2021年新年のご挨拶
若い頃に浪費した無駄な時間というものがものすごくたくさんある。
とりわけ私の中で後悔のレベルが高いのが、パチンコとゲーセンである。
朝の9時前からパチンコ屋に並び、開店の10時から閉店の23時までの13時間、ひたすらにパチンコもしくはパチスロを打つ。
私が好きだったのは「サンダーV」という台と「大花火」という台だった。ビタ押しのリプレイはずしが得意だったのだ。「何を言っているかわからない」という人は、わからなくて良いしむしろわからない方が良い。とにかく無駄な時間を過ごした。
もう一つはゲーセン。「ベースボールヒーローズ」というゲームにハマりにハマった。野球のゲームなのだが、一試合するのに約30分。その費用が300円。月に二万円ほど費やしていたので、約70試合。つまり月に約35~40時間をそのゲームに費やしていた。これはパチンコなどと違って勝っても何の金銭的な得もない。ただ「嬉しい」というそれだけである。これもまた本当に無駄な時間を過ごした。
今になって「なんで若い頃にあんな無駄な時間の過ごし方をせずにきちんとピアノを練習してこなかったのか」とものすごく後悔している。パチンコやゲーセンに費やしていた金額はもちろん痛すぎるが、それ以上に「時間」が。過ぎ去った無駄な時間はもう永遠に帰ってこない。
しかしそれは、そこに耐えうるだけの精神力を持っていなかったというのが私の今の見解だ。
今の私はどうかと言えば、朝から晩までろくに働きもせずにひたすらピアノの練習をして、そして酒を飲んで寝る。基本的には誰にも会わない。そんな生活がずっと続いている。
安い酒とツマミを食べながら自問自答する。「世間からずっと取り残されているのではないか」と。
しかしここに関しては今は若い頃よりも強靭な精神力を持っている。
「少しずつ前に進んでいるからこれで良いのだ」という図太い精神力である。
まともに働いていなくても、世間から相手にされていなくても、今は自らの選んだ道をきちんと一歩ずつ進んでいる。その確信は不思議とあるのだ。
なので私は壊れない。
しかし、若い頃にはそれがわからなかった。
金を稼いでいないと本当にダメなような気がして、地道な練習よりも目先のパチンコに逃げた。つまり、すぐに結果が出ない「練習」よりも、すぐに勝ち負けの結果が出る「パチンコ」に向かったのだ。多分、安い酒とツマミの中に安易に絶望していたのだ。
ちなみに人生におけるパチンコのトータルの勝ち負けは、めちゃくちゃ負けている。おそらく高級外車が一台買えるぐらいは負けている。
そのような時間を過ごして、私はあるいは本当の意味の「むなしさ」を知ったのかも知れない。パチンコやゲーセンでは、心は決して満たされない。少なくとも私の場合は。そこで過ごす時間は、本当に無駄だったのだ。
音楽に対して、ピアノに対して、昔からずっと真摯にいられたならどれほど良かっただろう。けれど私は真摯に向き合っていなかった若い時代があって、それに対してものすごい後悔があって、今の向き合い方になっている。
今も毎日やっているスケール練習やアルペジオ練習。こんなもん若い頃にやっとけよと思うのだが、やってこなかったので仕方がない。今から地道にやるしかない。
ということで今年も仕事がどうなるかわかりませんが、もうひたすらに音楽だけやって生きていきますので宜しくお願いいたします。
春にはアルバムが出ます。
会心の出来です。
楽しみにしていてください。
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