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2015年6月 2日 (火)

村上春樹風にライブを告知してみる

はいはーい、本日はふざけてブログ書きますよー。

ライブ告知を村上春樹風に書きます。単に書いてみたかっただけです。6月13日(土)の亀有「JAZZ38」のAya Sueki with タケシーズのライブの分です。告知はふざけていますが演奏はちゃんとやりますので見に来てね!

以下告知。ライブ情報とかはウソではなくて本当ですが、以下はかなりデタラメな事が書いてあります。本気の村上春樹ファンは読まないように。

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完璧なライブ告知など存在しない。完璧な絶望が存在しないように。

それでもこうやってぼくが演奏の予定を告知するのは、あるいはそれはあらかじめ定められた運命のようなものなのかもしれない。

6月13日。土曜日。ぼくは「タケシーズ」というバンドにおいてピアノを演奏する。あらかじめ定められた場所で、あらかじめ定められた人達と。

「タケシーズ」というバンドの事を考えた時にぼくは愉快な、そして少々不思議な気持ちになる。

広い宇宙の中に存在する数えきれないほどの生命や現象にはそれぞれ記号が付与され、そして個体として識別される。

たとえば、と思った所でぼくはかつて深夜の午前2時に公衆電話から「ねえ、福島くん、記号って何だと思う?」と電話をかけてきた女の子の事を思い出した。

眠りからまだ覚醒しきらないぼくは家の電話の受話器をかろうじて手に持って「それは今すぐ答えなくてはいけない問題かい?せっかく電話をかけてきてくれた所悪いんだけれど、ぼくは明日は朝から少々タフな仕事が入っているんだ」と答えた。

少し沈黙した後に彼女は「今でなくてはならないの。私はそれを今知りたいの。とても切実に」と確信に満ちた声で言った。

「とても切実に」ぼくは彼女の言葉を少しずつ目覚めてきた頭で繰り返した。

「ええ。ラマダーン中のイスラム教徒が水を欲するのと同じぐらい切実に」彼女はそう言った。

たとえば。そう言ってからぼくは適切な例えを探った。たくさんの外れクジが入ったクジ引きの箱の中で必死に当たりクジを探るように。

「たとえば雨が降った後に空気中の水蒸気が太陽光を屈折させたり反射させたりする現象があるのを君も見たことがあるし知っていると思う」

ぼくがそう言った事に対して彼女の返答はなかったけれど、彼女は電話口でしっかりと首を縦に振って頷いたのがぼくにはわかった。電話なのでそれは見えてはいないけれど、それは「ただわかる」事なのだ。

「ぼくたちはその現象を虹と呼ぶ。これが記号だ」

「そしてそれを美しいと思う」彼女が静かな声でそう答えた。

「美しいというのはその感情に付与された記号だ。けれど…」

「感情は記号ではない」

「オーケー、その通りだ」

彼女はそう言って電話を切った。そしてそれ以来彼女は決してぼくの前に姿を現す事はなかった。まるで砂漠に浮かんだ蜃気楼のように、忽然と姿を消してしまった。

それもそうかも知れない。そもそもそんな女の子なんていなかったのだから。それはぼくの妄想の作り出した産物だからだ。

広大な宇宙の中で「タケシ」という記号を与えられた人間が何人いるのか、ぼくにはわからない。けれど、間違いなく「タケシーズ」は「タケシという記号を付与された人間」が三人、たまたま集まって出来上がったバンドだ。理由もなく、そして何の目的もなく。

名前が同じだからというだけでバンドをやろうなんて、良い大人のする事ではないのはわかっている。それでも世界はそんな風にして回っている。やれやれ。

Aya Suekiという女性シンガーに初めて出会ったのは今から二年ほど前の事だったように思う。すらりと伸びた手足と姿勢の良さに目を惹かれたが、彼女が歌い始めた時に世界の空気が色鮮やかに変わったのをぼくは覚えている。

何でもないありふれた風景をスコット・フィッツジェラルドが描写した時に、まるで世界が踊り出すかのようにいきいきと動き始め、そしてそれに少しの青春時代に特有の痛みが加わるのに似ている。

彼女の歌を聴くと、様々な風景がぼくの脳裏に鮮明に蘇る。夏の木々の向こうにある木漏れ日、水の流れる河の風景、そしてうず高く吸殻が積もった灰皿。それらは痛みであると同時に赦しの風景なのだ。

6月13日(土)、東京の下町、亀有の「JAZZ38」でタケシーズとAya Suekiが一緒にライブをやる。

19:00からスタートだ。

ぼくたちはそんな風にして生きている。

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思いつきのみで書いてみた村上春樹風ライブ告知ですが、こりゃひでえな。

やれやれ。

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