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2011年9月

2011年9月29日 (木)

鉄壁ブロック

ここの所、迷惑メールが来る件数が異常に多かった。

最近の迷惑メールはすごい。いきなり「お金あげます」とか。

あまりの多さに辟易したので、携帯電話のメールの設定を変えてみた。文中にURLを含むメールを全て受信拒否にしてみたのだ。

これにするとほとんどの迷惑メールが届かなくなるのは良いのだが、普通のメールも少し届かなくなる。

という事で、「用事があってフクシマにメールを送ったけれど返って来てしまった!」という方は、パソコンメール(gmail)までお願いします。

africanpianoアットマークgmail.com

です。

それか狼煙(のろし)で。

ヨロシク。

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テスト

テスト

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2011年9月28日 (水)

打ちたかったら打とうとしない

我らが広島カープ、今年のペナントレースは早くも混戦から脱落して俄かに終戦の雰囲気が漂ってはいるが、幾つかの個人タイトル争いは未だに楽しみな部分が多い。

その中にあってやはり筆頭は、頼れる主砲、四番の栗原健太選手である。

今日現在までの正確な成績は知らないが、つい先日までは打点王の座を守っていたし、首位打者部門においてもだいぶ良い位置にいる。大いに期待が持てる。

が、この栗原選手、今シーズンの序盤は惨憺たる成績であった。四番の座を離れる事もしばしばあった。

この原因の一つとして、彼の「打ちたい」という気持ちが強すぎたのではないだろうか、と私は睨んでいる。

シーズン序盤においては四番の責務を全うする為に「とにかく自分が打たなければならない」という気持ちが強すぎたように私には見えた。

その結果、振らなくて良いようなボール球に手を出すという事になっていた。「打ちたい→振りたい」という事なのだろうか。またバットをボールに当てに行き過ぎるが為に、スイングが中途半端になっていた。当然、成績は伸びなかった。

それがシーズン中盤あたりから、人が変わったように彼はヒットやホームランを量産し始めた。

野球に関して素人の私が知ったような口を利くのもどうかとは思うが、中盤からの彼はあまりボールを「打ちにいかなくなった」ように見えた。

身体全体を使ってしっかりとしたバランスでバットを「振る」、そんな事に砕心しているように見えたのだ。

この時に私は私の生業であるピアノの事を思った。お、似ている、と。

「ピアノを弾く」という事に関して、私はなるべく「弾こうとしない」ように気をつけている。

頭の中でメロディを歌ったり、リズムを身体で感じたり、それに合わせて呼吸をしたり。そんな事の延長線上、一番先に「弾く」という行為があるように感じている。

どうしても手軽な結果が欲しくて「弾きに」いってしまう気持ちは十全に理解出来るが、やはりそこを我慢して敢えて「弾こうとしない」という態度。この態度が結果的にはスムーズに「弾く」という行為を導くのではないかと思っているのだ。

弾きたかったら弾こうとしてはいけない。打ちたかったら打とうとしてはいけない。

すごく矛盾した言い方のように聞こえるかも知れないが、そんなこともあるのではないだろうか。

栗原選手のここの所の好調に目を細めつつ、そんな事を思ったのだ。

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2011年9月27日 (火)

おめでとう2

今日はかみさんの誕生日。

お互い仕事で何も誕生日らしい事は出来なかったけれど。

実家の親父がウチのかみさんに誕生日プレゼントを買ってくれているらしいので、仕事終わりの今(夜10時半)、実家に取りに行く事にする。

おめでとう。

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2011年9月26日 (月)

おめでとう

私の教室に来てから既に3年〜4年ほど経つ、とある生徒がいる。

彼が私の教室に通い始めた当時、彼も私もまだ独身だった。それがいつの間にやら、彼も私も妻帯者になっていた。

お互いに、とてもじゃないが結婚など自分には無理だ、と思っていた節があって、昔は「いつになったら俺達は結婚するんだろうね、ま、一生無理だね」なんて言って笑っていた。それがお互いに何の因果か家庭を持つ事になった。

