自分以外の誰かに向けているのだとしたら
音楽をやっているのは、少しでも好きな自分になるためだ。私は自分のために音楽をやっている。それ以上でもそれ以下でもない。
そういう風に思ってずっとやってきたのだけれど、少しずつ自分が変わってきているところもある。
あるいは私は誰かに向けても音楽をやっているのかも知れない、ということを最近はたまに思うようになった。コロナ禍を過ごして音楽との向き合い方が変わったのか、それとも少し大人になったからなのか。よくわからないけれど。
もしも私が誰かに向けて音楽をやっているとすれば、それはきっと「生きづらい誰か」に向けてなんだと思う。
色々とうまくいかないことがあって、傷ついたり焦ったり苛立ったりしている「誰か」に。
人生はうまくいかない。そうじゃない人もいるだろうけれど、少なくとも私はそうだ。
私と同じように色んなことがなかなかうまくいかなくて生きづらさを感じている他の誰かが世界のどこかにいて、それでもその人が前を向いて力強く生きようとしているならば、「じゃあ落ちこぼれ同士一緒に頑張ろうぜ」と伝えたくて私は音楽をやっているのかもしれない。
私はずっと自分勝手に芸事のみに打ち込んでいるだけだし、何の生産性も無い。それでも力強く生きていきたいと願っている。
人の命の価値を外から決めて「無価値な命は淘汰された方が良い」なんてことを言っているやつのことを最近ニュースで見た。
色んな意見があってかまわないが、それに対しては私は「うっせーバーカ」とはっきりと反対意見を表明しておく。
人の命は等価値ではないのかもしれない。それでも人の命を値踏みするような人間を私は軽蔑する。
今日の演奏動画。
Cole Porterの作曲した『All Of You』をソロピアノで弾いてみました。
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