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2011年6月

2011年6月30日 (木)

親指ピアノ奏者サカキマンゴー氏を観る

昨日の日記にも少し書いたが、昨日は渋谷へサカキマンゴー氏という方のライブへ行った。

変態旅行作家の石田ゆうすけが誘ってくれたので、じゃあ行こう行こうとなって、かみさんも連れて三人で見に行った。石田のゆうちゃんはサカキ氏と以前一緒にトークライブをやった事があるらしく、知り合いらしいのだ。

サカキマンゴー氏は、「親指ピアノ」というアフリカ発祥の楽器奏者。何でもその道では有名な、日本の第一人者であるらしく、私もかなり期待に股間、ではなかった、胸を膨らませて渋谷へ向かった。

アフリカ音楽特有の反復されるリズムとフレーズ。それは最初から彼の親指によって繰り返し奏でられた。「ああ、これこれ。良いなあ」と思いながら私は聴いていた。

しかし、自分の理解力不足を棚に上げて言ってしまうと、次第に、私は少々退屈していた。原因は何なのかはわからない。曲調が少々ポップ過ぎたのだろうか。それとも親指ピアノに施されたエフェクト(電子効果)があまり好きではなかったのだろうか。とにかく私は少しばかり退屈していたのだ。

「うーん、ちょっと期待が大き過ぎたんだろうか」などと思いながら迎えた後半のステージ。私は頭をカチ割られた思いだった。

サカキ氏が後半戦のメインに持って来たのは、アフリカのトラディショナル音楽。タンザニアのラブソングだとか、ジンバブエの「他力本願な歌」(笑)だとか。

これが驚く程すっと私の中に入って来た。前述したようなエフェクトも、逆にそれは「なくてはならないもの」のように感じられた。

反復するリズムに乗せてサカキ氏の力強い歌声が響く度に、私の背筋に電流が走った。「お…おおっ…!」と感嘆の声を何回も漏らしてしまった。

澱み無く反復されるリズムとフレーズは、私達聴き手を単純に「気持ち良く」させる。見事と言うよりほかなかった。

親指ピアノも素晴らしかったし、歌声も素晴らしかった。本当に「良い音楽」を聴いたな、と、帰り道、私とかみさんと石田ゆうすけは三人でウホウホ言っていた。ウホッ。

帰りにちらっと寄った居酒屋で食べた鮎の塩焼きが訳がわからないほどに美味かったので、またそこで我々はウホウホムキョー!と叫んでいたのだが、その事については「ゆうすけブログ」に書いてあったので、カブるから書かない。

いや、良いライブでした。

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2011年7月スケジュール

七月の演奏スケジュールです。

ライブあり、セッションあり、ワークショップありです。

・7月4日(月) 東京上野 アリエス
tel 03-3831-0523
harmonica:皆川和義 piano:福島剛 guest vocal:大塚美香
ハーモニカの澄み切った音色で、ジャズのスタンダードナンバーを中心にお届けいたします。他には数曲のゲストボーカルや、ピアニスト福島のオリジナル曲など、盛りだくさんの内容です。
19:20~start music charge:2000円
・7月8日(金) 東京高円寺 After Hours
tel 03-3330-1556
vibraphone:楠原木曜 piano:福島剛 guest vocal(予定)
3月に起こりました東日本大震災からの復興に少しでも力になりたい、と、鉄琴奏者の楠原木曜がチャリティライブを企画しました。チャージは全額義援金に充てさせて頂きます。
20:00~start music charge:1000円
・7月20日(水) 東京小岩 COCHI
tel 03-3671-1288
<Jam Session>
piano:福島剛 bass:日下部史貴 drums:松永博行 (以上ホストメンバー)
お客さん参加型のジャムセッションです。ホストメンバーは、いつもおなじみの日下部氏と松永氏。ピアニストは毎回変わるのですが、今回は久しぶりにぼくが。楽器奏者は勿論、ボーカルも参加大歓迎です。人前で演奏する喜びや難しさをたっぷり堪能しましょう。
19:30~start music charge:1800円
・7月23日(土) 東京西荻窪 Studio UEN
tel 03-5382-3631
<ミュージックワークショップ東京 vol.13 >
Facilitater:吉野弘志
セッション形式で演奏を行った後に、参加者全員(演奏者だけでなく)でその演奏における更なる可能性を模索し、議論し合う場、それが「ミュージックワークショップ」です。Facilitater(進行役、引き出し役)にはコントラバス奏者の吉野弘志氏。氏の潤沢な経験・知識・技術が、参加者を未知のステップへ連れて行ってくれます。
14:00~start 参加費:2000円(見学のみは1000円)
※参加希望者は以下までご連絡を

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2011年6月29日 (水)