そんな彼から半年ほど前に「かみさんが腹ボテで」という事を聞いた。どうやら自分が「親になる」という実感は無かったようで、何とも居心地の悪そうな顔をしていた。

今日彼のレッスンがあって、「子供どうなりました?」と私が聞くと、「昨日無事産まれました」と教えてくれた。

何だかね、その時に何とも言えない嬉しい気持ちになったんだ。

つらい事も恥ずかしい事も面倒くさい事もたくさんあるけれど、やっぱり人生はそんなに悪くねえじゃねえかって。

女の子だってさ。彼に似ないように。

本当に、おめでとう。

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2011年9月25日 (日)

これからワークショップへ

午前中のレッスンを終えて笹塚へ。今日はワークショップ。

小岩でレッスンが終了したのが12:00。笹塚には13:30集合の予定だったから、時間としてはかなり余裕を見ていたのだけれど、今朝からかみさんが体調不良を訴えていたので一度自宅へ戻る。

ワークショップのスタッフの方々に連絡して少々遅れる事を伝えて、自宅でかみさんに昼飯を作る。

遅れてしまうのは申し訳なかったのだけれど、かみさんが昼飯を「美味い」と言って食べてくれて良かった。

弱ったかみさんもまた可愛い。

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2011年9月24日 (土)

やって来た迷惑メールを晒す遊び

こんなメールがやって来ました。

突然ですみません。
私…3年前に交通事故で両親と弟を亡くしました。
残されたのは財産と孤独な人生…
その時助けてくれたおばあちゃんもこの前に癌で亡くなってしまいました。
会ってほしいとかではなくメールしてくれるだけでいいんです…
サイトの方にお願いしてあるのですぐにメールできるようになってるはずです。
お礼として2000万用意しました。
まずはお話を聞いてくれませんか?
お返事もらえる事を祈ってずっと待ってます
__________
▼黒崎なつめサンにご連絡
http:以下URL

ツッコミどころが満載過ぎてどこからツッコんでいいのか困る。

「おばあちゃん」を持ち出すこの手法を「トイレの神様商法」と呼んでおるが、これは流石に本家の植村さんにも失礼過ぎる。

で、また2000万って…

迷惑メールも多様化しています。皆様もお気をつけて…

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2011年9月23日 (金)

相対性理論の終焉?

ニュートリノという粒子が光よりも速く動く、という事が発見されたそうだ。

もしこの事が本当ならば、大変な事になる。

そもそもありとあらゆる物質(光には質量は無いのだけれど)、或いは速度というものは、光速度Cを超えて動く事はないとされており、その前提と共に物理学は発展して来たのだ。

最も有名なものはアインシュタインの発見した相対性理論である。光速度Cを不変としたからこそ、それに呼応するように空間と時間が変化する事を提唱したのだ。光速度Cが不変でなくなった場合には、これらの理論に幾つかの加筆修正を施さなくてはならない事が明らかだ。

しかし、この一点を捉えて「アインシュタインは間違っていた!」と鼻息荒くするのは何とも無粋だと私は感じる。

アインシュタインの相対性理論、それに触れた時に私はひどく驚嘆したものだが、その驚嘆の根幹にあったのは「なるほど俺達の考える常識というのは随分いい加減なものだな」という事である。

それまでに「当たり前」とされたニュートン力学を疑い、「或いは光速に近いような慣性系の中ではニュートン力学とは違う現象が起こりうるのかも知れない」と考える所から相対性理論は生まれて来た。

ニュートン力学という常識に取って代わり相対性理論が常識になった昨今においても、その常識を疑う事こそが、アインシュタインの発想の根本にあった事なのではないだろうか。

しかしこのニュートリノにまつわる発見、実に衝撃的である。

暫くはこの科学ニュースから目が離せない。

一体どんな事になるのだろうか。

物凄くワクワクする。

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2011年9月22日 (木)

9月22日の独り遊び

かみさんが「家で集中して仕事がしたい」というので、家でゴロゴロしていた私は家を出て行く事にする。出て行くというよりは、追い出される。3000円の小遣いをもらって。小学生みたいだ。

だがしかし、一人で遊ぶのは私の得意分野だ。任しておきなさい、と得意げに家を出た。

何をしようかと思案した私であるが、真っ先に頭に浮かんだのは「公園のベンチで缶ビール」という、今流行りの「底辺系」の遊びである。

内容をつぶさに説明すると、文字通り公園のベンチに腰掛けて缶ビールをプシュリ。濁った目をしながら時々軽く舌打ちなんぞをして「みんな死ねば良いんだ」などと世の中を拗ねるフレーズをぽつり、という遊びである。あまりやり過ぎると本当に死にたくなってしまうというデメリットがあるが、まさに今若者達に大流行のこの遊びである。先日も渋谷でギャル達が「今からベンチビールいっとく?」「底辺系?マジパネエ!」「目え濁らせちゃう?」「それマジ超アツいんですけどー」と言っていたのを聞いた。本当に大流行しているのだ。

