2023年1月26日~旅日記その2
一日目中盤~終盤
新幹線ってたまにしか乗らないのだけれど、乗るとその速さにびっくりする。今回は新幹線の中でも最ものんびりしている”こだま”なのだけれど、それでも十分すぎるくらい速い。
いつもの鈍行列車旅だと二~三時間走って初めて神奈川終了、さてこれから地獄のような長さを誇る「魔の静岡県」かーとなるようなところが、新幹線だとこだまですら三時間走るともう名古屋辺りまで行ってしまう。魔の静岡県なんてほとんどなかったかのようなものになってしまう。
結局8時前に東京駅を発車した新幹線は12時前に京都駅に到着。京都まで四時間かからないとかどうかしてると思う。
先日からの寒波で大雪が降っていたらしい京都はどうなっているかなと思って降り立ってみたけれど、そんなに寒くないし雪も大体溶けていた。結構防寒をしっかりしてきたんだけど、しっかりし過ぎたせいでむしろ暑いよ。
とは言え東京よりは遥かに寒い。さすが京都だなーと思っていたら、京都駅に”おなかちゃん”がいた。
”おなかちゃん”というのは胸の下ぐらいまでしか無い短い丈のシャツを着ておなかを出している若い女の子のことで、ここ最近ちょくちょく見かける。多分流行っているんだと思う。私は彼女たちのことを”おなかちゃん”と呼んでいる。
おなかちゃんは通称”大阪のお姉さん”(大阪のおばはんの意、関西では何歳であろうとも年上の女性は”お姉さん”と呼びましょう)と並んで人類最強の生物なのではないかなと思う時がある。
半分冗談半分本気で、激化する戦争の最前線には兵隊などではなく大阪のお姉さんを派遣すればあらゆる戦争は鎮火するんじゃないかと思っている。
「あんたなに鉄砲なんか構えてんねん、危ないやろ、ほれ飴ちゃんあげるし舐めとき!」
「なに爆弾持ってんねん!爆発したらどないする気や!こないだ近所の鈴木さんとこでもちっちゃいガス爆発あって台所壊れて修理代えらいことかかったらしいで!」
戦う気勢を根っこから削いでくれそうな大阪のお姉さんは間違いなく人類最強の生物だが、それに匹敵する強さを持つのがこのおなかちゃんなのではないかと思うのだ。
極寒の鍾乳洞の中で元気におなかを出している”おなかちゃん”を見た時に「こいつ…概念としても生物としても、強い…」と圧倒されたことがある。
SNSでの”バえる”写真を撮るためには一切の妥協を許さない。極寒の鍾乳洞の中でも雪が残る京都駅の前でもおなかちゃんはおなかを出す。
ひょっとしたらおなかちゃんもあらゆる戦争を終わらせる逸材なのかもしれない。
最前線の兵士に
「銃とか構えられて怖くてぴえん。むしろぱおん。てか写真撮らん?」
いけそうな気がする。
雪の残る京都駅で”バえる”写真を撮っていたおなかちゃんは間違いなく強い。
京都駅からバスに乗って四条大宮へ。一つだけピアノレッスンの依頼があったので、それをやりに。
レッスンは滞りなく終了。普段と違うところでレッスンをするのは勝手が違うことがたくさんあるので事前の準備が大事だなと実感。今回は一時間早くスタジオに着いて色んな資料を事前に準備出来ていたので良かった。
レッスンを終えてからホテルへ。ホテルと言っても今回はドミトリー。二段ベッドの内の一つだけが自分のスペースというタイプの安宿。以前にも泊まったことのあるホテル。以前はかろうじて日本語が通じたのだが、今回はスタッフの方には一切日本語が通じず。OK。マイ・プア・イングリッシュでどうにか乗り切ろう。でたらめな英語を自信満々に話すことに関しては多少の自信があるのだよ私は。
座って半畳寝て一畳の安宿も私からすれば快適そのもの。チェックインして早々に一時間の昼寝。これでかなり体力が回復する。
夜は三条の【セサモ】へ。最終木曜日恒例のジャムセッション。いつも参加してくださる凄腕の方々と遊んでもらう。
珍しく、セッションには参加しないリスナーの方が客席に何人かいらっしゃった。
「聴いてもらえるのもありがたい」と思って一生懸命全曲演奏した。
終わって帰り支度をしている時にリスナーとして来ていた見知らぬ方に「いつもお世話になってます」と声をかけられて「???」となってしまった。「何をお世話してますか???」と聞くと、どうやらその人はたまに私にネット経由で仕事のご依頼を下さる方だった。「えー!それはこちらこそいつもお世話になっております!」と答えたのだが、予想外のことにテンパって無事にコミュ障を炸裂させてしまった。すぐにテンパるなあ、こういう時。
でも、まさかそういう所でばったり会えるとはという喜びは大きい。
別件でこれまでにも演奏後に知らない人に声かけられて「いつもYouTubeの演奏動画見てたので実際に演奏に来ました」って言われることが何回かあったけど、そういうのも本当に嬉しい。「誰に見られてなくてもいいや」と思いながら地道にやってたことを見てくれてた人がいるって、なかなかに嬉しいことなのだ。
ジャムセッションを終えて宿へ帰る道すがら、いつも立ち寄る「Jazz in ろくでなし」で軽く一杯。たまたま隣に座った大学の卒業旅行で日本に来ているというカリフォルニア人の若者三人組とちょっと話す。もちろん悪びれずにでたらめな英語で。
こういう時には「日本ってどう?」と聞くのが面白い。もちろん向こうは最初は当たり障りなく「素晴らしいよ」とか「美しいよ」とか言うんだけど、その行間を読み取っていくというか。
「あなた方の国アメリカにも良いところと悪いところがある。それと同じで日本にも良いところと悪いところがあるんだよ」ってな感じでブッこんでいくと少しずつ正直な印象を教えてくれる。これが面白い。
1時間で三杯だけ飲んで帰宅。
ホテルのベッドでもう一杯飲もうと思って帰りにコンビニで缶チューハイを買ってきたのにあっさり寝落ち。
二日目に続く。
今日の演奏動画。
Arthur Johnstonの作曲した『Pennies From Heaven』をソロピアノで弾いてみました。
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