完璧過ぎる予防線
職業的音楽家生活も間もなく10年ぐらいになり、まさに光陰矢の如しという気分になる。
やはり10年前は今から考えたら右も左もわかっていなかった。それは良い意味でも悪い意味でも。わからないからとにかくあれこれ片っ端からやってみる、というのはわからないゆえの強みでもあった。挙げ句失敗もたくさんしたのだけれど、「やべやべ、まいったな。ま、何とかなるだろ!」という鋼のメンタルと、周りの親切な方々に迷惑をかけまくる事で全て乗りきってきた。
「どうにもならない事なんてどうにでもなって良い事」(ザ・ブルーハーツ『少年の詩』)
甲本ヒロトさんはいつも私に大切な事を教えてくれる。
余談だが私の座右の銘は「ダイジョーブ」だ。
閑話休題。約10年の職業的音楽家生活の中で学んだ事が一つある。これは一種の真理の発見であると言っても良い。
その真理とは。
「本番まで下手に時間の空いた酒の好きな何人かの音楽家を楽屋などの同じ箱に入れておくと、間違いなく酒を呑み始める」
間違いない。「このあと本番だから軽くね、軽く」などというエクスキューズを最大限に駆使して、ビール乃至ハイボールなどの類いをぐびりいってしまう。そのような光景を何度も見てきたし、実際に私も何度ぐびりいった事か。
さすがに酔っ払った状態で本番を迎えた事はほとんどない。しかし、酒が好きなミュージシャンを本番前に二時間近い空き時間と共に同じ箱に入れておいてはいけないのだ。ハムスターのオスとメスを同じカゴの中に入れておいたら勝手に交尾してねずみ算式に子供ハムスターが増えていくでしょう。あれと同じだ。
本日は小岩「Back in time」で素晴らしいサックス奏者、日野林晋さんとのデュエット。つい先日リハーサルをしてきて、軽く合わせただけなのにもうすでにめちゃ楽しかった。今日の本番が楽しみで、「どこまで行けるかな。行った事の無い所まで行きたいな」という気持ちでいる。
一つ、最大の問題点は、私も日野林さんも非常に酒が好きだという点だ。業界っぽく言うと「サーケーがスーキー」だ。
しかし我々は抜かり無い。入り時間をほんの少し後ろに取る事で、本番前の空き時間を少なめに抑える事で、酒を呑みに行く時間を与えない。完璧過ぎる予防線。
酒は本番が終わった後に本格的に呑みます。
今日は本当に楽しみな本番です。
11月19日(木)、日野林晋(sax)×福島剛(piano)Duo!小岩「Back in time」にて20:00から!全力でいきます!是非見に来て下さいませ!
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