クーポン券に縛られる
クーポン券が苦手だ。
少しでも得をしようと考える精神が卑しくて好きではないのかというとそうではない。むしろその逆だ。
私はクーポン券に縛られてしまうからだ。それでクーポン券が苦手なのだ。
例えばどこかで昼食を食べる時、A店に行こうかなと思っているのにB店のクーポン券を持っていたから本当はA店に行きたかったのについついB店に行ってしまうというようなことがある。
頭の中で「せっかくクーポン券を持っているのだから」という損得勘定が働く。その時私は自分の素直な感情よりも損得を優先するような人間に成り下がってしまう。どんどんと私の中から自由が失われてしまうのだ。
なので極力クーポン券やポイントカードの類をもらわないようにしている。財布がクーポン券やポイントカードで溢れてしまうのもイヤだし、というのもあるのだが。
ただし例外が一つだけある。
立ち食いそばチェーン店の「ゆで太郎」である。私はゆで太郎のクーポン券は積極的にもらいに行く。ここだけは例外だ。
それは私がクーポン券を持っていようといまいとゆで太郎にはものすごく頻繁に行くからというのが大きな理由の一つだ。少なくとも週に二日は行く。多い時は週に五日ぐらい行く。なのでクーポン券によって行動の自由が制限されないのである。そもそも行くから。
ゆで太郎のクーポン券の写真がこちらだ。
何かが安くなったりするタイプのクーポン券ではなく、トッピングが何か一つ無料でつくタイプのクーポン券だ。
ゆで太郎は天かすが無料なのでかけそばは自動的にたぬきそばに変貌する「自動たぬきそば」だ。ということで私はいつもかけそばを注文するのだが、このクーポン券を持っているとそれがかき揚げそばになったり温玉そばになったりコロッケそばになったりする。
クーポン券を持ってゆで太郎に行くとそれだけでワクワクしてしまう。「今日はコロッケそばにしちゃおうかな、うふふ」などとニヤニヤ笑いながら歩くゆで太郎までの道のりの足取りは軽い。
この最強のクーポン券、問題は配布期間の短さだ。上に挙げた写真は先日私がゲットしたクーポン券なのだが、使用期間が3月1日~5月末日とあり、2月23日現在はまだ使えない。そして配布期間は大体長くてもこの2月後半から3月の2週目ぐらいまでなのである。
私はこの期間に何としてもゆで太郎のクーポン券を3枚はゲットしなくてはならない。
なぜ3枚かというと、常にそれを持っていないと不安だからだ。
日常的に使う仕事カバンに一枚、荷物が少ないとき用の小さな肩掛けカバンに一枚、それから上着のポケットに一枚。合計三枚のクーポン券を常にどこかに忍ばせておかねばならない。
いつ何時ゆで太郎に行くかわからない。その時の為にも必ず三枚、ゆで太郎のクーポン券を準備して決戦の3月以降に臨みたいというそういう気概であるのだ。
先日の昼過ぎに近所のゆで太郎の前を通りがかった時にちょうど「クーポン券配布中」ののぼりが店先に立っていた。その日は私は朝イチで浅草橋にあるお気に入りの立ち食いそば屋「ひさご」にてたぬきそばを食べていたので、朝も昼もたぬきそばってのはどうよ?と思いつつもクーポン券欲しさについつい「ま、仕方ない」と思ってゆで太郎に入って先ほどの写真のクーポン券を手に入れた。
すごく満足すると同時に「やはり私はクーポン券に縛られている」と実感した。
なんなんだこの人間の器の小ささは。
今日の演奏動画。
Ron Carterの作曲した『First Trip』をソロピアノで弾いてみました。
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