「ベースボールマガジン」という雑誌があって、もちろんプロ野球の雑誌だ。毎週出ているのだが毎週は買わない。
この時期には新年度の選手名鑑の載った号が発売されるので、それは毎年欠かさずに買うようにしている。
今日発売されていたので即購入した。
で、隅から隅まで熟読したので、各チームの戦力状況を考慮しつつ今年のペナント予想を。
長くなるのでセ・リーグだけ。「パ・リーグも書けよ!」とは言わないで頂きたい。だってパ・リーグには広島カープが無いから。
順位予想も踏まえて。
まずは6位は中日ドラゴンズと予想。
着実に成長を遂げてきた和製大砲の平田、昨季序盤で大当りのルナなどは今年も活躍するだろうが、その前を打つ1番2番が貧弱。1番大島はもう少し伸びてくる選手だと思ったのだが今ひとつ。2番荒木には明らかに衰えが見える。ここ二人の出塁率が上がって来ないようならば主軸もさほど怖くは無い。
また先発投手陣が明らかに駒不足。大野、岡田が一、二番手でそれに続くのが川上、山本昌のベテラン勢では物足りない。
今年より選手兼任監督となる谷繁にも不安が。コーチ経験の無い人間の監督一年目はなかなかに酷い事になる場合が多い。現在カープの監督である野村謙二郎の一年目も酷かったもの。現状から考えると最下位予想が妥当。
唯一恐いのは、今年よりGMの立場で復帰した落合とそれに伴って現場復帰した森繁和ヘッドの存在。
数年前に憎らしいぐらい強かった中日を作ったのはこの二人の手腕による所は大きい。特に森ヘッドの指導で大島や高橋周あたりがぐぐっと成長すれば当然最下位はありえない。
続いて5位。
5位は東京ヤクルトと予想。昨季ホームラン王(バレンティン)と最多勝投手(小川)を擁しながら最下位に沈んだチーム状況はかなり深刻。
打撃面ではキーマンになるのは畠山と予想。昨季のような成績を開幕から続けるならば早めの見切りが必要。バレンティンの後を打つ畠山の状態が悪いのならばバレンティンと無理に勝負をしなくても済む状況が増えるからだ。もちろん畠山が「恐い打者」として機能していればその限りではない。私の個人的なイチ押しは川端慎吾で、川端バレンティンミレッジというクリーンナップはなかなかに破壊力があって脅威。
投手陣では昨季の最多勝投手である小川が二年目のジンクスをものともせずに活躍してくれるのは大前提。館山と石川の復活が鍵。特に館山は血行障害という病気を患ってから本来のピッチングとは掛け離れてしまっているが、本調子に戻ればやはりセ・リーグ屈指の好投手。小川館山石川で組む表ローテは魅力的。裏ローテを担う若手にイキの良いのが出てくれば。
続いて4位。
4位は阪神タイガースと予想。
能見、藤浪、メッセンジャー、榎田といった先発陣の駒は揃っているし、中継ぎにも安藤、福原という好投手が揃う。更に今年は韓国球界からリリーフエースの呉を獲得。投手陣は決して悪くは無い。
問題は打線。これはここ最近の阪神の下手な補強が原因なのだが、明らかにピークを過ぎた福留や新井が未だにレギュラーを張っているようでは他球団からすればまるで脅威は感じない。チャンスで確実に凡退、酷い時にはゲッツー。高年俸ゆえに使わざるを得ないという台所事情もわからなくはないが。
数年前に狩野という素晴らしい若手キャッチャーが出て来た時に何故かメジャー帰りの城島を獲得して、城島をキャッチャーで使わなくてはならない為に狩野を外野にコンバートした時には「この球団は何を考えているんだろう?アホなの?」と思ったものだが、それに近い事がここ数年は続いている。良い選手は他所から獲って来るものではない。きちんと自前で育てるものだ。
ここからはAクラスの予想。
3位は横浜DeNAベイスターズと予想。