「さーてベンチでいじけますかなー」と上機嫌でコンビニに突入、缶ビールを物色していた辺りで、外の空模様が一変してしまった。急に雨と強風がダブルでやって来てしまったのだ。この「公園ベンチビール(KBB)」という遊びは多分にアウトドア的な要素を孕む。雑誌で言えば「ビーパル」あたりが「今年大流行のKBB」と特集を組みそうなものである。アウトドアに悪天候は天敵だ。「KBBは中止だ」。そう呟いて私は手に持ったビールを商品陳列棚に戻し、何も買わずにコンビニを出た。

一つの事がうまくいかなかったぐらいで全体のバランスを損なうようでは「独り遊びの匠」とは言えない。十重二十重に張り巡らせた重厚な作戦と、臨機応変な機転で対応するのが匠の技である。私は雨と強風を避けるようにして、以前より一度行ってみたかった近所の店舗を訪れた。

店の名は「たこ田信玄」。今年の6月にオープンしたタコ焼き屋である。この店、お笑いコンビ「麒麟」の田村裕氏のお兄さんがやっているという事で話題になったのだが、それとは別に私は周囲からこの店に対する良い意味での口コミ情報を幾つか聞いていた。曰く「雰囲気が良い」、「タコ焼きが美味い」、「昼から呑める」等々。ならば行くタイミングはまさに今日だった。昼から呑む気満々の私であったのだから、それはばっちりなタイミングであったのだ。

行ってタコ焼きとビールを注文した。タコ焼きはソース味、塩味、しょうゆ味とあったのだが、私がチョイスしたのはソース味。酒のツマミとしては少々味の濃い方が良かろうと踏んだのだ。これが結果的に正解。タコ焼き自体も味がしっかりしているというのはあったが、ソースが濃厚でツマミとしては抜群に良かった。酒を呑まずにそれ単品で食べる時には、或いは塩味やしょうゆ味が良いのかも知れない。今度また食べてみたいものである。

ビールセットを平らげた後は、その近くの小岩図書館へ。ここでは読書。雑誌の「ビーパル」をパラパラとめくり(そう言えば「KBB特集」はなかった)、その後は「右四間飛車戦法」という本を熟読する。端歩の対応の仕方の話が非常に為になった。

図書館を後にしてからが匠の技の真骨頂である。完全な思い付きのみで、私はサイクリングに出掛けた。行動の前後に何の脈絡もないが、これが匠の技なのだ、とご理解頂きたい。

訪れたのは、千葉県国府台にある里見公園。ここは公園自体も良いのだが、そこへ向かうサイクリングロードが良いのだ。江戸川の脇を通る道である。昨日の大雨で増水して流れが速くなった江戸川が、闇に照らされて何とも美しかった。

ちなみに今この文章を書いているのが、里見公園のベンチである。公園のベンチなのにビールを持っていない。

これはいかん、という事で、今からビールを買いに行く。

それではまた来世。

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2011年9月21日 (水)

何だかなあ

台風で仕事ぐちゃぐちゃになる。電車が走ってなくてレッスンも出来なかったし。

こんな日は鬱屈とする。

台風は来るし。地震も来るし。

もう何だかなあ。

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2011年9月20日 (火)

しょい

昨日のピアニスト祭、楽しかったなあ。

自分が演奏しない時はきちんと人の演奏を見て勉強しようなんて思っていたのだけれど、みんな素晴らしかったので勉強するのを忘れて「イエーイ!」なんつって楽しんじまった。完全にイチ観客の一人になって。

大坪さんの音色、中村さんの楽曲、ショーンのノリ、コセキの反則技エンターテイメント(笑)。いや、本当にみんな素晴らしかったんだって。

サポートのドラムの南さん、急遽代打のベースヒガシデにも感謝。

次回また開催された時にも呼んでもらえるように、精進しないとな。

今日はオフクロが出掛けていて家にいなくて、オヤジが風邪気味だっていうから、かみさんと二人で実家に料理を作りに来た。料理の準備も全部終わってこれからレッスン。

頑張っていきまっしょい。

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2011年9月19日 (月)

