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2019年8月14日 (水)

2019年9月28日29日、Abdullah Ibrahim at 上賀茂神社

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京都の出町柳駅のすぐ近くに「Lush Life」というジャズ喫茶がある。

カウンターだけの小さな店ではいつもジャズのレコードがかかっている。店自体は場所を移ったりしながら半世紀近く続いているが、私は二十歳前後の頃から現在まで、約二十年に渡って通い続けている。

今でも二ヶ月に一回は京都に行って演奏をさせてもらっている。夜は演奏の仕事が入っていることがほとんどなのだが、昼は特に何もなく、いつも出町柳にある練習スタジオで二~三時間ほど練習をしたのちにその「Lush Life」に立ち寄ってレコードを聴く。そして演奏の仕事に行く。私の京都での行動と言えば毎回毎回一切の代わり映えもなくそんなものだ。

私が音楽なんてものを生業にして暮らしているなど、十代の若い頃には想像もつかなかった。私は十代の頃は小説家になりたかった。ピアノは弾いていなかった。それがいつの間にか成り行きで音楽を仕事にするようになった。人生には想像もつかないことは多いが、私に起きた一番想像もつかなかったことは、音楽家という仕事に就いた、ということだと思う。

その私の職業、音楽家という職業に、様々な人がたくさんの影響を与えてくれているが、その影響の中で取り分けかなり大きな割合を占めるのが、この「Lush Life」である。

そこでかかるレコードや店主の茶木夫妻や常連たちとの会話から影響を受けた部分ももちろん大いにあるが、ここを介して知り合った三人のピアニストに、私は非常に強い影響を受けている。一人は2006年に亡くなった師である市川修、そして昨年92歳で亡くなったRandy Weston、そして現在84歳のAbdullah Ibrahimの三人である。

市川修とRandy Westonからの影響については今回は割愛する。非常に長い話になるからだ。

最後に挙げたAbdullah Ibrahimについて。

かつてはDollar Brandという名前で活躍した(途中で現在の名前に改名した)南アフリカ出身のピアニストである。

「Lush Life」は、2000年頃から数年に一度、上賀茂神社を舞台に演奏会をプロデュースしてきた。その際にメインプレイヤーとして呼ばれたのが、前述のRandyWestonとAbdullah Ibrahimの二人である。数年ごとに交互に招聘していた。店主の茶木哲也氏がこの二人のむちゃくちゃファンだったから、というのが招聘の理由だ。シンプルでとても良い。
スタッフたちは「Lush Life」の常連や店主夫妻の友人であり、全員がボランティアでの運営である。私も2002年ぐらいからスタッフとして参加している。

この活動を通じてAbdullahと彼の音楽に触れ合えたことは、本当に凄まじい影響を私に与えている。

具体的にどのような影響かというと、思い切って端的に言えば「音楽の可能性を心底から信頼できるようになった」ということである。

音楽はここまで深淵になれる、美しくなれる。複雑になり、シンプルになれる。人間の醜い部分も美しい部分も、全て包み込むことができる。音楽という行為は、本当にすごい。このように思うのである。

そのAbdullahが、今年また上賀茂神社にやってくる。おそらくまた、私の信じている「音楽の可能性」が、今年更に更新される。

9月28日(土)、29日(日)。全ての人に見てもらいたいプログラムである。

チケットのご用命は添付のチラシを参照に。

見逃しても、知らん。

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