休日満喫

久しぶりに完全にオフ。

午前中に図書館に行って落語のCDを借りて、帰りにゲーセンに寄って少しだけ野球ゲームをする。家に帰ったら、昨日下書きした譜面の清書をしてから、たまっていた譜面の整理。それから一時間ばかりネット対戦の将棋ゲーム。

まさに休日を満喫している。

今からライブを聴きに行く。今日はサカキマンゴーさんというカリンバ奏者のライブに。すごく楽しみ。

たまには許してもらいたい。

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2011年6月28日 (火)

考えない

日中レッスン。

夜のレッスンまで時間があったので、昼は練習。今日は速いテンポでのタイムキープと、ドロップ2というテクニックの練習、それからコピー。

いつも練習に対して思う事は、「掛け算九九のように練習をする」という事。

どういう事かと言うと、簡単に言ってしまえば「考えている内はダメ」という事。

例えば方程式なんかの計算問題を解く時、私達は小学生の時に「いんいちがいち、いんにがに…」と呪文のように覚えた掛け算九九を用いる。

その際6×7=42というものに対して、理屈の上では「6が7つあるので順々に足していったら42」という理屈があるにも関わらず、その辺りの過程はすっ飛ばして、「ろくしちしじゅうに」とパッと先に答えを導く。つまり、「覚えている」のだ。

この状態まで来なければ、「知識」とは呼べないと私は思っている。つまり「すっと出て来る状態」にまで反復によって身体に叩き込んでいく事で、初めて知識が実用的な武器になるのだ、と。

将棋の定跡にしてもそうだ。一々理屈を考えている内は、それはまだ「実用的な武器」ではないのだ。

勘違いしてほしくないのは、「理屈を理解する」事は決して飛ばしてはならない、という事だ。何故そうなっているのかを理屈として理解するのは大切な事だ。しかし、それらを「考える」レベルから、「反射的に出る」レベルまで高めていく事は必須なのだ。

そんな事を考えながら、今日も練習をしていた。

まだまだ、考えている事が多い。

もっと自由になる為に、何度も反復が必要だ。

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2011年6月27日 (月)

暇潰しに最適!過去ログ集

ドン引きされる事を承知の上で正直に白状するが、私は自分で書いた文章が大好きである。

当たり前と言えば当たり前の話なのだが、例えばこのブログにしても、基本的には自分が「面白い」と思った事について書く事が殆どだ。

そしてもう一つ、書く際にはなるべく読者の存在を意識して書くようにしている。「読んだ人が面白いと思ってくれれば良いなあ」と。そうやって考える際の「仮想読者」というのは、実は自分なのだ。自分が仮に読者としてこの文章を読んだ時に「面白い」と思えるように書こう、と、そんな事を意識しているので、私自身が自分の文章を読んで「面白い」と思うのは、至極当然な流れなのだ。

無論、「素人が書いたこんな自慰臭い文章、ちっとも面白くない」と思われる方がいるのもわかる。そういう人は「見なければ良い」だけの話である。おらおら、今すぐモニター左上部にある「戻る」ボタンをクリックだ。

いや、あまりそんな傲慢な話をしていてはいけない。

実はここの所、このブログのアクセス数が急増している。原因はわかっている。友人石田ゆうすけが、自身のブログの中で私のブログを紹介してくれたからだ。彼はたまにこういう事をしてくれるのだが、そうすると、日本の中だけで五京(けい。兆の上)人いると言われるゆうすけファンの内の何人かが、そのリンクという道筋を辿って私のブログへと辿り着くのだ。ほんの数日の間だけとは言え、普段の約3~4倍になったアクセス数、その解析を見ながら、「ゆうちゃん…悪いのう…ぐへへ…」と呟くのはまさに至福のひと時である。ちなみに私はこのアクセス急増現象の事を「黒船襲来」と呼んでいる。意味は特に無い。

そんな、何かの間違いでこんな場末のブログに辿り着いてしまった方の為に、そしてこれまで我慢強くこのうんこブログを読み続けて下さっている方々の為に、今日は、これまでに書いた文章の中で、「我ながらコレは面白かった」と思ういくつかの文章を紹介したい。

くだらないものが多いのですが、笑っていただければ幸いです。

<過去ログ集>
・オレも昔はナイフみたいに尖ってて
・「花の慶次」風に将棋を語る日記
・写真集「えんこの小山」
・AKB48
・憧れの部活動
・着飾らなくても良いんだぜ
・カレーの作り方、そして叫び方
・今日の出来事を村上春樹風に書いてみる
・私のブログ論
・「年齢×1000円」という嘘

とりあえず2010年以降のものから。またやるかもしれません、この過去ログ集。

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2011年6月26日 (日)

ひゅーひゅーだよ!

持病が幾つかある。

一番酷いのは「バカ」という病気で、どうやら不治の病らしく、私は一生この病と付き合っていかなくてはならないらしい。

それともう一つ、喘息というのがあって、季節の変わり目なんかに発作が現れて、気管支がひゅーひゅーいって咳が出る。

昨日の晩から喘息発作発動。

ひゅーひゅーだよ!