ずっと「定位置」だった最下位を脱出したのが昨季。今年は飛躍の年になるのでは、と私は見ている。一番の期待材料は先発陣の補強だ。阪神から獲得した久保、メジャーから戻ってきた高橋尚成。久保はともかくとして高橋は年齢の事もあるので向こう何年も活躍するとは考え難いが、少なくとも今年はまあまあ投げるだろう。最も手薄だった先発陣が整備された事で、チームとしては非常にバランスの良い戦力状況にあるのでは、と見ている。実際咋季も打線は決して悪くなかった。特にブランコの後半戦の打撃。ホームランを狙うばかりではなく状況によっては単打を狙うような柔軟さが見え、スラッガーとして更に一つ大きくなったように感じた。また昨年の最も大きな収穫である梶谷の成長が大きい。まさかあそこまで打つようになるとは。
オリックスから獲得したバルディリスと三人で組む梶谷ブランコバルディリスのクリーンナップは12球団の中でも屈指の強力さではないだろうか。
それともう一つ、個人的にルーキーイヤーからずっと注目している筒香が今年こそ化けそうな気がしている。彼が覚醒した上で下位打線(6番or7番)に入れば、この上なく嫌らしい打線になる。
一つ懸念があるとすれば、三浦の劣化。特に今年は投手コーチを兼任している事から、投手陣の軸を期待し過ぎるのは酷な気もする。
さて、2位。
2位は昨年のセ・リーグ王者、読売ジャイアンツと予想。
ジャイアンツ、やはり強い。今年も派手な補強をやらかしてくれているが、この補強にはあまり意味は無いと踏んでいる。
井端、片岡という野手の補強。坂本をショートで固定するならば、井端片岡の二名に寺内藤村ロペスあたりで二塁のレギュラーを争わせるつもりであろうが、打力を考慮に入れて総合的に見ればロペスが現在は頭一つ抜けている状況。次いで片岡か。藤村寺内をバックアップとして競わせながら成長させる意味から見れば、この補強はかなり見当外れ。
広島から獲得した大竹に関しても少々首を捻りたい。昨年は確かに二桁を越える勝ち星を挙げたが、広島の投手陣の中でもマエケン野村バリントンに次ぐ四番手だった彼が果たして巨人の先発ローテに入れるのかは疑問だ。
このように補強には不満があるのだが、それでも2位に推したいのは、補強などしなくともそもそも巨人がものすごく強いからだ。
打線の恐さは言わずもがな、そして強力なのは投手陣である。
昨季のルーキーである菅野が今年二年目のジンクスでダメになるとは到底思えないし、内海の安定感はハンパではない。また昨季終盤で台頭してきた若手左腕の今村、彼は良い。今年の重要なピッチャーとして考えて良いだろう。
そして何より脅威なのが中継ぎ以降の「後ろ」の投手陣の充実である。山口マシソン笠原青木という充実の中継ぎ陣に抑えの西村、そして復活を期す久保。ここまで後ろのピッチャーが充実していると、対戦チームは「先制されてはマズイ、とにかく先に点を取らなくては」という考えから、送りバントやエンドランといったリスキーな作戦を選択しなくてはならない場面が増える。これが今のジャイアンツの強さの秘密だと言っても良い。
やはりジャイアンツは今年も強い、という印象だ。
ではそのジャイアンツを破ってセ・リーグの栄冠に輝くチームはどこなのか。そう、1位の予想であるが、これはもう広島カープで間違いない。広島の優勝以外はちょっと考えづらい。
広島カープ。今年に関して言えば期待材料しか無い。
まずは守備打撃面から見ていこう。昨季盗塁王にも輝いたリードオフマンである丸佳浩、彼の今年の目標は二年連続の盗塁王ならびに首位打者である。元々天性の選球眼を持つ選手であるので出塁率はあまり心配していないが、今年は打率を上げて行きたい。昨季の打率.273は彼の実力を考えれば少々低過ぎる。今年は最低でも3割、普通にいけば.330は打ってくれなくては困る。