ちょっと一息

ちょっと一息
ごく稀に、猛烈に喫茶店で珈琲が飲みたくなる。

缶コーヒーでもなくて、家でいれたのでもなくて、喫茶店の珈琲が。

京都に住んでいた時期に、毎日のようにLUSH LIFEという喫茶店に通っていた名残りかも知れない。

LUSH LIFEのような音楽をかけて珈琲を出す店を東京では見つけられずにいるので、随分と喫茶店通いの癖は無くなったが。

今日、急に前述の欲求がやってきたので、レッスン後に近所のチェーン店の喫茶店へ。タバコをぷかぷかしながら、珈琲を飲んで一息入れる。

さて、これから小岩「Back in time」へ。

本日は五人のピアニストの競演、「ピアニスト祭」。

頑張ります。

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2011年9月18日 (日)

明日19日は小岩でピアニスト祭!

タイトルの通りです。

明日9月19日(月祝)は、小岩「Back in time」にて驚愕のピアニスト祭が開催されます。

ぼくも出演しますが、これはピアノファンには特にオススメの一夜。

というか、出演者であるぼくも、ぼく以外の四人のピアニストが見れるのがすごく楽しみです。

見ながら色々盗んでやるんだ、と狡賢く考えています。もちろん、この際の効果音は「ぐへへ…」です。ぐへへ…おっちゃんに見してごらん…パクってあげるよぉ…?

いかん、他の共演者に撲殺されるからあんまり言わんとこ。

と言う事で詳細以下。

9月19日(月祝) 小岩 Back in time
03-3659-0351
http://www.bqrecords.net/backintime.htm
「ピアニストを観て!」
何と驚愕の企画。五人のピアニストが一堂に会し、トリオだのデュオだのソロだのとあれこれ繰り広げる「ピアニスト祭」!ピアノをやっている人には特にオススメのこの企画。お酒の呑み比べのように楽しんでみては。
piano:ショーン piano:中村尚子 piano:大坪正 piano:コセキタカヨシ piano:福島剛 bass:市川直人 drums:南たけし
19:00~open 20:00~start チャージ:1800円

来たれ、ピアノファン!

そして広島カープファン!

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2011年9月17日 (土)

それはいつもすぐそばにある

隣町の新小岩を歩いていたら、「あれ?ここって最近出来たばかりじゃなかったっけ?」というラーメン屋が、早くも貸しテナントになっていた。つまり、早い話が潰れたのだ。

ラーメン屋にのみならず、私の家の近所でも新しい店がいくつも出来ては潰れていく。繁盛して残っていくのは、そうやってたくさん出来た店の中でも一握りなのだ。

それは何が理由かは一概にはわからない。様々な理由があるだろうから。運、みたいなものもきっとあるのだろう。

私も今の商売をいつ廃業せざるを得ないかわからない。もちろんそんな事(廃業)などしたくはないし、今の所はしなくても済みそうだ。

けれど、気を抜いたらそんな事はすぐにやって来るような気もする。坂道を登るのは難しく、転げ落ちるのはたやすいように。

日々努力しかねえよなあと、当たり前の事を考えるのだ。

本当に当たり前の事なのだけれど。

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2011年9月16日 (金)

金の話

「お金の話するの、ちょっと下品だ、ぐらいに思ってるでしょ?」と、昨日かみさんから言われた事と全く同じ事を違う人から言われた。

確かにそうなのだ。金の話でこじれると「じゃあいらねえよ!」と言ってしまうのは本当に悪い癖で、細かい金の話をするのが多分に苦手だ。というよりも、指摘の通りどこかで「下品だ」と思っている。

しかし実際には私たちは金を介在させながら仕事をしているし、その話無しに「仕事」は成り立たない。

確かに良くない所。

少しずつ直していこう。

少しずつね。

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2011年9月15日 (木)

エヴァンス再考

普段の練習にプラスして、今日は久しぶりにビル・エヴァンスの研究を。

過日、たまたま二人の生徒からほぼ同時に、エヴァンスの名曲「Waltz for Debby」を弾いてみたいと言われ、「ちょっと待って」と「待った」をかけた。

昔ある一時期にエヴァンスに凝った事があって、その時に少しこの曲の事も研究した事があったのだが、何せこのビル・エヴァンスというピアニスト、なかなかに複雑な和音の構成で曲を弾く(書く)ものだから、細部に至っては殆ど忘れてしまっていた。つまり私の方から生徒に向かって「一週間予習の時間を下さい」と泣きを入れた格好だ。