ひゅーひゅーだよ!

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2011年6月25日 (土)

将棋第69期名人戦(こぼれ話編)

さて、将棋観戦記のこぼれ話編。

実はとんでもなく嬉しかったアクシデントが幾つかあったので、それをちょっと書いてみたい。

今回の将棋観戦、かみさんと二人で行った。私もかみさんも甲府自体はこれまでにそれぞれ行った経験はあったが、二人で一緒に行くのは初めての事であった。

甲府と言えば、最近では「B級グルメ選手権」なるもので、甲府の郷土料理である「鳥もつ煮」が賞をとった、という事は私もかみさんも知っていた。「時間的な余裕があれば、せめて鳥もつ煮ぐらいは食って帰ろう」、私とかみさんはそんな算段を立てていた。

結論から言えば、鳥もつ煮は食べずに帰って来た。というよりも、何も食わずに、ただひたすら会場であった「常磐ホテル」で将棋を見続けて、完全に「それのみ」で東京に帰って来た。正午過ぎに甲府駅に着くやタクシーで「常磐ホテル」に直行、帰りも対局が終わるや否やバタバタと東京に向かうという、まさに「Nothing but the 将棋」な日帰り旅行であったのだ。

常磐ホテルに私達が到着したのは、確か午後1時を少し回った頃であったと思う。後にしたのが夜の9時半過ぎだから、約8時間以上をその会場で過ごしていた。

そこで起こった不思議な話を幾つか。

将棋の対局自体が、一時間や二時間を超える「大長考」が度々起こりうる事もあり、会場の大盤解説も休み休みで行われていた。大体、30分やって10分休み、みたいなリズムで進んでいたかと思う。

その休み時間の間、私達夫婦も外に缶コーヒーを飲み行ったり(←ホテルの喫茶店は貧乏なので行けない)、ホテルロビー内を探検したりと、金をかけずに楽しみながら時間を潰していた。

会場では、プロ棋士達の直筆の色紙が一枚3000円で売られていた。その売上は全て東日本大震災への寄付金に充てられるという。将棋連盟のチャリティの一環だ。私達は貧乏な為、その色紙を購入する事こそ能わなかったが、興味深くその様々な色紙達を眺めていた。

毛筆で書かれた色紙達。達筆なものもあれば、そうでないものもあった。詰め将棋が書いてある色紙もあったが、私が一番笑ったのは、物凄く気の抜けた字で「気合」と書かれた色紙だった。わざと狙って書いたのだろうか。

そんなものを夫婦で眺めていると、後ろから初老の男性の声が聞こえた。

「米長会長の色紙はあるかね」

米長会長とは、言わずと知れた現在の日本将棋連盟の会長、米長邦雄永世棋聖の事である。

「あ、会長の色紙は昨日売り切れました」と係の者が答える。しかし彼の顔には何故か「参ったなあ」といったニュアンスの苦笑いが浮かんでいた。

そんな事を聞くのは誰だ?と思いながら私が後ろを振り返ると…

ぎゃあ!米長会長!

本人ではないか!私は思わずのけ反った。漫画の表現で言うならば、目玉がバネのようなもので飛び出している状態である。

あわわ…あわわ…と私が狼狽している所にかみさんが声を潜めて聞いてきた。「まさか、本人…?」と。

か、か、か、会長…と私がまだテンパっていると、何と会長が私達に話し掛けて来てくれた。

「あなたがたは、何処から来たの?」と。

「と、と、と、東京ですっ!」と答える私。会長は更に私のかみさんに質問を重ねた。流石は女好きである。男よりも女に話し掛けるのは極めて自然な流れだ。

「何?あなたも将棋好きなの?」と。

「あ、夫が好きで…」

「じゃあ、あなたは今日は付き添いで来てやってるんだ。ありがとうねえ」と会長。

おいっ!大山名人や中原名人らと共に将棋の一時代を築き上げたカリスマ棋士だぞ!何でそんな凄い人と私達は喋ってるんだ!と私は舞い上がった。かみさんも徐々にその凄さがわかってきたらしく、次第に頬も紅潮する。

そう、一つ目の嬉しいアクシデントは、この「米長会長との一瞬の会話」であった。

その後の大盤解説における会長の解説は、大爆笑の連続。下手なお笑い芸人などよりよっぽど面白い。流石は米長会長であった。

もう一つの嬉しいアクシデント。これについては「嬉しいアクシデント」などという言葉で説明するのも憚られる。それはまさに僥倖であった。僥倖。「ぎょうこう」と読む。かつて小泉今日子の親衛隊がキョン2に向けていた叫び声と同じである。「ギョウコウー!」

