理論上の富豪
富豪の愉悦というのは「安全(セーフティ)であることの愉悦」だと『賭博黙示録カイジ』で既に結論が出ている。
決死のギャンブル「鉄骨渡り」をするカイジらを高層ビルの一室から眺めながら利根川が
こうした安定した場所で見ているともうそれだけで………
しみじみと幸せを感じられる………
普段感じることのできぬ「セーフティ」という名の悦楽………
「安全」であることの愉悦………
と呟くのである。
利根川は良いところもたくさんあるのだが基本的には性格が悪い。
確かに富豪の愉悦は「安全」であることなのだ。
私は富豪ではない。
ということは私と富豪との違いは何かと言うと安全か安全でないかということになる。
何がその「安全」の基準となるかと言えば、おそらくそれは「蓄え」であるのだ。
金でもいい、家でもいい、車でもいい、子供でもいい。
何かがあったいざという時の為の「蓄え」の多寡が「安全」であることの判断基準になるのではないだろうか。
そう考えてみれば確かに私にはそういった「蓄え」がないので「安全」であるとは言い難いのかも知れない。
とすれば、私がセーフティという名の悦楽を得ようとすれば「蓄え」を手にすれば良いということになる。かと言って金はない。どうすればいいか。
九条ネギである。
近所のコンビニ「まいばすけっと」で売っている九条ネギを買ってくる。
定価は150円ほどだが、3割引きのシールが貼ってあると100円ちょっとで買える。今日は3割引きで買えた。
その九条ネギを買ってきたらすぐに家でザクザクと切り刻む。
そしてその切り刻んだ九条ネギをジップロックのタッパー「スクリューロック」に放り込むのだ。
写真を見てほしい。スクリューロックの中にぎっしりと九条ネギが入っている。
これにより私は「九条ネギを大量に蓄えた人」になることができる。
納豆に入れてもいい、味噌汁に入れてもいい。九条ネギは全ての食事をワンランクもツーランクもグレードアップしてくれる。私はいつでも食事をグレードアップさせる蓄えを手に入れたということになるのだ。
スクリューロックにたっぷりと入った九条ネギを眺めながら私は
こうした安定した場所で見ているともうそれだけで………
しみじみと幸せを感じられる………
普段感じることのできぬ「セーフティ」という名の悦楽………
「安全」であることの愉悦………
と呟かずにはいられない。
冷蔵庫に九条ネギのストックがたくさんあると本当に幸せを感じる。
ついに私は実質上ではないが理論上は富豪になってしまった。
今日の演奏動画。
Roy Hargroveの作曲した『Strasbourg St. Denis』をソロピアノで弾いてみました。
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