこの子だった。

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準備の時に少し弾いただけでわかったが、最高のピアノだった。特にふくよかな中音域が素晴らしくて、私は一人で「なんだこれ…めちゃくちゃ良い…」と言っていた。

演奏は約一時間。集中して出来た。多分お客さんもそれなりに喜んでくれていたと思う。終わった後は心地よく疲れていた。


演奏終了後は部屋に戻って着替えてから外を軽く散歩した。「この辺は夜になると星が綺麗だろうなあ」と思っていたからなのだが、残念ながら曇っていて星が見られなかった。けれど、空気の澄んだ灯りのない夜道を歩きながら買ってきた缶ビールを飲むのは気持ち良かった。

部屋に帰ってからは楽しみにしていた一人飲み会のスタートだ。

ワクワクして、ソファーの前のテーブルにアイテムを広げて写真を撮った。

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左からポテチ→チーカマ→ナウシカ→チューハイである。ちびちびと酒を飲みながら漫画『風の谷のナウシカ』を熟読することとした。

漫画版のナウシカでは「大海嘯」というのが物語の鍵を握るのだが、これはエヴァンゲリオンにおける「サードインパクト」にものすごく似てるよなあと思いながら読み進んだ。

ちょうど4巻も終盤に差し掛かったあたりで酒もワインに突入した。

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この辺から酒のせいで読解力が低下していって話が頭に入ってこなくなってきた。ナウシカは集中して読まないと話が入ってこないタイプの漫画だ。だから面白いのだけれど。

そこからしばらく読書を離れて飲酒に集中したが、段々と眠くなってきたので夕飯を食べて寝た。

夕飯はもちろんこれだ。

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高級宿で食べるカップ麺もなかなかオツなものだ。

食べて歯を磨いたらコテンと寝てしまった。

起きて今朝。

なんとホテルで朝食を用意してくれているとのことだった。

頂いた朝食がこれ。

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あまりに普段の朝食とのギャップに戸惑ったが、もちろんめちゃくちゃ美味しかった。完食した。

最後まで飲むヨーグルトを飲むタイミングがわからなくて一番最後に飲んだのだが、今から考えるとサラダを食べながらのタイミングだったのかもしれない。

ホテルを後にして再び清里駅まで。ここは車で送って頂いた。助かった。実は清里駅があるのが標高1300メートルくらいで、ホテルがあるのが1000メートルくらいだったから標高差が300メートルあった。行きは降りていくのでラクだったのだが、帰りは昇りかーと考えていたから車で送ってもらえるのはとても助かった。

清里駅から小海線に乗ってまずは小淵沢駅まで。

この区間は30分弱でつくような短距離区間なのだけれど、小淵沢到着時点でいきなり約一時間の待ち時間が発生した。小淵沢駅発高尾行きの電車がやって来るのは一時間後だった。とりあえず一度改札の外へ出てみた。青春18きっぷは同日内なら何べん改札の外に出てもOKなのが助かる。

改札を出てすぐの所に立ち食いそば屋があった。

すごく悩んだ。さっき数時間前にしっかり朝ごはんを食べたし、そこまで腹は減っていない。食べなければお金の節約にもなる。けれど次にいつ小淵沢駅に来るかわからない。食べるか食べるまいかどうしよう…と。

とりあえず一旦その場をスルーして駅内を探索してみた。

すると、少し遠くからピアノの音が聞こえた。その音のする方に向かっていくと、いわゆる「駅ピアノ」がそこにあった。

ほほう、少しピアノを弾いて時間潰しをするのも悪くないなと思ったので、人が少なくなるタイミングを見計らった。並んで弾いたりするのは恥ずかしいから。

10分ほどその近くで他の人の演奏を見たり拍手したりしていたらちょうど人がいなくなったので「チャンス大城!」と思ってピアノに座った。ポロンポロンと思いつくままに弾いていたら何人かが集まってきてしまって「ちがう!そうじゃない!別におれピアノ弾けますよって自慢したいわけじゃない!」となってものすごく恥ずかしくなった。なのでその場で弾きかけの曲を強引に終わらせたら結構拍手を頂いてしまって余計に恥ずかしくなった。「すみません…ありがとうございます…」と言ってその場を逃げるように立ち去った。

ちょっと恥ずかしい思いをしたので、もう立ち食いそばを食べられる状態になっていた。逃げるは恥だがそばが食える。立ち食いそば屋で食券を購入した。

そこまでの空腹ではなかったのでかけそば350円にした。


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これが大正解。そば(麺)がめちゃウマだったのだ。そういえばこの辺って信州そばの文化圏だよなーと思い出して舌鼓を打った。もちろんつゆも美味かったのだが、麺の美味さが素晴らしかった。ここは是非また再訪したい。

小淵沢駅のホームで時刻表を見ていたら

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8時ちょうどのあずさ2号はこの駅には存在しないことがわかった。私は私はあなたから旅立てない。

間もなく中央本線がやってきた。ここ小淵沢からは一気に東京の高尾まで二時間超の長距離移動。

このブログはその小淵沢〜高尾間で書かれた。

電車はもうすぐ高尾に着く。

今回も良い旅だった。

様々なご縁を下さった方々に心から感謝。

これからも私は青春18きっぷの利用期間内であれば10000円(あご足枕込み)でどこにでも行ってピアノを弾く。

若い頃にぼんやりと「自分の腕(技術)一本であちこちをふらふらするような仕事がしたいなあ」と思い描いていたことは、それなりに実現されている。

良かったじゃん。


今日の演奏動画。

Carla Bleyの作曲した『The Lord Is Listenin' To Ya, Hallelujah!』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。

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