忘れてはならない
「怒り」という感情は、多分上等で高尚な感情なのではないだろうかと思う事がある。
実は私はこの怒りの感情をなかなか持続出来ない。
瞬間的に怒りを覚える事はある。しかしそれが持続しない。一晩寝てしまえばその感情がかなり薄らいでしまう。平たく言えば「まあ良いか」と切り換えてしまうのだ。
だからその後は「怒っているフリ」はするが、純粋な意味での怒りの感情は私の中には既に無い。
これは「得な性格」だとも確かに思えるが、コンプレックスを感じる事も多々ある。
例えば革命家の話を映画や本で観たり読んだりした時に、「あ、オレには無理だな」と思う。革命家は、常に「怒っている」のだ。それは既存の社会の在り方やそこに巣食う権力に対して。それも、かなり純度の高い怒りである。その怒りをエネルギーに変える。そうして革命は達成されていく。坂本龍馬も、チェ・ゲバラも。
そういった意味での、何かを成し遂げる為のエネルギー源として怒りを持続させる事の出来る人を見れば、やはり「オレには無理だな」と思う。
もちろん「怒り」は悪い方向に出る事もあって、それは他者に対する継続的な嫌がらせなどの事案になる事もあるが、やはり同様にそれも「オレには無理だ」となる。本当に、怒りがそこまで持続しないのだ。
こういった性格はもう直さなくても良いかなと思っている。悪い事ばかりでは決してないからだ。心を穏やかに置いておくという事に関してはやはり確実に良い方向に働く。性格なんて一長一短だ。
だがしかし、きちんと覚えておきたいものもある。簡単に、忘れたくないもの。
それは痛みだ。
何か失敗をしてしまった時に心に刻まれる痛み。それは安易に忘れてはならない。
この痛みが自分を強くする。決して忘れてはならない、貴重な痛み。
力が足りなかったら失敗する。そしてそれは痛みを伴う。
力を蓄えなければならない。もっともっとタフにならなければならない。
人生は全然甘くない。
当たり前か。
| 固定リンク
コメント