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2012年1月 6日 (金)

せんべろか

ここ最近「せんべろ酒場」なる言葉をよく耳にする。

「1000円でべろべろに酔える」の省略らしく、使い出したのは我らが故中島らも先生だそうだ。

言っては悪いが、そんな言葉が世間に浸透する前から私は「せんべろ」と共に生きている。何も気負わず、何も恐れず。ごくごくありふれた日常として私はこの「せんべろ酒場」で酒を呑む。

この理由として「金は無いが酒は呑みたいから」というのが全てではないのは賢明な読者諸氏ならば容易に想像がつくだろう。金が無いという事を理由の第一に置くならば、家で酒を呑むのが最も安い手段なのだ。

凡そ1500円也の「宝焼酎」4リットルペットボトル、これをジョッキにどばどば、上から放射性セシウム入りの水道水でこしらえた自家製の氷をガシガシ、然る後にそれらを自家製(勿論セシウム入り)の烏龍茶で割る。立派な「ウーロンハイ」の完成である。値段にすれば恐らくは一杯50円も見れば充分であろう。これ以上に安く酒を呑む手段も無くは無いだろうが、「それなりに呑める酒」を呑もうと思えばこれが最も安い値段だ。

幾ら「せんべろ」と言えども、これを下回る値段を提示するのは不可能である。参考までに私が頻繁に訪れる小岩の立ち呑み屋では、最安値のチューハイが150円である。家呑みに比べれば、スーパーセレブの呑み物だと言わざるを得ない。

余談だが、チューハイを一杯100円で出す呑み屋が以前小岩にあったが、そこのチューハイは信じられないぐらいにマズかった。恐らく目が潰れるタイプのアルコールを使用していたせいだと思われる。またその店に関して言えば、客層が小岩で一番、という事は日本で一番悪かった。数々の呑み屋を出入り禁止、所謂「出禁」になった連中が跋扈し、意味のわからないホラの吹き合いが繰り広げられていた。

「ニイちゃんオレはな?東大行ったんだよ!テニスで国体優勝した事もあるしな!小岩でオレの事知らねえヤツはモグリだ!」

返す言葉はただ一つ、「マジっすか!超スゴイっすね!」の一択だ。包帯のような嘘を見破る事で学者は世間を見たような気になるらしいが、私は学者ではないのでそれらの悲しい嘘に対しては上述の「マジっすか!超スゴイっすね!」の言葉をキメ打ちだ。

しかし「昔は悪かった自慢(しかも多分嘘)」をする酔客はまだ良いのだけれど、「オレは今でもナイフみたいに尖ってんだからな!お前なんていつでもボコれるんだからな!」みたいな事を言う輩はどうにかならんもんかな。ついつい「オラやってみろやコラ」などと予定外のインプロビゼーションをカマしそうになる。

また、「マジっすか!超スゴイっすね!」の言葉を鸚鵡のように繰り返していると、予想の遥か斜め上から突拍子もない言葉が飛んで来る事もある。私がこれまでに最も耳を疑ったのは、酔客が私の呑むチューハイのジョッキを指差し、「なあ、ニイちゃん…ちょっとそれ…半分くれよ…」と言って自らのカラになったジョッキを差し出して来た時である。ちなみにこれは前述の自称東大卒、元テニスの国体チャンピオンというオヤジの発言である。この時ほど私の脳裏に鮮明に「早うに死んだらええのになあ、死んだら誰も悪うに言わんのやから」という西原理恵子氏の名作「ぼくんち」の劇中台詞が浮かんで来た時は無い。早うに死んだらええのに。

閑話休題。

「せんべろ」には「金が無いから」という理由のみで行く訳では無い。より安い酒は家にある。

何故行くのか。

そんな人間動物園が見たいのだ。

ちなみに今日はその「せんべろ」で呑みながらこの文章を書いている。

酔っ払ってきたので、唐突だが本日はコレでおしまい。

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