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2011年7月18日 (月)

猿になるよ

盆と暮れと正月がいっぺんにやってくるとはまさにこの事か。

広島カープは九年ぶりにナゴヤドームでの中日3タテ。何やら昨日このブログに「そんな所で試合をやっているはずが無い」などという妄言を書き込んだ某後輩がいたが、紛れも無く事実である。篠田投手の粘りのピッチング、今村投手の急成長、井生選手の会心のタイムリー、赤松選手の2ランスクイズ。全ては現実に起こった事である。予定では本日より阪神タイガースを3タテする。野球が実に面白い。

そして深夜(早朝?)には、女子サッカー日本代表の快挙。何と驚きのワールドカップ優勝である。

私は昨日のブログに、「ここまで来たら形はどうあれ勝利を!」と書いたが、結果としてはまさに「泥臭い勝利」となった。

昨日サッカーを観ていた人達は皆同じ事を思っただろうが、まずは「アメリカつえええええ!!!」であろう。本当に「大人と子供がサッカーしてるのか?」と思うほどの、露骨なまでの実力差をまざまざと見た。

試合開始直後から前半まで、全く日本のサッカーが形になっていなかった。幸運が味方した格好でスコアレスドローで前半を終えたが、一歩間違えれば2−0、いや、3−0という結果も有り得た。しかし、何とかそこを0−0で乗り切ったのだ。

後半に入ってからのアメリカの先制ゴールは実に見事だった。カウンター一閃、走り込んだフォワードの選手(名前失念)が、鋭くゴール隅にボールを蹴り込んだ。

「ああ…こりゃすげえわ…」

私は深夜3時に近所のライブカフェ「BIT」に赴き、マスターK氏や若手のBちゃんMちゃんらと観戦していたのだが、皆一様に「これは仕方ねえなあ…」と溜息をついた。

その直後である。私達が狂った猿のようにウキョー!ムキョー!と大騒ぎしたのは。

そうである。宮間選手の泥臭い、しかしアウトサイドによるテクニカルな同点ゴールが生まれたのだ。

「諦めたら…そこで試合終了ですよ…?」

日本が世界に誇る名監督、安西監督の有り難いお言葉である。

日本代表の面々は決して諦めなかった。「こいつら(アメリカ)は強い!でも負けない!絶対に勝つ!」そういう強い気持ちが途切れる事はなかった。

むしろ諦めていたのは我々観客だけだ。延長前半に、「女子サッカーアメリカ代表最強の男」ことワンバック選手の男らしさに満ち溢れたヘディングゴールが生まれた時、「こんなに男臭いサッカー選手は、ワンバックの他には日向小次郎しか知らない」と思うと同時に、「ああ…流石にもうダメかも…」と思ったのは事実だ。BITのマスターK氏に到っては、「前半10分でもう諦め気味だった」との事。私もマスターも寝言は寝て言わなければならない。諦めたらそこで試合終了なのだ。

そしてその後に再びやって来たST(猿タイム)。「今、日本で最も輝いているドブス様」でお馴染みの澤神(SAWAしん)による同点ゴール。

ギヤアアアア!ウギヤアアアア!ムキョオー!!ウホウホー!!

我々は完全に猿になった。

「澤はやっぱ神やで!ホンマ神やで!」と歓喜に酔いしれた。

その後の展開は諸兄もご存知の通り。実にドラマチックなPK戦を経て、日本代表が世界一の座に輝いた。

今回の決勝戦、MVPは誰か。なかなかに難しい所であるが、私はある男を推したい。何故か広島カープのユニフォーム(背番号1)を着用し、猿のように日本代表を応援していた小岩在住のピアニストであるF氏を。

彼の「赤さ」が日本代表に伝わり、そしてそれが「熱さ」になったのは明らかである。

え?何だって?「オマエ東京湾に沈めるぞコラ」?

いやだ。オラ寒いのはいやだ。

ともかく、おめでとう、日本代表!

そして今日も頑張れ、広島カープ!

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