禁サボり
ジャズ界でしばしば囁かれる幾つかの「ねばならない」がある。
曰く、
「ジャズは破天荒でなければならない」
「ジャズはその場の雰囲気でやらねばならない」
「ジャズを演奏する為に様々な人生経験(大体はネガティブな意味での)をしなくてはならない」等々。
こういった幾つかのテーゼに対して、「確かにそういう部分もある」と思う一方で、「でもそうじゃない部分もいっぱいあるけどな」とひねくれて思ってしまう自分がいる。
例えば「ジャズはアドリブで出たとこ一発勝負!」なんて言われると、「ああ、じゃあオレは全然ジャズじゃねえし、ジャズじゃなくて良いわ」となってしまう。
例えば本番(ライブ)に向けて。あらかじめやる曲が決まっているのであれば、私などはその譜面を本番までにじっくり読み込みたいタイプだ。完全に、とは言わないまでも、大部分においては「覚えて」しまいたい。そこまで覚えてしまえば、いざ本番で幾つかの変更点があっても柔軟に対応出来る。大袈裟な言い方をすれば、そうする事で私はより一層「自由になれる」のだ。
幾人かの「自由」に見えるジャズの演奏者達は、概ね皆、不自由な練習の蓄積として「自由」に振る舞っている、というのが私の見解だ。
だからいつも私は思っている。
ジャズはサボってはならない、と。
それでもちょこちょこサボってしまうのだけれど。
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