更に昨季のゴールデングラブ賞を獲得した二塁手、菊池涼介には更なる飛躍を期待したい。久しぶりに「守備だけで金を取れるレベル」の素晴らしい逸材が出て来た。彼の改善点はハッキリとわかっている。一つは「三振の多さ」でありもう一つは「四球の少なさ」である。脚は速い、バントも上手い、パンチ力もある、守備は異次元。これで三振が減り四球が増えれば、球界で最高峰の二塁手になる可能性がある。
膝の怪我を心配されたショート梵英心も、昨季は終わってみれば打率三割を越えた。やはり流石の実力と言いたい所だが、彼は昨年の8月以降、「マジ覚醒」を果たした可能性が高い。本人も終盤で「バッティングのコツを掴んだ」というような事を言っており、これはイヤが上にも期待は高まる。
キャッチャー石原慶幸、セカンド菊池涼介、ショート梵英心、センター丸佳浩といういわゆる「センターライン」が盤石となった上でそれでは一塁と三塁は、外野の両翼はという話になるのだが、まずは一塁。現状では昨年後半戦から加入した外人助っ人のキラ・カアイフエが最有力。選球眼の良さと卓越したパワーは四番打者にもってこいだが、昨季は右肩下がりに成績を落としていったのが少々不安。そこで名前が挙がるのはもちろん栗原健太である。かつてのカープ不動の四番も肘の怪我、そして手術を経て昨年は見るも無残な成績に終わった。栗原の実力がこんなものではないのは百も承知だ。今年は以前の栗原に戻ったようでキャンプの時点から快音を響かせているらしい。幸いにして栗原が右打者、キラが左打者なので、相手先発投手の左右によってどっちというように併用しても良いだろう。
三塁。このポジションこそが広島のここ数年のアキレス腱であった。「プリンス」こと堂林翔太がこのポジションを任せられる事の多かった昨季であるが、はっきり言って昨年の成績では大いに不満。堂林が怪我をした後に三塁を守った木村昇吾、小窪哲也の方がまだ幾らもマシというレベル。堂林の成長を望むのは勿論であるが、ここは少々新人にも期待したい。昨年末のドラフト三位で獲得した田中広輔に私は期待している。田中が本物であれば広島の内野陣はまさに鉄壁になると思っているのだが果たして。
外野の三人に関してはセンターの丸佳浩がほぼ当確と考えて良い以外は、横並びな状態だ。私はライトには廣瀬純を推したいが、好不調の波が激しいのと怪我をしやすいのをどうにかしなくてはならない。通年の活躍がなくては意味が半減だ。
また抜群の守備力と脚力を持つ赤松真人に関しても、バッティングの向上が無ければレギュラー奪取はありえない。他には天谷宗一郎、ブラッド・エルドレッド、松山竜平、下水流昴、この辺の連中で誰が最初に抜け出してくるのかが楽しみだ。
野手陣に関しては大雑把だがこんな所。
投手陣の充実は実に素晴らしい。12球団でも一番であると思う。前田健太、野村祐輔、バリントンの三本柱は相変わらずの安定感であり、ここに今年は素晴らしいピッチャーが三人も加わった。ドラフト一位の大瀬良大地、同二位の九里亜蓮、またFAによりジャイアンツに移籍した大竹の人的補償で獲得した一岡竜司である。この三人には特に期待している。一岡を人的補償プロテクトリストから外したジャイアンツはさぞや後悔する事だろう。
一岡に関しては緩いボールを覚えて先発という話もあるが、私は中継ぎでの活躍を期待したい。得意球の高速フォークはそう簡単には打たれないだろう。
私の見立てでは三本柱で50勝、大瀬良九里一岡の三人で25勝、それ以外のピッチャーで15勝という事で、90勝は固いと思っている。故にカープ以外の球団が優勝する事は考えづらいのだ。
という事であと二ヶ月弱でプロ野球開幕!みんなで楽しみに待ちましょう!
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