いや、実にとんでもない事が起きたのだ。それは森内新名人が、絶妙な奇手を放ってから暫くしての事であった。

息詰まる本局の攻防。私は一旦席を立って喫煙所へと向かった。一服して心を落ち着けたかったのである。

私はそこで、思いもかけない、私のアイドルに遭遇した。

その人の事はここでは「M氏」と書いておきたい。彼はミュージシャンである。彼もまたプライベートで来ていたのだから、実名を晒すのは彼に失礼やも知れぬ。

少しだけ彼について説明(ヒント?)を言えば、とあるロックバンドのボーカリストである。喋る時にはご自身の長髪を掻き乱しながら喋り、話は何一つ要約されていないにも関わらず「要するに」という言葉を多用する。東京は北区赤羽が生んだ、日本が世界に誇るロックミュージシャンである。

翻って自らを鑑みるに、私はジャズミュージシャンにのみならず、日本のロックミュージシャンにもこれまでに強い影響を受けて来ている。最も強い影響を受けたのは、中島みゆき氏と甲本ヒロト氏、そして眼前にいたみやも…ではなかった、M氏である。

辛い時や悲しい時、そして悔しくて泣き出しそうな時。私は彼の歌に励まされて来た。今でも彼の歌をしょっちゅう聞く。輝く太陽は俺のもので、煌めく月はそうお前のものだ。

そんな彼に、奇しくも名人戦の会場で、遭遇した。

タバコを吸っている私の元に、細身で小柄なカッコ良すぎる男が近付いてきた。「ああ、なんだかみやじ…いや、M氏に似ているなあ…」と私は思った。ふと思い出したのは、私のwikipedia調べによるとM氏は大の将棋ファンで、特に加藤一二三氏とその日の挑戦者森内俊之氏のファンであるそうだ。

確かにまかり間違えてみやもとひろ…ではなかった、M氏がいてもおかしくはない。でもいる筈などないものなあ、と私は思っていたのだが。

近付いて来て、私の傍らでタバコに火を点けた彼を見てはっきりと確信した。「本物だ…っ!」と。

伊達に15年近くもEレファントカシマシ(M氏の所属するバンド)のファンをやっている訳ではない。私にはわかった。「本物のミヤジ先生…ではなかった、M氏だ!」と。もうややこしいから、以下M氏の事は「先生」と表記する。

喫煙所で私と先生が二人。先生は、驚いて口をあんぐりと開けて酸欠状態の魚のように口をぱくぱくとさせる私に気付き、私に向かって軽く会釈をして下さった。

「み、み、み、みみみみみみやももももとさんですよね?」と声を掛ける私。それに「ええ」と頷いて答えて下さる先生。

私は何を言えば良いのだろう、と思ったが、口をついて出た言葉は、「ずっと…ずっとずっとファンでした!」という捻りも何もないダサダサな一言。いや、ホント言っとくけどな、憧れの人に突然何の準備もナシに会ったらそんな気の利いた事は言えねえぜ?かなりテンパるぜ?

「あー、ありがとうございますー」と答えて下さる先生。すっと右手を差し出して下さった。ぎゃあ!握手だー!

私は手汗をかきまくりつつ、その手汗をズボンで拭って、握手をして頂いた。先生の手は、小さく、華奢だった。

その後はあまり覚えていない。最近、やはりエレファントKシマシのファンである友人(石田ゆうすけ)が仙台のライブに行っていた事や、私は悲しい時には先生の歌を口ずさんだりする事、また私も音楽をやっている事などを先生に話したと思う。とにかくテンパっていた。

ファンに対して無駄な愛想を振り撒かない事で有名な先生である。冷たくあしらわれても仕方がない、とは思っていたが、先生は「いやあ、ありがとうございます」とカッコ良すぎる笑顔で優しく答えてくれた。もしも私が女だったら、「濡れていた」というレベルではない。水の都ヴェネツィアになっていた筈だ。

先生はとにかく優しくて良い人だった。そして、死ぬほどカッコ良かった。あんなカッコ良い男はおらんで、ホンマ。

先生は髪の毛をクシャクシャとしながら、「いやー、ぼくは今来たばっかりなんですけど。どうなってますか、形勢は?」と将棋の話を聞いて下さった。「いいいい今は…もももも森内さんが優勢ですがががが、まままままだわからないですっ!」と答える私。そりゃどもるわ。だから緊張してたんだって。

正味5分ぐらいだろうか、喫煙所での会話は終わった。完全に夢見心地だった。

先に会場に戻ったのは私だったが、先生は私の所から数列後ろに座っていらっしゃった。

不思議だったのは会場の将棋ファン達は皆、先生に気付いていない事だった。私など「もっと力強い生活をこの手に」とずっと呟いていたのに。そして先生もまた、完全に場に溶け込んでいた。私は当然プチストーカーよろしくちらちらと先生の方を見ていた訳だが、一手ごとに「おおー」と感心したり「ん?何だこれは?」と眉をしかめる先生の表情は、完全に「一将棋ファン」のそれだった。それがまた、素敵過ぎた。

