【My Back Pages】 の翻訳に挑戦
今月末のトリオのライブのセットリストをそろそろ何となく組んでメンバーに送らないとなと思っていたので、メンバーに「ぼちぼちセットリスト組もうと思っているのでもしやりたい曲があれば教えてください」というメールを送った。
そうしたら意外な曲が候補に上がってきた。
Bob Dylanの【My Back Pages】という曲だ。
一瞬「え?」と思った。
この曲は高校生の時にめちゃくちゃたくさん聴いた私の「青春の曲」の一曲だからだ。
もちろん返す刀で「OK、やろう!」と送った。なので今月末のライブ
5月27日(土) 京都伏見 レミューズカフェ
075-622-0014
http://lesmuseskafe.com/
【福島剛トリオ】
piano:福島剛 bass:鶴賀信高 drums:市川綾野
19:00~start music charge:2500円
多分この曲をやる。どういう風になるかな、ものすごく楽しみだ。
この曲のことを考えていたら、30年近く前の色んな景色が思い出された。それは大半は恥ずかしい思い出なのだけれど。
受験勉強の英語のことを思い出した。
私は非常に横着者だったので、あんまりきちんと英語の受験勉強をしなかった。代わりに英語の本をよく読んだ。サリンジャーの【ライ麦畑でつかまえて】とかスタインベックの【怒りの葡萄】とかフィッツジェラルドの【グレートギャツビー】とか。辞書と日本語訳された文庫本を見ながらひたすら読むというやり方。ほとんどこれで受験の英語は乗り切った。やり方として正しいか正しくないかはわからないが、私にはこれが向いていた。
その時に英語で読んでいたのが海外の小説だけでなく詩だった。その中でも特にBob Dylanの詩は好きだった。彼の歌が好きだったのもあるし、その彼の書く詩がとても好きだった。彼の詩をよく日本語に訳していた。
ということで今日は久しぶりにBob Dylanの詩の翻訳にチャレンジしてみる。できるかな。
【My Back Pages】
Crimson flames tied through my ears
Rollin' high and mighty traps
Pounced with fire on flaming roads
Using ideas as my maps
"We'll meet on edges , soon," said I
Proud 'neath heated brow.
Ah , but I was so much older then ,
I'm younger than that now.
ぼくの耳に縛りつけられた真っ赤な炎
高く転がっていく大きな罠
炎の道で共に飛びかかる
思いをぼくの地図にするんだな
「じきに世界の果てで会うよ」
額の熱が誇らしかった
ああ、あのときぼくは随分 老けていた
今はあのときよりもずっと若い
Half-wracked prejudice leaped forth
"Rip down all hate," I screamed
Lies that life is black and white
Spoke from my skull. I dreamd
Romantic facts of musketeers
Foundationed deep , somehow.
Ah , but I was so much older then ,
I'm younger than that now.
難波しかけた偏見が跳び出して
「どんな憎しみをも引き裂け」と叫んだ
人生は勝つか負けるかなんだなんて
そんなの嘘っぱちだとぼくは夢見た
銃士の語る理想論は深い事実に裏打ちされてるんだってさ、知らないけど
ああ、あのときぼくは随分 老けていた
今はあのときよりもずっと若い
Girls' faces formed the forward path
From phony jealousy
To memorizing politics
Of ancient history
Flung down by corpse evangelists
Unthought of , though , somehow.
Ah , but I was so much older then ,
I'm younger than that now.
少女たちにかかれば見透かされてるよ
あんたがたが大層に昔からの歴史の記憶だなんて言っていることが
単なる嘘くさい嫉妬から来ているってことをさ
福音を信じた昔の人たちは彼女たちを打ちのめすのかな、どうだろう
ああ、あのときぼくは随分 老けていた
今はあのときよりもずっと若い
A self-ordained professor's tongue
Too serious to fool
Spouted out that liberty
Is just equality in school
"Equality," I spoke the word
As if a wedding vow.
Ah , but I was so much older then ,
I'm younger than that now.
自分が正しいと信じて疑わない教授たちの言葉
馬鹿にしたいのにそれが憚られるぐらい深刻ぶる大人
自由って所詮学校の中での平等のことなのかな
「平等」ってもう一回言ってみた
結婚の誓いみたいにさ
ああ、あのときぼくは随分 老けていた
今はあのときよりもずっと若い
In a Soldire's stance , I aimed my hand
At the mongrel dogs who teach
Fearing not that I'd become my enemy
In the instant that I preach
My pathway led by confusion boats
Mutiny from stern to bow.
Ah , but I was so much older then ,
I'm younger than that now.
まるで兵士にでもなった気分でぼくが銃口を向けた雑種犬
恐れもなしに彼は教えてくれた
ぼくが彼の敵に変わる臨界点
それはぼくが思い上がった時のことだった
ぼくが歩く道を導いてくれるのは混乱した小舟だ
トモからミヨシまですっかり乱れている
ああ、あのときぼくは随分 老けていた
今はあのときよりもずっと若い
Yes , my guard stood hard when abstract threats
Too noble to neglect
Deceived me into thinking
I had something to protect
Good and bad , I define these terms
Quite clear , no doubt , somehow.
Ah , but I was so much older then ,
I'm younger than that now.
そうだ、自分の殻を硬く強くするんだ
そうでもしなけりゃぼんやりとした不安はあまりに高潔でもはや無視できないぜ
自分を騙そうぜ
世の中は正義と悪だ
ハッキリと定義してやろうぜ
何の疑いもなく悪を滅ぼすんだ
知らんけど
ああ、あのときぼくは随分 老けていた
今はあのときよりもずっと若い
今日の演奏動画。
Bob Dylanの作曲した『My Back Pages』をソロピアノで弾いてみました。
2020年5月25日にもやっているのでリテイクです。
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