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2022年1月31日 (月)

関西旅日記 (2022年1/29~1/31)

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関西二日間。色んな人にお世話になりました。ありがとうございました。

帰りの新幹線の中で暇なので長々と書きます。

初日はまずは新幹線で新大阪まで。
昼に一件梅田でリハーサルを入れていたので。
新幹線が新大阪に着くやいなや西の味の文化圏にやって来たんだよということを確認するためにまずはJR京都線のホームにある立ち食いそば屋「麺家」で月見そば360円を。
完全無欠なまでの浪花ダシを啜りながら「うむ、関西にやって来たぞ」と自らの舌にその実感を叩き込む。
月見そばは最終的に卵を割ってつゆに溶かしてしまう流儀のために当然つゆは完飲する。だって卵を溶かした時点でそれは単なるつゆじゃなくて60%ぐらい卵だもん。卵を残すなんてあり得ない。残すなら月見そばを頼むな。もしくは卵を割るな。

「はー、浪花浪花」と満足したところでスタジオへ。
ここ数年自分の中にふつふつと湧き上がっていたのが「自分のピアノトリオをやりたい」という欲求。ベースとドラムを交えて、みんながそれぞれ好き勝手にやりながらも共に音楽を奏でる喜びを共有出来るようなそんなトリオを。
誰とやりたいかなと考えた時に頭に浮かんだ二人、たまたまその二人が大阪在住だったので「じゃあピアノトリオは関西でやろう」と決定。もちろんその二人が私の誘いを受けてくれればの話なのだけれど。
誘ったのはベースの鶴賀信高くんとドラムの市川綾野さん。
昨年中にその二人に「一緒にバンドをやってもらえませんか」とお願いしたところ、「しゃーないなー、やったるわー」と快諾してくれたので昨日がその初練習日。
みっちり三時間、事前に譜面のやり取りをしたりオンラインミーティングをしたりして準備した楽曲をあーでもないこーでもないと三人で試行錯誤しながら。
「こりゃあ楽しくなりそうだ」という印象。
練習後に今後のことを打ち合わせしようとなった時に鶴賀くんが悪魔のような一言「ちょっと一杯だけ行きません?」を発する。
懊悩する。
このあと京都に戻ってライブがあるのに。
でも今めちゃくちゃ黄金色の麦の炭酸ジュースが飲みたいし。パッと目に入った店には「タイムサービス麦ジュース190円」とか書いてあるし。
「一杯だけ!一杯だけな!」ときつく自らに言い聞かせて三人で入店。
当然だが一杯だけなんて無理に決まってんだろ。意志の弱さがスペランカー級なんだよおれは。

小一時間打ち合わせをして解散。

このトリオは初ライブの日程が決まりましたので、皆様是非見に来てください。結構先の話なんでその頃にはコロナが収まっているはず。わかんないけど。
詳細はこちら。

5月29日(日)京都西院「さうりる」
https://t.co/67pOHYANzm
「福島剛トリオ」
福島剛(ピアノ) 鶴賀信高(ベース) 市川綾野(ドラム)
19:30~start charge 2500円

解散して阪急で梅田から京都西院まで。昨日のリハ後のライブはこの上記のお店「さうりる」さんで。
やり始めてからもう四年ぐらいになるんだろうか。ボーカルの西池のりこさんとベースの村田博志さんと。こっちはもう何年もやってるトリオ。お二人の懐の深さに全力で甘えたおしながらその時に思いついたことのみを好き勝手に弾きまくるというスタイルを許してもらえる貴重な場。この日ももちろん一切ブレずにそのスタイルで(ブレろよ)。のりちゃん村田さんいつもごめんなさいそしてありがとう。

後半はセッション。
もう20年以上の付き合いになる方々を交えてジャズやったりポップスやったり演歌やったり。楽しかった。
サックスの吉田さんがソロピアノのCDを買ってくださって、後日褒めてくれた。自分ではその時に出来るベストを尽くして「良いものを作った」と思っている自分のCD。もちろん「えー別にそんなに良いものじゃないよ」と思う人もいて構わない(構わないがことさらに私に伝えてくる必要はない、聴かんでよろしい)。けれど「良かったよ」と伝えてもらえればこんなに嬉しいことはない。

まん防による時短の為にお店は21時で閉店。
飲みに行く店もないので、ライブにも来てくれた片山のお姉さん(関西では年齢に関わらず女性は全てお姉さんと呼ぶようにという鉄の掟があります)の家に数人で移動してちょびっと家飲み。いつもはそのまま片山家に泊まっていくのにその日は烏丸御池にホテルを予約していたから名残惜しくも23時ぐらいにホテルへ。
向かう道すがらコンビニで缶チューハイと醤油煎餅を買ってホテルで飲み直し。ホテルの一人飲みも好きなのよ。すぐ寝ちゃうけど。案の定すぐ寝た。

