愚痴
コロナウイルス 騒動。
日々、鉋で精神を削られて行くような実感がある。
仕事がどんどん無くなっていく。外に出られない。
前を向こうにもなかなか前を向けない。
練習のやる気も一向に出てこない。家の布団に寝転がってスマホのパズルゲームを死んだような目でやり続けて、気が付けば外はもう暗くなっている。
安い缶チューハイを開けて無感動にそれを喉に流し込む。
そんな日々が、心を蝕んでいく。
何よりも一番恐ろしいのは、自分が卑しい人間になりやしないかという恐怖だ。
例えばスーパーで買い占めをしている人たちに対して。
もちろんそういうことはしたくはないのだが、そういうことをしてしまう心情は想像したい。
家族の為に恥も外聞も捨てて買い占めをしているのかもしれない。
スーパーで買い占めなんてそんなことはしたくはないが、それ以上にそういうことを「みっともないことしやがって」と批判するような人間になりたくない。
人間が一番醜くなるのは「正義」に酔っている時だ。
一番残虐になるのもそういう時だ。
他人のことを想像するという、全ての基本が疎かになる。
何が正しくて何が正しくないのか、今の時点ではさっぱりわからない。
みんなそれぞれ必死で生きている。
少しでも優しい人でありたい。おれはおれが好きなおれでありたい。
そう思っていても、日々のしんどさから少しずつ卑しくなっていくのだろうか。
「自分(たち)さえ良ければそれで良い」という一番嫌いな考え方に、少しずつ心が染まっていくのが怖い。
何とか踏ん張って、おれはまだおれを少しは好きでいたい。
子供の頃に読んだ影絵の絵本、藤城清治が影絵を書いた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の背表紙の裏のページに、賢治の「農民芸術概論綱要」の言葉が書いてあったのを思い出した。
世界がぜんたい幸福にならないうちは
個人の幸福はあり得ない
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