再現力と対応力
昨日は昼にライブをして夜に柔道をしてという一日だった。
夜に柔道があるからといって昼のライブで体力温存するなどというのは本末転倒であり言語道断なので、昼のライブは全力かつ全集中で臨んだ。
そのおかげという訳ではないが、すごく幸せな時間だった。
もう自分でもハッキリとわかっていることがあって、「決められたことをきちんとやる」という音楽の現場は私には無理だ。無理だというよりも、私よりも適任な人間が山ほどいる。わざわざそのような現場に私を呼ぶことはないだろうし、実際に呼ばれない。
そういうことを想定して普段から練習していないせいもあって、私は音楽的に「予め決まったことをきちんとやる能力」が異常に低い。具体的に言えば、譜面に記載されたことや参考になった音源を忠実に再現していく能力のことだ。
もちろん毎日の練習の中で譜面は書くし、それを“一旦は”再現する為の作業はするので、そういうことの積み重ねの中でイヤでも読譜力や再現力は上がっていくので「人並み」には出来るのだけれど、そういうことに関するものすごくプロフェッショナルな人たちをこれまでに何度か見たことがあって、そういう人たちに比べれば私の読譜力や再現力など足元にも及ばない。
これに関しては今後も少しずつ改善していきたいのだけれど。
では何を想定して毎日練習しているかと言うと、「何が起こるかわからない中でどのように対応し変化し創っていくか」という部分だ。
ジャズという音楽に即興的な部分がいくらかあるために、そういうこともそういうことで大事なのだと思っている。
なので練習の大半は
・想定されうる様々なケースや楽曲を一度自分に体験させること
・その時に行われた「対応」を分析して、なぜその「対応」になったかを考えること
・対応しうるに必要な基礎体力をつけておくこと
という点に集約されるのだけれど、こうやって考えると実に柔道の稽古に似ているなあと感じる。
柔道に限らないかも知れない、相手がいるコンタクトスポーツは大体そうなのかも知れない。
相手がいるおかげで常に状況はめまぐるしく変化し、それに対応する能力が求められる。
そういう鍛錬は、私がやっている音楽の鍛錬と共通することなのかもしれない。
なんだかとりとめもなく堅苦しく書いちゃった。
昨日は音楽も柔道もそんな感じでとても楽しくて幸せな日だったよということです。
今日の演奏動画。
Bob Mintzerの作曲した『Re-Re』をソロピアノで弾いてみました。
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