翌日は早々に起きて風呂に入って、ロビーのパソコンを10m/100円で借りて前日の練習の録音を鶴賀くんと綾野さんに送信。東京戻ってからやろうと思っていたことがここで出来たのはありがたかった。

ホテルを後にしてから歩いて河原町蛸薬師の「都そば」へ。【たっぷり九条ネギそば】430円を。
メニュー名の看板に偽りなく本当にたっぷりの九条ネギが乗ったその立ち食いそば。私の中ではもはや「そば」ではなく「サラダ」のカテゴリーに属している。ネギがたっぷり過ぎるのでいくら食べてもヘルシー。だってサラダだもん。身体に悪いわけがねえだろ。

満足しまくってから、歩いて鴨川へ。ここからゆっくりと散歩をしながら北上して出町柳のジャズ喫茶「ラッシュライフ」に向かった。
途中で友人の小池さん夫妻にばったり遭遇。立ち話を少し。小池さん夫妻は映画を観に行くところだったみたい。いいなあ。

鴨川を歩きながら考えたこと。
私は関東の立ち食いそばも好きなのだが、関西の立ち食いそばも好きだ。
で、たまに「関東と関西どっちがウマイの?」と聞かれるのだが、「どっちもウマイ」としか答えようがない。だってそれは別物なんだもの。比べることに意味なんてないんだもの。「野球と病院はどっちが柔らかい?」と聞かれるぐらい質問の意図がわからない。比べる対象も比べる観点もどちらも私の中ではズレまくっている。
同じようなことで「ジャズミュージシャンとクラシックミュージシャンはどっちがすごいの?」みたいなことを聞かれた時に「そんなもん知るか。比べるだけ野暮だなあ」といつも思う。クラシック奏者のテクニックの高さとかジャズ奏者の即興性とか、そんなもんどっちもすげーに決まってんだろ。単純な比較をして勝手に満足してんじゃねえよ、と思ってしまう。なのでそれに対する回答は「どっちもすごい」で良い。
そういえば「総合格闘家とプロレスラーってどっちが強いの?」みたいな議論も昔から嫌いだなあ。そういう議論が好きな人は好きな人たちでやっといてくれ。競技が違うものを比べてどうするんだ、とずっと思っている。
そんなことを散歩しながら「関東と関西の立ち食いそば」から考えた。

出町柳「ラッシュライフ」には一つ用事があって。
この「ラッシュライフ」のお陰で知り合うことの出来たピアニストAbdullah Ibrahim(Dollar Brand)氏の新譜が最近出た。そのレコードを予約して取り置いてもらっていたので、その料金の支払いとレコードの受け取りに。
すでにサブスク等でいくらでも聴ける状態にあったのだが、意図的に聴かないようにしていた。レコードを買って、自分の練習部屋で集中して聴きたかったから。
無事にレコードを受け取って料金を支払う。店主茶木氏より「これはすごいでー、えげつないでー」と言われ「マジっすか、もうずっと聴くの楽しみで楽しみで」などとやり取りをする。なんかドラッグとかのヤバいものの取り引きしてる人間の会話みたいだなと思った。

レコードはまだ聴いてない。東京戻ったら早速聴く。Abdullah Ibrahimさんの新譜【Solotude】。マジで早く聴きたい。

レコードを受け取ってコーヒーを一杯だけ飲んだら早々に「ラッシュライフ」を後にして出町柳駅から電車に乗った。
電車の中で何回もレコードのジャケットを取り出して眺めてにやにやしてしまう。
サブスクやYouTubeなどの登場で音楽を聴く環境は劇的に変化して「便利」になったかもしれない。けれどこの音楽の周りに色々とまとわりつく細々とした「愛着」みたいなものを私はずっと大切にしていて、レコード一枚買っただけでずっとわくわくにやにやしてしまうような感情はずっと持っていたいなと思っている。音楽ファンで良かったなあ。

京阪丹波橋駅で近鉄に乗り換えて奈良まで。
この日は16年前に他界した私のピアノの先生、市川修先生の法事だった。奈良「ブルーノート」にて。「追悼イベント」ということになっているのだが、私はこういうものを全て法事と呼んでいる。だってまさにそんな気持ちなんだもん。

丹波橋で近鉄に乗り換えた。特急と書いた列車がすぐにやって来たのでそれに乗った。乗ってすぐに異変に気付いた。
「あれ?なんだこのラグジュアリー?」

腰かけた座席がふかふかと快適過ぎた。リクライニングまで使える。
これが噂の近鉄の「いてまえ車輌」なのか?と思ったが違った。
それは「特別な」車輌だったのだ。
私は知らなかったのだが、近鉄の特急は別途特急料金がかかる。丹波橋から奈良駅に行くまでに通常運賃の他に特急料金520円がかかるセレブによるセレブのための列車だったのだ。そりゃあラグジュアリーにしてカンファタボーなわけだ。
気付いた時にはすでに列車は発車しており、ほどなくして車掌がやってきた。
「そこの貧乏で貧乏を煮しめた感じのお客様、特急券はお持ちでしょうか」と。実際には「特急券はお持ちですか」しか聞かれていないのだが、私にはそう聞こえたのだ。
「も、持って…おりません…!」と汚辱にまみれつつ答える私。だって知らなかったんだもん。
「特急料金520円をお支払いやがりませ」と言われ「すみません!ワタクシごときが調子に乗ってこんなセレブ車輌に乗り込みまして!」と謝りつつ520円を支払った。520円あったら「たっぷり九条ネギそば」がもう一杯食えたじゃんかと思いながら。