確かにもう一度研究し直してみると、通常の四度進行のコードワークを、ベースラインを巧みに動かす事で絶妙なクリシェを構成するエヴァンスの妙技に感嘆する。素晴らしい。

また、エヴァンス独特のリズム感も特筆すべき点だ。そのリズム感あってこその彼の音楽だ。

恐らくもう大丈夫。「Waltz for Debby」についてもレッスンは出来る。

だが、まだまだ研究。

やはり先達の音楽は大変に奥が深い。

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2011年9月14日 (水)

ない

何もない。

一日ピアノも弾いていないし、何もしていない。

今日何も仕事が入っていなかったのは唯一の救い。

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2011年9月13日 (火)

停滞の日

夕方以降機嫌が急降下。やる気も全くなくなり、家で酒を呑みながらテレビの野球観戦。

肝心のカープ戦がやっておらず、中日対阪神戦を見るも、どちらのチームに対しても「負けれ」と思いながら見てしまう為、楽しく見られない。

チャンネルを変えて横浜対巨人戦を見ると、「横浜頑張れ巨人負けれ」と思う為まあまあ楽しく見られる。

という停滞の日。

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2011年9月12日 (月)

私の街の中華料理屋

丸山明宏(美輪明宏)の歌った佳曲に「ヨイトマケの唄」というものがある。

随分と昔に歌われた歌だが、シンプルなメロディラインとストレートな歌詞は、聴く度に時を超えて私の心を揺さぶる。ごくたまに私もカラオケに行く事があるが、私のカラオケの十八番はこの「ヨイトマケの歌」と「それゆけカープ」だ。

その「ヨイトマケの唄」の中にこんな一節がある。曰く、

「何度かぼくもぐれかけたけど
やくざな道は踏まずにすんだ
どんな綺麗な唄よりも
どんな綺麗な声よりも
ぼくを励まし慰めた
母ちゃんの唄こそ世界一
母ちゃんの唄こそ世界一」

この歌詞の持つ破壊力は今更説明するまでも無いだろう。興味を惹かれた方は、その前後の歌詞も調べてみると良い。破壊力はさらに増す筈だ。

さて、上記の歌詞を勘案してみたい。

「どんな綺麗な唄や声よりも、母ちゃんの唄こそ世界一」という事は、「母ちゃんの声は決して綺麗ではなかったにも関わらず、何よりも強く私の心を慰めた」という事実が見て取れる。それはそうだ。何せこの物語の中の「母ちゃん」は、「ヨイトマケ(わからない人はヤフーでググるように)」であり、いつも男に混じって綱を引きながら声を張り上げていたのだ。ステレオタイプな意味での「綺麗な声」とは程遠かった事が想像に難く無い。しかし、それでもなお「ぼく」の事を「励まし慰めた」のだ。何よりも強く、そして何よりも優しく。

これは、音楽に置き換えて考えれば「(表面的に)技巧的な音楽だけが人の心を打つとは限らない」と言い換える事も可能かも知れないし、料理に置き換えてみれば、「値段的に高級とは言い難い料理でも充分に人の心を打つ事はある」と言い換える事も出来る。感動という現象が多分に主観的なものを含む性質なのだから、それは当然と言えば当然の話なのだ。

さて、我が街小岩には、とある特級厨師が営んでいた中華料理屋があった。名を「美中味」と言った。

この「美中味」は、様々な場面で私の生活を彩り、そして私の生活を慰めて来た。友人のヤマちゃんが○○で××した時(自主規制)、「お前マジに死ななかっただけでもラッキーだったと思えよ!?」なんて言ってたのもこの美中味だった。また私が気恥ずかしさを伴いながら「オレさ、実は結婚しようと思うんだ」なんて事を友人に告白したのもここ美中味だった。結婚式の直後にその三次会で悪魔のような連中がゲラゲラ笑いながら私の髪の毛をばっさばっさイってたのもこの美中味だった。かみさんと下らない夫婦喧嘩の後、「仲直りにメシでも食いに行こう」と訪れたのもここだ。本当にこの「美中味」には様々な思い出がいくつもあるのだ。

