部屋とYシャツと魚とコーヒーと私 その3
昨日の記事の続き。下処理しといた魚を食べる編。
まずはダシ茶漬けから。
【ダシ茶漬け】
下処理の際のアラを鍋で煮てダシを取っておくというのは昨日書いたが、良い感じにダシが取れたらザルでアラを濾してスープだけにしておく。ちょっとめんどくさいのだけれど、ザルにあるアラを身と骨に分けて、身だけスープに戻すとなお良い。このスープに酒とみりんと醤油をテキトーに入れてダシスープを作る。それをご飯にかけて細く切った大葉とゴマを振りかけたらダシ茶漬けの完成。死ぬほど美味い。朝ごはんに最適。
続いて魚料理。
今回はアジがメインだったのでアジ料理の定番を二つ紹介。
【ゴマアジ】
いわゆる「ゴマサバ」のアジ版。醤油と煮切った酒を1:1で混ぜた漬け汁を用意。そこに薄く切ったアジの刺身を入れて30分漬け込む。30分経ったら身を取り出してキッチンペーパーでよく拭いてゴマと細切り大葉と和えるだけ。激ウマ。この際の漬け汁の残りを前述のダシ茶漬けの味付けに使うと勿体なくなくてナイス。
【なめろう】
色んなやり方があるとは思うけれど私流。アジの身を細かく切って、みじん切りのネギと味噌と合わせるだけ。ポイントは「叩かない!」。絶対叩かない。包丁の背でこね回すだけ。鬼ウマ。
脂乗りの悪い時期のアジなんかだとここにゴマ油を垂らしたりしても良いのだけれど、今回のアジは脂がエグいほどに乗っていたのでもちろんそれもしない。捌いてる時に腹の中がラードのような内臓脂肪だらけだった。魚に健康診断があったとしたら内臓脂肪過多で即入院というレベル。そもそも東京湾のアジは多数の釣り船が毎日のようにどかすかコマセを撒いてるから栄養過多でメタボっているのだ。天然と養殖の中間ぐらい。ホントにすごいよ、脂。
で、先日。年末年始は知り合いの家や親戚の家で色々ご馳走になったりしていたのでなかなか家にある魚を食べきれていなかったので、1月3日に【なめろう】を作って食べてみた。釣ってから一週間経過の生食だ。
開けてみて臭いがヤバかったら火を通そうと思ったのだが、過剰包装のお陰で生臭さは皆無。
私の頭の中で「生食いけるいけるマン」が「生食いけるぜー!いけるいけるー!大丈夫ー!」と歌い踊っていたので調理してみた。※魚の生食に関しては自己責任でお願いします
結論としては何も問題なかった。大変美味しかった。
下処理を完璧にしておくと生食は一週間経ってもいけることが私のなかで証明された。※くれぐれも魚の生食に関しては自己責任でお願いします
もし、多少臭みがあったとしても食べたと思う。
ここからが本題なのだが(前置きなげえよ)。
実は私は魚なら何でも好きだ。
釣りを嗜む人々がよく「釣りたての魚を食べちゃったらスーパーの魚なんて臭くて不味くて食えたもんじゃないよ」なんて言うのを聞くたびに私は心の中で「そうでもねえよ?」と思う。
釣ってきちんと処理した魚は確かに美味い。激ウマだ。
けれど、スーパーで売っている魚も私は好きなのだ。魚自体がとても好きなので、それとこれとは別のものとして楽しめてしまう。
夜の9時ぐらいにスーパーに行って黄金のシール(半額シールのこと)が貼ってある刺身を見つけると「真鯛が200円ってそりゃあ買うしかねえだろ!」と勢いよく買い物かごに入れる。それもまた美味い。私は魚自体をとても愛している。
同じようなものがコーヒーであって、私はとてもコーヒーが好きなのでどんなコーヒーでも楽しめる。
コーヒー通の方々が「ファーストフード店のコーヒーなんて飲めたもんじゃない」と言うのを尻目に「〇ックのコーヒーうめえ!マッ〇のコーヒー最高!」と言える。
もちろん、高級なコーヒーを飲んだら「あーこれは確かに美味いわー」とは思うのだが、それとこれとは別のものなのだ。コーヒーであれば全て美味しいのだ。
得な性格だなー、と思う一方で「これはこれじゃなきゃイヤだ!」というものも数えるほどだが少しだけあって、その最たるものがピアノだ。
ピアノに関してはものすごくわがままだ。
きちんとしたピアノであればあるほど嬉しいし、出来ればそうじゃないピアノは極力弾きたくない。
電子ピアノやキーボードなんかに関しては自分の技術不足によって「ちゃんと弾けない」のでそれに苦戦するので弾きたくないというのもある。
オルガンなんて「同じ鍵盤楽器なんだから弾けるでしょ?」と言われる時もあるが、全く弾けないし、だから弾かない。あれはちゃんと訓練を積まないと弾けない。
そうやって自分の責任も多分にあるのだけれど、ピアノに関しては「頼むからちゃんとしたピアノ弾かしてつかあさい」といつも思っている。
仕事で行った先に置いてあったピアノが素晴らしい状態のものだとそれだけで嬉しくなる。
いつも演奏に行くお店が、私のライブの直前にピアノの調律を入れてくださると冗談抜きに5倍ぐらいやる気になる。
こればっかりは「ピアノなら何でも好き」とも言えないのだ。同様に「音楽なら何でも好き」とも言えない。その辺は非常にわがままだ。そのせいで何人かに嫌われているのもわかってはいるが、それでもそこは譲れない。
一週間熟成のなめろうを食べながら「魚って本当に美味いなあ、何でも好きだなあ(※くれぐれも絶対に魚の生食に関しては自己責任でお願いします)」と思いながら、「そういえばピアノに関してだけはその限りじゃねえや」と思った。
そんな話でした。
今日の演奏動画
Tord Gustavsenの作曲した『Stream』をソロピアノで弾いてみました。
| 固定リンク
コメント