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2016年5月30日 (月)

「叩きやすい人」を叩くのを見て腹が立つ

昼飯時にふらりと近所の蕎麦屋へ入ったら、テレビのニュースで舛添知事のことを報じていた。

バカなことやっちまったなアンタもなんて思いつつたぬき蕎麦を啜りながらテレビを観ていたのだが、段々とむかむか腹が立ってきた。

それは舛添知事に対してもそうだが、それ以上に、舛添知事をここぞとばかりに全力で叩く「ゴリッパな方々」に対してだ。腹が立つというよりも、「こいつら気持ち悪りいな」という感じ。
これまでの三回の謝罪会見を比較しての謝罪のお詫びの回数の比較、頭を下げている秒数の長さの比較。そんなもん知らねえよ、バカじゃねえのか、と。


何よりも「気持ち悪い」と感じた根拠が、そのゴリッパな有識者の方々が常に薄ら笑いで「こんな事をするなんて信じられない」というような風情で見下ろしたように都知事を断罪している光景だった。


ユーモアと品性と知性に欠ける、と思った。


私も常々ユーモアと品性と知性の欠乏症に悩まされているクチなのでロクなことは言えた義理ではないが、それにしても気持ち悪いと感じた。


例えば、先日テレビ番組『笑点』の大喜利コーナーの司会を引退した桂歌丸師匠なども、よく番組内で政治に対する批判をしていたが、それは非常に痛快だった。そこにはユーモアも品性も知性もあったからだ。自らもまた業を抱えた「人間」という愚かな存在の一員であるという視点は、人間の瑕疵を抉るような残虐さとは真逆の、厳しくもあたたかい眼差しだった。
全ての罪、またその罪を犯した人々に対して、私はいつも「私もいつこうなるかはわからない。私は決して立派な聖人君子ではない」と感じている。

犯罪者ではないという「こちら側」の立場。犯罪者になってしまった「あちら側」の立場。
その二つの立場の間にある壁は、驚くほど薄いものなのだ、と。
自らがたまらなく愚かな存在であるということを自覚することで、「気を付けないとオレも罪を犯してしまうから、罪を犯さないように注意深く生きていかなければ」と日々思うわけであるが、先ほどのテレビの中のゴリッパな有識者の方々は、まるで「自分はすげえ立派な人間だからこんなアホな罪は犯さない」と得意満面になっているようにも見えて、それが非常に私の神経を逆撫でした。

正義の立場に立った時に、人間は完全に思考停止に陥り、そして最も残虐になれる。


故・立川談志師匠が「落語とは人間の業の肯定である」と言ったことは私の心に強い印象を残している。そして、音楽もまた、人間の業を肯定するものであれば良いなと私は願っている。


そう願えば願うほどに、まずは自分の心の闇を、目を逸らさずにしっかりと見つめなくてはなあと思うのである。


さて、本日は仕事をオフにして丸一日練習の日。

明後日にはこんな素敵なライブがありますので。


6月1日(水) 東京小岩 Back in time
03-3659-0351
http://www.bqrecords.net/backintime.htm
「Mitch Special Live vol.11」
trumpet&vocal:Mitch drum:木村オージ純士 piano:福島剛 
久しぶりにMitchさんライブやります。「ロールの魔術師」ことオージさんも来てくれます。明るく大らかに聴く人すべてを暖かく包み込む極上のトランペットとボーカルを是非堪能しに来てください!
20:00~start  music charge: 2500円
※予約は
africanpiano@gmail.com
(福島)まで。 もしくはお店まで。

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コメント

毎日更新して!楽しみなの><

投稿: | 2016年6月 6日 (月) 21時05分

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