新時代のクズ
毎日電車で移動しているから、その車内で色んな人を見る。
感じの良い人もいれば感じの悪い人もいる。
「趣味は人間観察です」なんて言っちゃうタイプの人間はウンコだと思うが、実際の所、私もよくやっている。観察した挙げ句に妄想までしているからウンコである上に変態である。
電車の中でノートパソコンを広げて仕事をしているビジネスマン、という光景はたまに見る。大体の場合において皆仕事が出来そうな感じの人がそうしている事が多いのであるが、今日見た「ノートパソコン野郎」はそういった風体からは程遠く、似ている芸能人で言えば田中邦衛〜大地康雄〜地井武男あたりの「北の国から」ラインの機械オンチっぽい感じのそれ。
上司にいたとしたら「こまけえこたあ良いんだよ!ドーンと失敗してこい!大丈夫だ、オレが一緒に謝りに行ってやるから!」という人情派。理論よりも感情が先立つ「おやっさん」タイプ。青山や恵比寿、成城といった街よりも錦糸町や赤羽、小岩という街が似合いそうな風情。
そんな人間が電車内でノーパソを広げている事からくる圧倒的な違和感。「何?オッサンそんなナリして実はメカに強いの?ITなの?インテル入ってるの?」と向かいの席に座りながら五郎さん(仮名)を見つめる私。
頭の中に多数のクエスチョンマークを抱えながら五郎さん(仮名)を見ていたが、何をしているのかがわかった所で「ナルホドオゥ!」と合点した。
五郎さん(仮名)は胸ポケットから馬券を取り出し、それを見ながらノーパソにカタカタと何かを打ち込んでいた。
ギャンブルの出納帳だ!と思った時点で全てが腑に落ちる。
そうだよね、五郎さん(仮名)はまかり間違っても「ソリューションがイノベーションで」とか言うタイプではないよね。吉野家で「並ツユダクギョク」と澱み無く注文出来るタイプのお方だよね。でもインテルは入ってるんだ。
競馬というクズ全開なトピックとノーパソというデキる人間のアイテムが目の前で結び付いていく様に私はしばし見とれてしまった。
これからの新時代のクズはインテルが入っている。
とても素晴らしい。
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