夜9時半過ぎに、ついに羽生名人が投了。割れんばかりの拍手の後、私が後ろ、先生のいた辺りを見ると、既に先生の姿は無かった。私は、全て夢だったのだろうか、と思った。

そんなこんなで、私は先日は米長会長とM先生と喋った。

嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。

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2011年6月24日 (金)

一回休み

朝からしょうもない事で機嫌が悪かった。

仕事(レッスン)をしていたら、それも随分落ち着いた。

機嫌がどうこうとかは言っていられないから。こちらも真剣にやらないと生徒に失礼だし。

そんなこんなで今日は「一回休み」。

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2011年6月23日 (木)

将棋第69期名人戦(本局編)

山梨は甲府まで、かみさんと二人で将棋第69期名人戦の大盤解説を観に行った。日帰りの山梨行程。遠いようでなかなかに行けてしまうものである。

どうしても現地に観に行きたかった。同い年、同級生であり、小学生の頃からずっと凌ぎを削り合って来た好敵手同士、そして現代将棋の最高峰である二人、森内俊之氏と羽生善治氏の対決、それも最終局である。数ヶ月に渡って繰り広げられた大熱戦の、一番のクライマックスなのである。観に行かずにいられようか(いや、いない)、と反語を呟いて、早起きして甲府行きの電車に飛び乗った。

結果は既にご存知の方も多いかも知れないが、非常に激しく、そして極めて難解な勝負の末、森内九段が勝利。名人位に返り咲いた。

素晴らしい名勝負であった。振り駒(一種の抽選のようなもの)によって、先手が森内九段(現名人)、そして後手が羽生(前)名人と決まった。

先に仕掛けたのは羽生名人。森内九段に対して「攻めて来いよ」と誘ったのだ。

森内九段がそれに応えた。中々に珍しい事である。元来、森内九段の棋風は、激しいものではない。彼自身はこの呼び方をあまり良くは思っていないそうだが、彼の棋風はしばしば「鉄板流」などと呼ばれる。その呼び名の通り、彼の棋風というのは「重厚な受け」が売りである。幾重にも重ねられた守りで相手の攻めを受け、間隙をついて相手の玉を一瞬にして陥れる、そんな棋風であるのだ。

しかし昨日の森内九段は違った。序盤において、二騎の桂馬が4五の地点と6五の地点まで上がる、という激しい攻めを見せてくれた。過激な言葉を使えば、「トシユキィ!来いよオラァ!」という羽生名人の挑発に「潰してやんよ!ヨシハルゥ!」と応えたという格好か。実際に彼らが喋っていたとすれば、「まー、森内さんに一度攻めてきてもらいたかったんですね、ええ、えー」と羽生名人が言って「あっ、ちょっと指し過ぎかなとも思ったんですけど、指したかったんで指しました」ぐらいのものだろうが。

森内九段が攻めて、羽生名人が受ける、という状況が続いた。森内九段の攻めは、いつにも増して激しかった。

象徴的だったのは、初日最後の封じ手である。森内九段の棋風を考えると、「8二歩打」というのが本線と考えられていた。手堅い攻めである。しかし森内九段が選択したのは、「5三桂左成」という流れに沿った素直な攻め。私はその一手に「あっ、今日はとことんまで行こうかなと思いまして」というような森内九段の覚悟を感じたような気がした。

細い攻めを森内九段が繋げる中で、検討室や大盤解説上でも全く考えられていなかった妙手が森内九段から飛び出した。5五角、という一手である。

この一手以降、先手(森内九段)優勢で勝負は展開した。

しかし、流石はこれまで幾多の将棋の歴史を塗り替えてきた天才、羽生名人である。そこから驚異的な粘りを見せて、一時期は「後手優勢」という声が上がる所まで勝負の流れは二転三転した。

「羽生でなければこんなに白熱した将棋にはならなかった」とは、現将棋連盟会長の米長邦雄氏の言葉である。

時刻が午後八時を回り始めた頃、いよいよ先手優勢の流れは確固たるものになり始めた。観客も検討室も、もはや「どこで羽生名人の頭が下がるか」という事が気になり始めた頃だ。

羽生名人は、それでも指した。「負けました」の一言、喉の奥から出かかったその一言を飲み込んで、「どこかに勝機はないか、活路はないか」と、懸命の一手を指し続けた。私は盤上から彼の打つ駒の音が聞こえる度に、背筋に何度も電流が走った。「みっともなくても何でも良い、とにかく負けたくない」という彼の心の叫びが聞こえてきたような気がした。有り体に言えば、感動していた。

