成功する人は週末を無駄にしない
電車に乗っている時に車内広告で「成功する人は週末を無駄にしない」というコピーの書かれた広告を見た。
見た瞬間に名状しがたいもやっとした感情がやって来たが、とりあえず心の中でスルーしておいた。
スルーしつつも「これはきちんと考え直すとブログのネタになるから後で酒を飲みながら考えよう」と思ってメモだけしておいて、その数時間後に酒を飲みつつそのもやっとした感情について考え直している。
まず、私が
・成功する気配すらない上に
・週末どころか人生を丸々全て無駄にしている
からもやっとしたのは間違いないのだが、そういった厳しめの現実を直視し過ぎるとメンタル面でよろしくないのであまり直視しないようにする。私は現実を直視しない。繰り返す、私は現実を直視しないっ!
現実から全力で目を反らしつつ考えたのだが、おそらく私は"成功するために"何かをする(この場合では週末を無駄にしない)ということにもやっとしたのではないかという結論に至った。
私の行動原理、あらゆる行動に対する動機はかなり純度の高いレベルで「やりたいから」というものを基準に作られている。
やりたいことはやる。やりたくないことはやらない。
ワガママなことは100も承知。いや、億も承知。でももう仕方ないのだ。もうとっくに手遅れなのだ。
もちろん多少はブレる。
お金をたくさんもらえるならばやりたくないことでもたまにはやる。私の歪んだ性格を矯正出来るのはお金以外に無い。
しかし行動原理の根本がそのようにワガママに出来上がってしまっているので、その広告を見た時に「成功したいという理由で週末を無駄にしないというのはどういう了見だ」とモヤった次第だ。
これまでにも心ある諸先輩方から「音楽家として成功するためにはこういうことをやった方が良い」というアドバイスをたくさん頂いたことがある。
今思い返してもそうやって頂いたアドバイスは全て理に敵っていたのだが、カスである私はそれらのほとんどを無視して「やりたいことをやるのに忙しくてやりたくないことをやっている時間がない」と傍若無人に振る舞ってきた。
「あいつに何を言っても無駄」となってしまった今、もはや私にアドバイスをくださる方はほとんどいないが、それでもまれにアドバイスをくださる根気強い方もまれにいらっしゃって、そういうレアな方のアドバイスは極力聞くようにしている。
若い頃は多少「成功したい」という気持ちがあったような気もする。人から認められたいとか評価されたいとか。
いつの間にか自分でも気付かない内にそういう感情がどこかに霧散した。
元々心の中にあった「好き勝手に生きたい・一生遊んで暮らしたい」という感情のみが肥大し、今では惨憺たる有り様である。朝から晩まで全力で分刻みで遊んでいるので「成功するための努力」をしている時間が無いというのが現状だ。
救いようがない。
成功する人は週末を無駄にしない。
成功しない人は全人生を無駄にする。
だが反省はしない。
敗者の結論である。
今日の演奏動画。
Horace Silverの作曲した『Blue Silver』をソロピアノで弾いてみました。
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