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2015年5月 3日 (日)

無能の人

無能の人
亀有「JAZZ38」でのセッションが終わって今日は夕方で仕事が終わったので、のんびりと自転車で亀有から自宅に(ちょっと遠回りしながら)帰ってきて、家に着いたらすごく眠くなって一時間だけ寝る。

夜に時間がある事なんて久しぶりだから料理でもしようかななんて思っていたのだが、昼寝から起きたら色々とめんどくさくなって一人で外食へ。

これまた久しぶりに来たのは「餃子の王将」。小岩店。今はカウンター席で一人で餃子とビールをやりながらぽちぽちと携帯電話でこのブログの更新。

たまたまやって来て知ったのだが、今月は生ビールフェアだ。生ビールがずっと安くて(通常496円が296円)ラッキーだ!なんて思ったらチラシに小さく「最初の一杯」って書いてやがった。その文字を発見したのは二杯目の生ビールを注文した後。何だか得したような損したような微妙な気分。まあ良いや。餃子美味いし。

15年ぐらい前に私も「餃子の王将」でアルバイトしていた事がある。

自慢ではないが私はこれまでに10種類を優に越える数のアルバイトを経験しているが、その様々なアルバイト経験の中で「仕事の出来る人」、「使える人」という評価を受けた事は一度もない。常に「あの子一生懸命やってるのはわかるんだけど、ちょっとアレだから…」という評価を頂戴してきた。もちろん「餃子の王将」においても安定の低評価のバイトくんであった。

これは私にとっては結果として良かった事で、私などは褒められるとすぐに調子に乗るタイプだから「オマエはスゲー使えるバイトだ!最高だ!」なんて言われたら「おおっ!オレにはバイトの才能があるぜ!よし、プロのフリーアルバイターを目指すぜ!」となりかねない訳で、そうならなかったのは良かったのだ。

よくよく考えたら、音楽をやって人から褒められた原体験というのは私がプロの音楽家になるかなり重要な動機で、音楽よりもアルバイトで高評価を得ていたら、若い時代のタケシ少年は「オレには音楽の才能は無いがアルバイトの才能はあるっ!オレの生きる道、そして死ぬ道はアルバイトにあるのだっ!」と思いかねないので、10代から20代の頃、アルバイトで使える子でなかった事は本当に良かった。良かったよ、オレ、出来ない子で。

出来ない子なのでアルバイト生活は苦痛以外の何物でもなく、今でも「音楽の世界でダメになったらあの地獄のようなアルバイト生活に戻らなくてはならない」という恐怖心は強くある。そういう意味では私は人よりも危機感は強い。私はバイト界ではド底辺なのだから!なので「ダメになったらいつでもバイトすれば良いや」という気持ちは一切無い。音楽の世界で食えなくなる事は、地獄のバイト生活への出戻りを意味する。死んでもイヤだ、あんな暗黒の日々。

私に音楽の才能があるのかどうかはわからない。「あれば良いなー」という気持ちで日々練習に励んではいるのだが、才能の有る無しというのはわからないし最早どうでも良い。才能が有ろうが無かろうが何だろうがとにかくやるんだよ、とは思う。

「餃子の王将」で働いている人を見ながら、みんな手際良いなあ、優秀なアルバイターばっかりだなあと思いながらそんな事を考えていた。

私には無理だけれど、無理で良かった。

音楽家になれたし。

ありがとう、王将やこれまでに経験した様々なアルバイト。

自らの無能に感謝。

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