ついに彼の玉が何処にも生きる道が無くなったその時、羽生名人の腰が折れた。

「負けました」

その一言が、彼の口から発せられた。

現地会場は大きなどよめきと、そして割れんばかりの拍手に包まれた。私も深く、感動していた。

羽生さんと森内さん、どちらを応援してという話とは別次元に、まるで命の削り合いのような渾身の将棋を見せてくれた二人を、ただただ讃えたかった。

素晴らしい、名人戦最終局に相応しい将棋であった。

森内新名人には心から「おめでとう」と言いたい。そして羽生前名人にも、「素晴らしい将棋をありがとう、次に期待しています」と言いたい。

心に残る、名勝負だった。

(「こぼれ話編」に続く)

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2011年6月22日 (水)

デキる大人

昨晩、空砲だと思い込みながらぶっ放したブツに、一発だけ実弾が装填されていた、という過ちを起こしてしまった。

わかりづらかった方の為に解説すると、荒々しい海の男よろしく「屁がでるぞぉー!屁がでるぞぉー!!」と男気に満ち溢れながら放った屁に、糞が少し混じった、というアレだ。誰しもが経験のあるアレである。

ここで凡人ならば、かみさん等にその失態をなじられた後に、唇を噛み締めながら風呂場でパンツをじゃばじゃば手洗い、というのが定跡だが、私ほどの達人となればそんな轍は踏まない。

ケツ、専門用語で言えばアナル周辺に「にゅるり」という違和感を覚えたその刹那、全ての神経を肛門括約筋に集中。鍛え抜かれたアスリートの筋肉のようにその筋肉を収縮させ、漏れかかったブツ(実弾)をアナル周辺にステイキープさせるという技を用い、衣服等には一切ブツを付着させないのである。

その状態を保ったまま、そろりそろりとトイレへ直行。文明の利器「ペイパー」を用いてスマートにケツ周りを拭けば、まさに何事もなかったかのようになる。

「デキる大人」とはかくの如しである。私も成長したものだ。

今日は山梨の甲府へ来た。

将棋を観に!

テンション上がりまくり!

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2011年6月21日 (火)

行っちゃう…?

ついに、戦いの幕が上がった。

森内俊之九段と羽生善治名人による第69期名人戦第七局、最終局である。

森内九段の三連勝によっていきなり羽生名人が角番を背負う、という予想外の展開から、羽生名人の怒涛の三連勝の巻き返し。イーブンで迎えた最終局は、まさに「これで決着」という正念場なのだ。

第六局まで、実に見事な勝負の連続だった。第三局に関しては、後手側の羽生名人のゴキゲン中飛車が簡単に攻略され、若干森内九段のワンサイドゲームになった感はあったが、それ以外の局は、投了までどちらに勝負が転ぶかわからない、見事な名勝負の連続であった。

最終局が行われているのは、山梨県は甲府の「常磐ホテル」。東京からならば、最安で片道2000円、約三時間で行けてしまう。

二日勝負で、本日21日が初日。雌雄を決する二日目が明日である。

ちなみに私は明日は奇しくも仕事が休みである。

甲府…

行っちゃう…?

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2011年6月20日 (月)

「おくりびと」

映画「おくりびと」をDVDにて観る。

数年前に公開された映画だが、その時には観る機会に恵まれなかった。ちょっと気になっている、ぐらいの映画だと、タイミングが合わないと中々観に行けない。すごく注目している映画ならスケジュール調整をして無理矢理にでも観に行くのだけれど。ちなみに今封切りを楽しみにしている映画は、若松孝二監督の三島由紀夫に関する映画だ。これは絶対に観に行きたい。

ただ、その映画、「おくりびと」の評判は、当時あちらこちらから耳に入っていた。曰く、「とても良い映画だ」と。そういう評判を耳にしていた数年後の昨日、実際に観終わった感想は、綺麗にそこに一致した。実に良い映画だった。

まず驚いたのは、主役小林を演じていた「モックン」こと本木雅弘氏の演技だ。一言で言ってしまえば、私は彼の事を見くびっていた。あんなにも素晴らしい役者だとは知らなかった。

本木氏演じる主役小林には、あまり饒舌な台詞は割り振られていなかった。つまり、決して台詞の多い役どころではなかったのだ。

本木氏は所作と、表情と、そういった「台詞を伴わない演技」によって、必要十分な情報を我々観客に伝える事に成功していた。

それが最も効果的に際立ったのが、ラストシーンである。まだ「おくりびと」を観ていない方々の為に詳細は避けるが、この物語においては重要な小道具として「石」が用いられる。その「石」がある所からこぼれ落ちるシーンで、本木氏の演技は冴えに冴え渡った。素晴らしい演技で、無駄な「説明」を根こそぎ省略する事に成功していた。私はそれを観ながら、「もし他の役者が主役を演じていて、このシーンが説明臭くなっていたら最悪だな」と思った。それは本木氏の素晴らしい演技の産物でもあったのだ。

