オリンピックを目指していなくても
朝からレッスン。昼過ぎに終わり。
生徒が実によく頑張って練習してきてくれてすごいなあと思う。
その努力をきちんと形にしていかないと、と身が引き締まる。
もう20年近くジャズピアノのレッスンをやっているけれど、まだ何が正解なのかが一向にわからない。やればやるほどわからなくなっていく。
ジャズもそうだ。おぼろげながらも「ジャズってこういうことなのかな」というものが見えてきたと思ったら「いや、やっぱ違うわ」となることの繰り返しで、未だにジャズが何なのかよくわからない。
レッスンでは自分の中に「これが正解」というものは無い。常に目の前の状況を見ながらこの人に今必要な言葉は何なんだろうと考えて、それなりに的を射たことが言える時もあれば完全に頓珍漢なことを言ってしまう時もある。
レッスンの時に一つ、絶対に言わないようにしようと思っている言葉がある。
「プロになるわけじゃないんだから」
この言葉を絶対に言わないようにしようと思っている。
恥ずかしいのだけれど随分と過去に一度か二度、そうやって言ってしまったことがある。
生徒が「今週は全然練習出来てなくて」と言った時にそう言ってしまった。本当に恥ずかしいし、撤回したい。もう二度と言わない。
もちろんほとんどのピアノの生徒がプロになる為にレッスンに通っているわけではない。けれどそれがどうしたということなのだ。
各々の取り組み方で頑張っているところを指導者が「別にプロになるわけじゃないんだから」と言ってしまうのは非常に横暴で身勝手であると思っている。それぞれにはそれぞれの高みがあって、そこに向かって一歩ずつ進んでいくのだから。
私だって今から柔道のオリンピックを目指しているわけではない。けれども私には私なりに目指す柔道の高みがあって、そこに向かって毎日稽古をしているのだ。「オリンピック目指すわけじゃないんだから」と言われる筋合いはない。
ピアノのレッスンねえ。
それぞれの高みを目指す生徒に対してどのように力になれるのだろうか。
明日からもまた研究は続く。
今日の演奏動画。
Bernie Millerの作曲した『Bernie's Tune』をソロピアノで弾いてみました。
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