大阪ツアー終了
旅の帰り道のバスの中から。
帰り道の今日5月5日、GWの真っ最中なので各交通機関の値上がりがすさまじいことはわかっていたので最終的にバスを選択するのにはそれなりに慎重になった。
結局大阪〜東京間を約7000円で移動する高速バスの昼行便にしたのだが、決断した理由としては
・普段のバス料金に比べれば約倍額ほどだが、往路で使った鈍行列車旅よりも2000円近く安い
・激しい渋滞が予想されるが、その日(今日)は仕事の予定は無いのでいくら遅れようがその日じゅうに東京に着ければ問題無し
・渋滞による長期戦が予想されるので、少々値段を奮発して三列シートタイプを選択することで快適な旅を確保
ということにより
・7000円
・昼行便
・三列シート(トイレ付き)
というバスが選択されることとなった。
結論から言えば、大正解、大勝利である。
これを書いている現在はまだ全体の4分の1を過ぎたぐらいの前半戦であるが、その時点ですでに勝利を確信している。
まず三列シートの快適さが本当にすごい。
隣に人がいないという快適さに加え、座席自体も少々広めで座り心地もバッチリだ。
ここまでにも何度も車窓の景色を眺めながらウトウトと寝てしまった。それぐらい快適なのでここから先何時間かかろうとどれだけ渋滞に巻き込まれようと何一つ問題は無い。
もう一つ特筆すべきところを挙げたい。
乗務員やスタッフの方々が穏やかで親切だったという点だ。
何をそんな当たり前のことを、と思う方がいるかも知れないが、これは実は当たり前ではない。「なるほど確かにそれはラッキーだね」と思われる方はそれなりに高速バス旅に精通した方だろう。
これに関しては思うところがあったので少し書いてみたい。
高速バスの乗務員の中には「何でそんなに初手からイライラしてるの?」と思うような人もたまにいる。「ほら荷物!そっちじゃねーから!そんなとこいたらジャマだよ!」みたいに常に怒ってる人がたまにいるのだ。
そういう乗務員やスタッフに対して私はそれほど幻滅したり苛立ったりはしない。なぜかと言えば二つの理由があって、
・私はたまに釣り船に乗るので、そういう時の船長や中乗りの荒っぽい言葉遣い(言葉が少々荒いだけで皆親切だ)に慣れているから。
・そのように荒っぽい言葉遣いにならざるを得ないような無法者の客がこれまでにたくさんいたからなのだろうなと想像されるから
という理由である。
という理由でさほど気にならないのだが、とはいえ穏やかに接客された方が気分が良いのは事実。今日のバスの乗務員・スタッフは非常に穏やかで丁寧で安心できた。
ひょっとすると、彼らを穏やかで親切にいさせられるのは我々乗客のせいもあるのかなと思ったのだ。
我々乗客が横柄で理不尽なことを言い続けていたら、乗務員も荒々しくなっていく。我々乗客がルールとマナーを守りつつ乗車しているからこそ乗務員・スタッフは穏やかでいられる。そのようなことがあるのかもしれないなと。
映画【風の谷のナウシカ】の中でナウシカがキツネリスのテトを手懐けるシーンを思い出した。
羽蟲に襲われているところをユパに助けられたテトはその恐怖から殺気立っていたが、そこにナウシカが手を差し伸べる。テトはナウシカの指を噛みナウシカの指から血が流れるが、ナウシカは「怖くない」とテトの目を見つめる。テトから殺気が消え、テトはナウシカに懐く。ナウシカは「怯えていただけなんだよね」と言う。
【風の谷のナウシカ】の中でも有名なシーンの一つである。
荒ぶるバスの乗務員はテトなのかもしれない。バスの乗務員だけではない、様々な荒ぶる店員はテトなのかもしれない。我々はそれに対して「怖くない」と答えていくべきなのかもしれない。
今日のバスの乗務員・スタッフはテトではなかったので私もナウシカにならずに済んだ。
バスの乗り場は大阪駅のバスターミナルだったのだが、私は大阪駅の地理がめちゃくちゃ苦手だ。地下を移動している時間が長いからかもしれないが、いつも軽く迷う。今回もバスターミナルを探すのに随分迷った。
大阪駅でいつものように立ち食いそばを見つけてそこで朝食をキメてからバスに乗り込もうと思っていたのだけれど、立ち食いそば屋は見つからず、バスの出発時間も迫ってきていたので仕方なくぱっと見えたマクドナルドでの朝食とした。
消去法的に選ばれたマクドナルドであるので何となく負けたような気分になっていたのだが、かなり久しぶりに食べるマクドナルドはなかなかに美味しく「これはこれでアリだな」という気分になったのでやっぱり負けではなくて勝ちということにした。うん、たまにはマックもありだ。
今回の大阪ツアーは非常に実りのあるものになった。演奏においては「もっとこういう風に出来たんじゃないかな」ということも多数あるが、それはそれ。まずは現実に起きたことをあるがままに受け入れて肯定していくところからしか物事はスタートしない。
本当に多くの人に支えられた。
一緒に演奏をしてくれた人、ライブを聴きに来てくれた人、ライブを支えてくれたお店の人、CDを買ってくれた人、泊まる所を提供してくれた人、話をしてくれた人。
人と関わるのが苦手でついつい一人でいることを選択してしまうことも多いけれど、やはり自分の無能ゆえにどうしても人に助けられてしまう。
そういう方々の助けがあって、好き勝手に生きていられるのだなと再認識した。
次回は今月末の京都ツアー。
東京に戻ってまた日々練習を重ねて月末に帰ってこよう。
今日の演奏動画。
Baden Powellの作曲した『Deixa』をソロピアノで弾いてみました。
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