また脇を固めていた所で言えば、山崎努氏と笹野高志氏が素晴らしかった。特に物語序盤においては、主役は山崎氏演じる納棺士なのではないか、と思うほどの圧倒的存在感であった。笹野氏演じる中年男性も、物語の終盤に良いアクセントを利かせていた。

私は個人的には、ラストシーンで本木氏が見せた涙、表情をほぼ変える事ないままに頬を伝い鼻を伝う「静かな涙」に背筋が震えた。いかん、今思い出しても泣きそうだ。

生と死とは。そして家族とは。そんな事を、納棺士という一風変わった職業のフィルターを通しながら、正面から静かに描いていく。実に素晴らしい映画だった。

そして、心に残る映画だった。

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2011年6月19日 (日)

素麺を小鍋で茹でてはいけない

昨日のライブは超満員。お越し頂いたお客様、並びにお店の方々、共演者の面々に感謝。

肝心の演奏は、久しぶりに「どアホ」になりました。ええ。お察し下さい。まあ、楽しかったですよ、すごく…

さて、書きたい事が幾つかある。どれから書こうか。

ライブ後、近所の中華料理屋「美中味」で打ち上げをした。どれだけ呑んだかは覚えていないが、知らない間に我が家へワープして、布団で寝ていた。どうやって寝たのかも覚えていない。おそらくは「眠くなって寝た」。それ以上の情報は私は何も聞きたくない。呑んだ上での痛い発言?あーあーあー聞こえない。私は私しか信じない。

昨日の共演者の二人、サックス黒田とベース鶴賀は関西から来ていたので、我が家に泊まっていった。ついでにたまたま名古屋から遊びに来ていた昔のバンド仲間の古賀も、我が家に泊まっていった。我が家に三人もの人間が泊まるのは実に久しぶりの話である。

そうだ、一つだけ思い出した。我が家に辿り着いた時、我が家がいつもからは有り得ないぐらいに片付いていた。かみさんが片付けたのだ。

ほぼ全員が二日酔い、という状況で迎えた今朝、来客の一人古賀が、奇妙な音を聞いて目を覚ました。ガリガリ…ゴリゴリ…という音である。

鶴が機(はた)でも織っているのか?と見た所、それは鰹節を削る音だった事がすぐにわかったという。そう、私のかみさんが、皆よりも早起きをして鰹節を削っていたのだ。

かみさんにはかみさんなりの気遣いがあったのだろう。どうやら温かい素麺、つまり「にゅうめん」を客人に振る舞おうというつもりだったようだ。

削りたての鰹節と煮干で出汁を取り、丁寧に切り揃えた薬味を別皿に用意する。その所作に澱みはない。完璧だったのだ。そこまでは完全に…

私が二日酔いの頭で「おぉぉぉ…お茶をのまねえと…」と台所へ行った時に、私は驚愕の情景を目にした。

「ちょ…な、奈美子…オマエ何やってんだ…」

私が目にしたのは、極小の鍋に少量のお湯で五人分の素麺を茹でるかみさんの姿である。

賢明な方、というよりも多少なりとも料理をされる方ならば容易に想像はつくと思うが、極小の鍋に少量のお湯で素麺は「茹でられない」(can not)。仮に茹でた場合には、素麺は麺同士が引っ付き合い、べちゃっとしたうどんのような塩梅になる。物事を二元論で語るのは甚だ遺憾だが、「ウマイ」か「マズイ」かで言えば、掛け値無しにマズイ。芸術的なマズさである。

当然、かみさんが極小鍋で茹でていた素麺も、ウルトラヘブンな状態になっていた。

「オマエ…そんな事したら…その素麺食えねえじゃんか…」

ついつい出てしまった私の心の叫びである。かみさんは返す刀で一言。

「大丈夫大丈夫、何とかなる」

私はこの時点で断言出来た。「何ともならねえ」と。

予想通り、かみさんが客人に出した素麺は、アナザーディメンション(異次元)な食べ物になっており、ウマイかマズイかで言えば、圧倒的に、そして比類なきほどに、マズかった。

「奈美子っ!マズイっ!」

私が情熱的なシャウトをカマすと、横から鶴賀がフォローにならないフォローを入れた。「いや、出汁はウマイっすよ、出汁は」。

鶴賀、もう許してやってほしい。かみさんのHPはもうゼロに近いのだ。優しい言葉が時にナイフよりも鋭く残酷であるという事を、お前ももうじき知る事だろう。

黒田古賀両名は、ひたすら無言にその「異次元にゅうめん」を啜り、完食した。

そう、男には言葉などいらぬ時がある。ただ、無言で、背中で語る。そんな事が必要な時もあるのだ。

この場を借りて言いたいのだが、私の妻は、取り立てて料理が出来ない訳ではない。ただ、数十回に一度、芸術的にマズイ料理を作る事があるのだ。かつてシメ鯖を酢で〆る前に、塩ではなく砂糖で〆た事もあった。あれはマズかった。そしてたまたまやってきたその一回。それが今朝のにゅうめんだったのだ。黒田古賀鶴賀各氏においては、うちのかみさんの事を「料理の出来ない人」という目で見てやらないで頂きたい。たまたまそういう事もあるのだ。

ただ、教訓を得た。

素麺は、大きな鍋で、たくさんのお湯で茹でよう。

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2011年6月18日 (土)

当日

今日は何も書く余裕もない。

これから本番。

頑張ります!