また私たちがこの「美中味」を愛用していた理由の一つには、類い稀なるコストパフォーマンスがあった。具体的な例を言えば、生ビール(Not発泡酒)が250円。これだけでも充分であったが、我々が親しみを込めつつ「コジキセット」と呼んでいたセットがあった。料理二品とビールがついて980円、という破格のセットである。

前述のように、この店には特級厨師がいた。この事実がもたらす結果は、ただ一言、「ウマイ」という結果である。

私は取り分けこの店の麻婆豆腐が好きであった。芳醇なコクのソースに絡むとろけるような豆腐。その美味さたるや、口に入れた瞬間に膝がガクガクと震え、目が白目を剥く事請け合いな一品であった。

他にもユーリンチーや棒々鶏など、この店は「美味いもの」に事欠かなかった。大袈裟な物言いでなく、出て来るもの全てが美味かった。そして信じ難いほどに安かった。何せ、それら二品と生ビールで980円である。ここ以上に安くて美味い店を、私は他に知らない。

その店が、過日、最後の日を迎えた。

「ヨイトマケの唄」のように、どんな綺麗な店よりも、どんな高級な酒よりも、私達を励まし慰めて来た店が、落日の時を迎えたのだ。

最後の日、やはりこの店を愛用していたBIT(近所のライヴハウス)常連の連中と共に私はこの店を訪れた。

呑み慣れた250円の生ビールや絶品料理の数々、そして見慣れた店の景色が私の様々な記憶を喚起した。

この店に通い始めた当時、私はまだアルバイトをしていた。音楽で、生計が立てられてなどいなかった。美中味に来ては、いつもグチグチと「バイトが嫌だ」と言いながら、鬱屈とした毎日を過ごしていた。

やっと、裕福ではないにしろ、生活に必要な金ぐらいは音楽で稼げるようになった。

「今じゃ機械の世の中で、おまけにぼくはエンジニア」

「ヨイトマケの唄」の一節が脳裏を掠めた。

どんな綺麗な店でどんな高級な酒を呑んでも、これほど励まし慰められる事はなかっただろう。そんな事をぼんやりと考えていたら、寂しさに少し、泣きそうになった。

中国人だった特級厨師の店主夫婦は、今月中にも祖国である中国に帰る、と聞いた。

店を出る際に、「いつもご馳走様でした。いつも美味しかったです」と伝えると、店主の奥方は「こちらこそいつもありがとうございました」と流暢な日本語を話しながら深々とこうべを垂れた。「国に帰ってもどうぞご無事で」と言うと、「ありがとう」と言って握手をしてくれた。

寂しさと、感謝と。そんなものが色々と入り混じって、目頭が熱くなった。

今も聞こえるヨイトマケの唄

今も聞こえるあの子守唄

もう二度とあの夫婦に会う事は無いかも知れないが、恐らく私は美中味を忘れる事は無い。

さよなら。

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2011年9月10日 (土)

富浦港

富浦港
富浦港
富浦港
富浦港という所に行って来ました。

空が高くて綺麗だ。

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2011年9月 9日 (金)

夕暮れ

夕暮れ
家を出る時にすごく綺麗だった夕焼けの写真をぱちり。

こんなん載っけてたら普通のブログみたいじゃんか…

それよりももっと赤い血が身体中を流れてるんだぜ。

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2011年9月 8日 (木)

写真展

仕事の前に渋谷に寄って、写真展に行った。

ピアノの生徒が主催した写真展だ。

行って良かった。

とても清々しい気持ちになった。

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2011年9月 7日 (水)

暗譜

暗譜をする、という作業を丸一日やる。

暗譜、というのは譜面を覚える作業だ。

この際に大事な点があって、そこにあるコードやメロディ、リズムを「自分の中に入れる」という事だ。

まるで「元から自分の中にあった音楽なのではないか」と自らが錯覚をするぐらいまでやって、やっと「覚えた」という事になる。

なかなかしんどい。

はあ…

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2011年9月 6日 (火)

忘れてた

仕事→練習→仕事という一日を終えて帰宅。即メシを食って、即布団に寝転がりテレビなんぞを観てると、強烈な眠気がやって来る。

そこで気付く。「あ、今日そう言えばブログ書いてねえや」と。

なので寝転びながら携帯から書く。

いかん意識が飛びそう。

あー…

また来世ー…

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2011年9月 5日 (月)