ただ、支払っただけあってめちゃくちゃ快適だったし一瞬で奈良までついた。
電車を降りる時には「やっちまった感」と「しかし快適だった」という満足感で微妙な気持ちになっていた。

実は奈良を訪れるのは初めてのことだった。
何の土地勘もないので当てずっぽうにふらふら歩いてみることにした。何せセレブ車輌に乗ってやってきたせいで時間は思ったよりも格段に早く着いたからだ。
ふらふら歩いていたらばかでかい公園があって、そこに鹿がいた。「おお!奈良に鹿がいる!」と感動しつつ、「馬のお面をかぶって鹿の横に並びたいなあ」と思ったりしていた。

ほどなくして奈良「ブルーノート」に到着。
この日のバンドメンバーはよく一緒に演奏させてもらうボーカルの市川芳枝さんとサックスの登敬三さん、過去に一度一緒にライブをしてもらったことがある三原脩さん、それと何回か演奏は見たことはあるけれど私自身は一緒に演奏したことはないドラムの光田臣さんだった。私はガヤとしての参加。前日の練習で一緒だったドラムの市川綾野さんもあとから来た。だって綾野さんは市川修先生の実の娘だからね、そりゃ法事は来るわな。
この人たちと市川修先生の作曲した楽曲を一緒に演奏しようという企画だった。

リハーサルにも参加させてもらって、本番。

くそ楽しかった。
素晴らしいバンドのメンバーによってどんどん自分が解放されていって、虚勢や見栄、それからずっと心の奥に潜む恐怖が剥がれていく感覚。
もう一度言おう。
くそ楽しかった。

先生、お元気ですか。ぼくはこっちでアホで元気にやってますよ。

終わってからは登さんが遊んでくれた。
二人で串カツ屋に行って禁断の裏メニューを教えてもらった。あれは悪魔の食い物だった。激ウマだった。

ちょっと飲んで帰り。近鉄に乗ってまずは奈良駅から大和西大寺駅まで行って乗り換え。
やってくる電車に乗ろうとしたら「福島それは乗ったらアカン!」と登さんに止められた。間もなくやってくるのは特急だった。そう、セレブしか乗れないラグジュアリーかつカンファタボーな特急である。520円の特急料金がかかるヤバいやつである。
おっとあぶねえ、また同じ過ちを犯すところだった!と思ってその特急を見過ごして次の電車に乗ろうとしたら、次の電車がやってくるのは30分後だった。
私は悪魔のように登さんにささやいた。「乗っちゃいましょうよ、特急…」と。
「そうやな、乗ろうか…」と登さんも承諾してくれた。
私たちは特急に乗った。
私などは往復共に特急に乗った。
「こんな贅沢に慣れたらアカンぞ」と登さんに諭されつつも
「しかし快適やなあ」
「ええ、めちゃめちゃ快適ですね。王の車輌ですね」
と特急列車を二人で堪能してしまった。
でもマジで慣れたらアカンな。また引き締めていかなきゃ。

登さんとは途中で別れて烏丸御池のホテルに到着。23時ぐらいだったかな。
当然道中でコンビニに寄ってチーカマと缶チューハイを買って飲み直し。ホテルの一人飲みはマストなんですよ。

翌朝、今日。
ルーティンとなっている朝ドラ【カムカムエヴリバディ】の視聴をホテルのテレビで。
ホテルの自室に風呂とトイレがあるだけでも相当にセレブなのだが、今回はテレビもありなおかつBSまで映ったので7:30の回を視聴。ひなたが面白い子に育っておった。

見終わったら荷造りをしてホテルをチェックアウト。
地下鉄で京都駅に向かい、京都駅の中にある立ち食いうどん屋「九十九(つくも)」にて朝のサービスメニューである「わかめ卵とじうどん」420円を朝食に。
かなりウマイのにその中にもしっかりとしたウマさがあって全体的にはウマイofウマイという印象。天かすもウマイからついつい入れすぎてしまう。これもわかめが少し入ってるから「サラダ」と言えなくもない。いや、サラダだな。

で、新幹線(こだまに決まってんだろ)で東京まで。

暇なのでこの数日の旅のことを書いてました。

次回は3月末に関西に来る予定なのでその時には秘奥義の「ブルースプリングエイティーンチケット」を発動しようと思っています。

帰ってちょっと休憩したら、練習して、そして最後にレコード聴きます!

今回お世話になった方々、本当にありがとうございました。
また遊んでください。

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