ミュージシャンは寝袋こそ良いものを
高価な持ち物などほとんど無い私だが、寝袋だけは良いものを持っている。
今から16年前、27歳の時。京都の大学を9年間もかけて卒業して東京に戻ってきて「さあミュージシャンになるぞ」と本格的に考えた時に、私はなぜか「最初に必要なのは寝袋だな」と思った。今考えても「なぜなの?バカなの?」と思うが本当にそう思ったのだ。
おそらくその時は二つの理由でそう思った。
・これから色んな地域で演奏することもあるだろう。その時にきちんとしたホテルに泊まれるとは限らない。野宿のケースもありうる。ならば寝袋は良いやつを買おう。
・ミュージシャンになり損ねたらホームレスになるしかない。冬は寒いから寝袋は良いやつを買おう。
この二つの理由である。
当時ふらっと入ったパチンコで結構がっつり勝った時にその金で2万円(多分)ぐらいする寝袋を買った。これも今考えると「パチンコとかしてないで練習しろ」と思うのだが、20代の頃は今に輪をかけてバカだったのでパチンコとかもしていた。
理由はどうあれ、今もその寝袋は現役で活躍している。雪山でも寝られるようなやつである。
昨日、数十年に一度の大寒波が日本列島に来ているとニュースで報じられた。
こういう時は大体”言うほどでもない”時がほとんどなのだが、昨日はそれなりに気合の入った寒さと風だったので、家のベランダに出てその寝袋にくるまって30分ほど寝転がってみた。きちんと厚着をしていたこともあったし何より寝袋の保温パワーがすごいので全然寒くなかった。風がびゅーびゅー吹いていて「ふおおお、風が荒れ狂っていてカッコいいいいい」と寝袋の中で思っていた。
台風が来たときなんかにもこの遊びをよくやるが、私はこの遊びのことを「ビバークごっこ」と呼んでいる。ビバークごっこはマジで楽しい。
明日からしばらく京都に行く。演奏の予定があるからだ。
先々月も京都に行ったのだが、その時に泊まった安宿があってその安さ”のみ”があまりに魅力的だったので今回もそこに宿泊することにした。一泊2000円のドミトリー形式の宿である。再度言うが値段以外の魅力は一切ない。
昨日よりの大寒波で京都は冷えに冷え切っているらしい。
ここで登場するのが先ほどの寝袋である。
最強の寝袋を持っていけば、ぺらぺら布団の安宿でも風邪をひくことはおそらくないだろう。それぐらい私の持っている寝袋は暖かいのだ。
ここへ来て、27歳の私が考えていた
・これから色んな地域で演奏することもあるだろう。その時にきちんとしたホテルに泊まれるとは限らない。野宿のケースもありうる。ならば寝袋は良いやつを買おう。
はそんなに間違いではなかったということになった。
おかしいなあ。40歳も過ぎればいつでも新幹線移動でなおかつそこそこのホテルに泊まれるようになっているはずだったんだけどなあ。全然なってないなあ。
若いころに良い寝袋を買っておいて良かったと16年後の私はそう思っているわけである。
ということで明日からの演奏日程。
1月26日(木) 京都三条 Sesamo
075-251-0858
http://sesamo.okoshi-yasu.net/
「Sesamo open jam session」
vocal:市川芳枝 bass:矢野克宏 drums:大江秀明 piano:福島剛
20:00~start music charge:1500円
1月27日(金) 京都先斗町 Stardust Club
075-221-2505
http://stardustclub.jimdo.com/
vocal:市川芳枝 bass:村田博志 piano:福島剛
20:00~start music charge:2500円
1月28日(土) 京都伏見 レミューズカフェ
075-622-0014
http://lesmuseskafe.com/
vocal:西池のり子 bass:平川雅子 piano:福島剛
19 :00~start music charge:2000円
行ってきます。
今日の演奏動画。
Pepper Addamsの作曲した『Muezzin'』をソロピアノで弾いてみました。
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