誰も死にたがっている人なんていない、テンマは確かにそう言った

これから池袋でレッスン。その後、上野へ向かって「アリエス」でライブ。

珍しくバタバタしてるので、更新も手抜きですみません。

バタバタしている原因は、せっかく早起きしたのに浦沢直樹の「モンスター」という漫画をひたすら熟読していたからです。

いや、この漫画、久しぶりに読み返したのだけれどめちゃんこ面白いんだもの。ニナ(アンナ)とヨハンの隠された過去の記憶、511キンダーハイムで行われた悪魔の実験、翻弄される主人公Dr.テンマ、交錯する人間ドラマ。

個人的にはグリマー(ノイマイヤー)とDr.ライヒワインが好き。最終巻のグリマーとかさ、すげえ良いんだよ。

最初に読んだ時には手塚治虫の「アドルフに告ぐ」に似ている、と思った。実際に浦沢直樹は手塚治虫を尊敬している事を公言してるし。

しかしここ最近では、ドストエフスキーの「罪と罰」に似ている、とも思う。

読んだ事が無い人は是非御一読を。

という事で、本日は上野で19:30からライブしてます。

よろしくどうぞ。

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2011年9月 4日 (日)

嵐とカツーンの違いは知らないけれど

年に数回あるのだが、今日は千駄ヶ谷駅周辺が「嵐まつり」状態になっていて、むせっけえる程にメスのスメルがしていやがった。

もちろん、嵐というのはあのジャニーズのアイドルグループだ。語尾に「ズラ」をつけて喋るアイツや、口に葉っぱをくわえたアイツや、「小さな巨人」でお馴染みのアイツが所属している超人気グループだ。どうやら国立競技場で試合(ライブ)をやるらしく、詰め掛けたファンで千駄ヶ谷駅がごった返していたのだ。

私は日常的に千駄ヶ谷に行っているので、この光景を見るのは初めてではない。そしてこれを見る度にいつも思うのだが、「嵐はすげえ」。

幸か不幸か、私は嵐にはまるっきり興味が無いので、彼らが試合(ライブ)においてどのようなプレーをしているのかは知らない。お約束となった「秘打・白鳥の湖」で会場のボルテージが最高潮になる、というのは聞いた事があるが、それも実際には見た事は無い。というか、いい加減にデタラメな「ドカベン」ネタを引っ張るのもやめにしよう。

いや、つまり、「よく知らないのだけれど、これだけ多くの人を魅了して動員する嵐はすげえ」という話である。

昨今流行りのAKBにしてもしかり。私の個人的な好みから言えば、「全員あと二十、歳をとってから出直して来い」なのだが、私の好みなどとは全く無関係に、AKBは信じられない程に多くの人間を動員する事が出来るし、CDもたくさん売る事が出来る。これは文句なしにすごい。

「や、彼らと違って俺達がやってるのは(音楽的に高尚な)ジャズだし、わかる人だけがわかればそれで良いんだよ」なんて事をたまに真顔で言う馬鹿もいるが、聞く度に閉口する。

どうやったらジャズに人が来るのだろう、という事を私はたまに考える。どうやったらジャズのCDが売れるのだろう、と。そうなった時に、嵐やAKBから学ぶ事は幾つもあるのでは無いだろうか。少なくとも、上から目線で見下して良い存在ではない。見下される事こそ有り得るかも知れないが。

何かがある筈だ。

わかった。

ジャニーズ初のメタボアイドルとして、私が嵐に加入すれば良いのだ。

もしくはAKBに。

これで鉄板だ。

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2011年9月 3日 (土)

辛い欲


このブログに度々書いているのだが、私は辛い食べ物が好きだ。大好きだ、と言っても良いかも知れない。

いつもいつでも、では無いにしろ、たまに常軌を逸する程に辛い物が食べたくなる。味もよくわからなくなる程に辛く、汗が身体中の毛穴から噴出するような激辛の一品を、無性に身体が欲するのだ。

これまでに食べた最も辛い物は、十年ほど前にインドで食べた青唐辛子だった。街中の庶民食堂に入った時に食べた。「ターリー」と呼ばれる大衆食、定食のようなものにそれは乗っていた。周囲のインド人達が、まるでキュウリのぬか漬けでもかじるかのようにぽりぽりとそれを齧るのを見て、私がインド人に「辛くないのか?」と尋ねると、「問題ないから食べてみろ」と返された。ので、それを無造作に私は口に運んだ。すると、周りのインド人が私に向かってげらげらと笑い出した。

