高校生の頃の思い出の味
今日のレコード。
私が最も尊敬して愛していて師と仰ぐAbdullah Ibrahimの最新作【Solotude】。ちょっと聴いてるだけで泣きそう。やばい。
私の宝物のレコードの一枚だ。
昼から江戸川区役所に行っていた。
健康保険の切り替えとかそういう用事で。
ド底辺である私はド底辺過ぎるので晴れて嫁氏の扶養に入ることになり、それにより健康保険が切り替わったのだ。
区役所の窓口係の女性が「ド底辺様ー、ド底辺様ー」と私を呼んだような気がするが、もちろんそれは私の被害妄想の賜物だ。窓口の女性は普通に「福島様ー」と呼んでくださった。私のようなド底辺に「様」なんて付けなくて良いのに。
健康保険の切り替えは無事に終わった。
江戸川区役所まで行ったので、その帰りにとあるカレー屋に寄って昼食を摂った。
新小岩駅の近くにある「ジャンカレー」。写真のカレーはジャンカレー590円に大辛2倍増しトッピング100円である。私はカレーだけはアホみたいに辛いやつが好きなのだ。
実はこのジャンカレーは私の思い出の味だ。
高校生の頃、受験勉強をするためにこの近くにある施設の自習室によく行っていて、その帰りにこのジャンカレーを食べていた。
その後もたまに訪れたことはあったが、今回は非常に久しぶり。多分10年ぶりぐらい。
「そうそう、こんな味だった。美味しいなあ」と思いながらカレーを食べていた。
味覚や嗅覚というものはダイレクトに記憶を呼び起こすもので、ジャンカレーを食べながら高校生の頃に感じていた将来への不安を私は思い出していた。
受験に対する不安はあまりなかった。学校の成績はそんなに良くなかったけれど、私は学校の勉強や受験勉強自体はそんなに嫌いではなかったから多分どこかの大学には合格できるだろうと思っていた。実際に合格できた。
不安だったのはその後のことだ。
私は高校生の時には既に自分の決定的な人間としての欠落を自覚していた。
大学にはおそらく行けるだろうが、その後にきちんとした人として生きていけるのだろうか、まず間違いなくきちんと生きていけない、いけるはずがない、と不安に思っていた。
好きなことならば寝食を忘れて没頭できる一方で、自分の興味のないことには一切興味が湧かないしやる気も起きない。
高校生の時に「将来なりたい職業から逆算して進路を選びましょう」というアンケートがあったが、私は希望の職業欄(複数書くところがあった)に「詩人」と「ホームレス」と書いた。それは半分冗談でもあったが、半分は本気だった。つまり「私はきちんとした大人になれない」ということをその時に強く自覚していたのだ。
40代も半ばに差し掛かり、そういった高校生の時に不安に思っていたことの答え合わせをするような段階に来ているが、高校生の私の予想通りに私はきちんとした大人になれていない。碌に金を稼がずに毎日好きなことだけをやっている。人に迷惑をかけることはあっても人の役に立つようなことはない。
悪い意味で私には先見の明があったようだ。
ジャンカレーからの帰り道で、川に架かる橋の上で10分ほどぼーっとした。平日の真っ昼間に川原でぼんやりするような大人になるような気がしていた。実際そうなっている。
もうしょうがねえのかな、と思ってそこからいつものように練習に向かった。うん、もうしょうがない。
そんな私も明日からしばらくはライブが続く。
とても楽しみなライブだ。
まずは明日と明後日はこれ。
4月29日(土) 東京立川 Jesse James
042-525-7188
http://jessejames-tachikawa.music.coocan.jp/
vocal:高原かな piano:福島剛
19:00~start music charge:2600円
4月30 日(日)東京小岩 Back in time
03-3659-0351
http://www.bqrecords.net/backintime.htm
vocal:高原かな piano:福島剛
14:30~start music charge: 2500円
きちんとした大人にはなれなかったけれど、やりたい音楽が少しずつ出来るようになってきているのだから人生はそんなに悪くない。
今日の演奏動画。
宮本浩次さんの作曲した「エレファントカシマシ」の『Listen To The Music』をソロピアノで弾いてみました。
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