勘違いの背景
今日のレコード。
Ray Bryantの【Alone at Montreux】。ソロピアノ。一曲目のゴスペル『Gotta Travel On』から全開。「おう。ブルースやで。なんか文句ある?」みたいな感じ。最高。
今日は久しぶりに近くにあるスポーツセンターのトレーニングジムに行ってきた。
一回300円てのが気軽で良い。たまに行く。一時間ちょっとみっちり追い込んで汗をかけたので良かった。
それらとは全然関係ないのだけれど今日はちょっと面白いことがあって。
ピアノの生徒から「コード」について質問のLINEがきた。
質問の内容についての詳細は割愛するけれど、そこで”とある勘違い”が発生していたのだ。
その勘違いの原因になった音楽の話を書いておく。
・Cというコードが表しているのは「ド・ミ・ソ」という三つの音から成る和音のことである。
・ただし、ジャズピアノのボイシングにおいては単に「C」というコードだけが表記されている時に「ミソシレ」とか「ミラレ」なんていう和音を弾くことがある。
・これは任意に(勝手に)△7thや6th、9thなどのテンションノートを加え、更にこれも頻繁に起こることだがルート(ド)や5度(ソ)を省略した為にそうなっている。
以上がその勘違いの要因となった背景だ。
そして起きたのは以下の勘違い。
・Cというコード表記の時に「ミソシレ」とか「ミラレ」と弾けますよね?→はい、そういう風に弾いても問題ないことが多いです。
・ではCは「ミラレ」ということで良いんですか?→それは違います、あくまでもCは「ドミソ」です。
ということだ。
先ほども言ったようにCというコードを「ミラレ」と弾くことはあるが、それは幾つかの工夫を加えた結果そうなったのであって、Cというコードが表しているのはあくまでも「ドミソ」なのである。
こういうことが起きた時に私の頭の中では以下のように変換された。
・キスの天ぷらって美味しいですよね。→はい、キスは天ぷらにするととても美味しいです。
・キスって天ぷらということで良いですか?→いえ、キスはあくまでも魚です。天ぷらにするだけでなく刺身にしても焼いても美味しいです。
というように。
「キスの天ぷら」はあくまでも「素材(魚)としてのキスを調理したもの」であり、「キス=天ぷら」という図式は成り立たない。もちろんそうなる時もあるけれど、という話で。
多分これに類する勘違いって自分でも数多くしてきているんだろうなあと思った。
それと同時に、様々な勘違いの要因となっている背景を探るのはとても面白いなあと思ったのだ。
何となく今日面白いなと思ったことでした。
今日の演奏動画。
Abdullah Ibrahim(Dollar Brand)の作曲した『The Homecoming Song』をソロピアノで弾いてみました。リードシート(譜面)も添えてあります。
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