部屋とYシャツと魚とコーヒーと私 その1
昨年末に釣りに行った。
毎年、年の瀬には魚釣りに行って年末年始の酒のツマミを確保するのが恒例になっているのだが、昨年はちょっと逡巡した。
あまり積極的に経済活動を行っていない即ちマトモに働いていないので金が無い(業界用語で言うところの「ネーカーがイーナー」)状態だったので、今年は諦めて毎日うまい棒を10本食って我慢するかなと思っていた。
だがそんな折に数少ない友人であり今では釣り仲間でもある大学時代の先輩T氏から「釣り行かへんか」と誘いがあった。
私の信仰する宗教の聖典にはその冒頭に「誰かからの釣りの誘いは断ってはいけない」と書いてある。
誘われなければ行かずにうまい棒コースだったが、誘われてしまったので行かざるを得ない。しかしネーカーはイーナー。どうしたものかなと思案していた時に妙案が一つ浮かんだ。
神奈川県の金沢八景にある某釣り宿、そこの釣り船の乗船券が我が家に15枚あったのだ。
そこの釣り宿は一回乗船するたびに一枚もらえる乗船券を15枚集めて持ってきたら乗船料を一回無料にするよというサービスを行っていたのだ。
これだ!と思った。
15回もよく通った過去のおれソーナイス!と思ってT先輩に「行きましょう。ただし金沢八景の○之瀬丸にしてください。今回おれタダで乗れるんで」とメールを送った。
幾つかの釣り物の候補があったが、午前中はタチウオ釣り午後はアジ釣りというタチウオアジリレー船通称「タチアジ船」に決定した。
午前のタチウオは激渋だった。いわゆる「しぶたにえん」というやつである。まともにアタリが無いしアタっても食わない。私は割とタチウオ釣りは得意な釣りなのだが苦戦した。
結局午前を終わって私がタチウオ二本、T先輩がタチウオ一本。二人の頭の中で「ちーん」という音が鳴っていた。
「気を取り直してアジ釣り行きましょうぜ、こんな時にリレー船ってのは良いですよ、さあこっから巻き返しますよ」と言って午後のアジ釣りに突入。
ここから"おれたちの時代"がやってきた。
最初のポイントで二回ほどコマセを打ち返したあたりから止まらぬアタリ。
アタリに飢えていた私とT先輩は「ありがたやー!ありがたやー!」と言いながらアジを釣り上げまくった。それまで全然アタんなかったんだもん。急に楽しくなっちゃったよ。
結局午後のアジ釣りはノンストップで釣り続け、沖上がりまでバケツで活かしておいた小型のアジを全てリリースしても50匹のアジがクーラーボックスに収まった。T先輩も同じぐらい。
完全勝利であった。
明日は釣り上げた魚の料理の話。
本日の演奏動画。
Walter JermannとGus KahnとBronislaw Kaperの作曲した『All God's Chillun Got Rhythm (神の子供たちはみな踊る)』をソロピアノで。
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