でも出来ない
橘(榊)いずみブームが再燃している。自分の中で。
橘いずみ、現在は榊いずみの名前で活動をする日本人女性歌手である。
きっかけは友人のブログだった。そこに彼女の歌う「失格」という歌が紹介されていた。
「失格」を聴いた。そして震えた。
ブーム「再燃」と書いたが、そう、私は中学生ぐらいの頃に橘いずみが好きだった。彼女のCDも何枚か持っていた。不思議とそういったCD類は何処かへ消えてしまったのだけれど。
その彼女の魅力は中学生の頃から20年近く経った今でも色褪せない。私の心をぐりぐりとくすぐる。
彼女の魅力、それは「痛恥ずかし気持ち良い(いたはずかしきもちいい)」である。文頭に「超」を付けて「超痛恥ずかし気持ち良い(ちょーいたはずかしきもてぃー)」にしても構わない。とにかく「痛くて恥ずかしくてそれが気持ち良い」のである。
彼女のヒット曲、「永遠のパズル」にこんな一節がある。
「礼を尽くして弱きものを助け自分を殺し人を恨まず、わかってる、よくわかってる、でも出来ない」
ちなみに最後の「でも出来ない」はシャウトである。なので文字によって正確にニュアンスを伝えるならば「でも…出来ないっっっ!!!!」である。
そしてこの直後の歌詞は「迷ってる内に日が暮れて前が見えない」である。この感覚、まさに秀逸にして珠玉の「痛恥ずかし気持ち良い」である。わからない人はわかって頂かなくて結構だ。この「イタさ」は「ある特定の人々」にしかわからないイタさだからだ。ちなみにこのイタさがわかる人とはなるべく友達になりたくない。
上述の「永遠のパズル」や「失格」の他に、「サルの歌」や「ごらん、あれがオリオン座だよ」、「アマリリス」などといった彼女の名曲を聴くにつけ、「あっ!痛い!恥ずかしい!でも気持ち良い!」という独特の感覚に包まれる。
同じような感覚を与えてくれる日本人歌手で「Cocco(こっこ)」という人がいるが、橘いずみを聴いていると連鎖反応でCoccoも聴きたくなってしまう。
「髪が無くて今度は腕を斬ってみた斬れるだけ斬った」
ちょいちょいちょい!腕は斬っちゃダメ、腕は!
こっちもなかなかハードコアである。
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