あらゆる事を後悔すると共に、「インドと戦争をしたらおそらく負ける」と実感したのもこの時だ。それは「辛い」のではなく、単純に「痛い」ものだった。本当に、冗談や過剰な物言いでなく、半日から丸一日、口がずきずきと痛むほどにそれは辛かった。後にも先にもあれ以上に辛いものを食べた事はない。あんなものを漬物感覚で食べているインド人の味覚は本当におかしい。狂っている。ちなみにインドでは、甘物も頭が割れそうになるほどに甘い。奴らの味覚は全体的におかしいのだ。

最近、私の周囲で俄かに話題になっていたチェーン店のラーメン屋があった。名を「蒙古タンメン中本」。どうやら激辛を売りにしたラーメン屋であるというのだ。

激辛好きを自称する私としては、いつかどこかでこの店を訪れなくてはならない、と思っていた所であったが、本日の昼間、かみさんと二人で、久しぶりにどこかへランチを食べに行くデートでもしよう、という話になった時にこの「中本」が話題に挙がり、行く事となった。行きたがったのは、実はかみさんだ。私は御茶ノ水のカレー屋「エチオピア」に行きたかったのだが、協議の結果「中本」となった。

この「蒙古タンメン中本」、辛さは全てで十段階あるらしい。最も辛いレベル10のラーメンは、冷やし味噌ラーメンというものだったのだが、私はそもそも冷たいラーメンがあまり好きではなかったので、これは避けた。次いで辛い、レベル9の「北極ラーメン」、私はこれをチョイスした。かみさんはレベル5の「蒙古タンメン」をチョイスしていた。

冒頭に写真を載せたラーメンこそが、その「北極ラーメン」である。

率直な感想を言おう。

「大変美味かった。だが、それほど辛くはなかった。」

という事である。

やはり辛さに関しては、それなりの物を期待して行ったが為に、無駄にハードルが上がり過ぎた、という事はあったのだろう。確かに「辛くない」訳では全く無いのだが、「ものすごく辛い」か?と問われれば、答えはノーだ。極めて常識的な範囲内での辛さだった。

ラーメン自体は大変美味だった。とりわけ、野菜によく味が染みていた事と、もっちりとした太麺が味わい深くて気に入った。スープ自体の旨みもよく出ていた。

しかし、もし今後「ああああ!!辛いものが食べたいよう!!辛いものが食べたいよう!!」という発作が現れた時には、私は「中本」へは行かないだろう。「ちょっとピリ辛のラーメンが食べたいな」という時には行くと思うが。

私のこの「辛い欲」を満たしてくれるのが、やはり身近な所では御茶ノ水の「エチオピア」のカレーである。最近聞いた話では、小岩のカレー屋「カシミール」に裏メニュー的な辛いカレーがあるらしく、それにも近い内にチャレンジしたい。あ、あと小岩だとラーメン屋「味源」の「鉄火麺」。これはなかなかに辛い。

辛いものばっかり食ってるとバカになる、というのはまさに真実で、私はその説を体現しているのだ。私がバカなのも、インド人がバカなのも全て辛いもののせいだ。辛いものばっかり食べてはいけない。

さて、明後日はライブです。

9月5日(月)東京上野 アリエス
tel 03-3831-0523
http://www.jazz-cygnus-aries.co.jp/aries/ari-top.html
月イチ恒例のアリエス。スタンダードからオリジナルまで多彩な曲目でお届けいたします。大塚美香氏のボーカルも交えながら。澄み渡るハーモニカの音色をご堪能下さい。
harp:皆川和義 pf:福島剛 guest:大塚美香(vo)
19:20~start  music charge:2000円

スパイシーにいきたいと思います。

よろしくどうぞ。

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2011年9月 2日 (金)

不穏な空気

台風が来る前の不穏な空気。

こいつに誘われてついつい家を出てしまう。

風が強くて、空気が生暖かい。たまに雨粒がぽつぽつと来る。

不穏、とはまさにこの事。

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2011年9月 1日 (木)

神宮から、愛

神宮から、愛
神宮から、愛
早速の宮島さん!

神宮野球観戦中!

楽し過ぎる!

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