「君塚」との別れ
数日前に友人のハーモニカ奏者皆川和義氏からLINEにて一つのURLが送られてきた。
https://www.elitz-ikebukuro.jp/kimiduka-close/
このURLである。
池袋の立ち食いそば屋「君塚」が、5月末日をもって閉店になったとのことだ。
本日は6月1日。
昨日まであった「君塚」は、今日はもう無い。
俄かには現実を受け入れ難かった。
なぜ。どうして。待って。行かないで。
私の頭の中ではそんな言葉が縦横無尽に飛び交った。
別れは本当に唐突にやってきてしまった。
現実的にも困る側面も多い。
池袋に行った時の私の食事はこの「君塚」に頼ることが多かった。それ以外で言うと、
・「君塚」の近くにある「ゆで太郎」
・駅ナカの「そばいち」
・東口にあった「小諸そば」(今はもうない)
・その「小諸そば」の近くにある博多ラーメンの「博多天神」
・北口を出てすぐにある「吉野家」
と、こんなものなのであるが、「君塚」と「小諸そば」が無い今、選択肢は非常に限られた状況にあると言わざるを得ない。
「小諸そば」がなくなった時も結構ショックだったが、今回のショックはそれに比べても随分大きい。
それは「小諸そば」はチェーン店であるから他の店に行けば食べられるが「君塚」は個人経営店だからその限りではない、という現実的なデメリットよりも、何かこう「一つの物語が終わった」というような寂寥感に近い。
「君塚」でそばを啜っている時に感じた様々な感情が幾重にも層になって私の心の中で蘇る。
嬉しかった時、悔しかった時、悲しかった時。いつでも私は「君塚」のそばを啜っていたなあ。
いつも大体これだった。
たぬきそば420円に激辛高菜20円を添えて。
この激辛高菜が良かったんだ。辛いものが苦手な人ならばこれだけの少量なのにそばを「もう食べられないもの」にしてしまうであろう暴力的な辛さ。これが最高だったんだ。
お疲れ様、「君塚」。
ありがとう、「君塚」。
そして、さようなら、「君塚」。
今日の演奏動画。
Billy Strayhornの作曲した『Ballad For Very Tired And Very Sad Lotus Eaters』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。
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