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2011年6月17日 (金)

禁酒禁煙

普段から「ゲン」はあまり担がない方だ。

よく聞く「スポーツ選手が必ず靴下を左側から履く」みたいな話もとんと無縁だ。

大体の事はなるようになるよ、というのが強くて、と言うよりもあれこれと気にするのが面倒くさくて、殆どそういった事は気にしない。

朝のテレビの占いで「さそり座の今日の運勢は最高!(或いは最低!)」と言われても、良いことは起こる時には起こるし、嫌な事も起こる時には起こる。そんなものだろう、と思う。

そんな私だけれど、今日はどこかでタバコをなくした。二十本入りのタバコだったのだが、まだ15本ぐらいは入っていたと思う。これは何か不吉な予感のような気がした。

明日は本番(ライブ)だ。そんな日の前日にこんな事があると、「ひょっとしてこれは明日失敗する予兆か…っ!」とカイジ風に思う。鼻も俄かにとんがりはじめる。

いや、そんな事はないだろう。逆に前向きに捉えよう。

今日ちょっと嫌な事(タバコをなくす)があったのだから、明日はバランスとって良い事が起こるんだよ、という吉兆だと信じよう。

或いは、ちょっと昨日辺りから咽喉がいがいがして咳が出ていたから、タバコは一日控えてしっかり体調を整えなさい、という天の声だと信じよう。

という事で少し前から言って来ましたが、明日はライブです。

6月18日(土) 小岩 Back in time
03-3659-0351
http://www.bqrecords.net/backintime.htm
sax:黒田雅之 piano:福島剛 bass:鶴賀信高 drums:南たけし
19:00~open 20:00~start チャージ:2000円

皆様のご来場をお待ちしております。

予約は私まで直接か、もしくはお店まで。

今日は禁酒禁煙です。

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2011年6月16日 (木)

今日は打ち合わせ

昨晩、久しぶりにタクシーに乗ってしまった。ちょっとだけ罪悪感。ま、たまには甘えとこうかな。

今日は週末のライブの打ち合わせをドラムの南氏と。

そうそう、明後日はライブですよ。小岩Back in time で20:00から。予約がまだの方はお急ぎ下さい!

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2011年6月15日 (水)

電車内学習

電車内学習
本日は二週間に一度くらいの「ちょっと遠く」までの出張レッスン。

自動車の免許も自動車も持っていない私は当然電車で行く訳だが、最近は電車に長時間乗るのも殆ど苦痛ではない。(昔からそんなに苦痛じゃないけど)。そもそもあまり満員電車に乗る事も無い。私が電車に乗る時には、いつも大体電車は混んでいない。それに私にはとっておきのアイテムがある。

それが添付写真の「詰将棋本」だ。羽生名人の著作(監修?)だ。これがあれば一時間などあっという間だ。

ずっと五手詰めを解いてきたが、最近は七手詰めもスムーズに解けるようになってきた。本の後半に載っている「最善手はどれか」の問題集も大変ためになる。

しかし将棋というゲームは、私のように趣味でやる範囲内であれば、実に金のかからないゲームだ。本も一冊1000円ぐらいだったが、もうかれこれ三ヶ月は同じ本を繰り返し読んでいる。

そういえば私は子供の頃から、勉強というものは、得意ではなかったが、嫌いではなかったな。本を読んで→何かを覚えて→それを練習して定着させて、という一連の作業が好きみたい。ピアノも似てる所あるし。

という事で今から電車。必死に詰将棋の本を熟読している怪しい男、それが私です。

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2011年6月14日 (火)

ブルーズに恋して

レッスンで、Ray Charlesのレコードを用いて、彼独特の「リズムのタメ」について生徒と一緒に研究する。

これはひょっとしたら彼のどもるような喋り方にも関係があるんじゃないか、とかそんな事を。

やればやるほどブルーズは奥が深い。

ジャズとブルーズ。殊更に分けて考えるのは私は苦手だ。それぞれの音楽の成立過程において、その両者は似たような経緯を辿っている所もある。

アフリカから連れて来られた肌の黒い連中が、アメリカの大地でブルーズを歌っていた所を想像すると、色々と複雑な感情が私の中で生まれる。

そんな異国の音楽を、黄色い肌の私が(私たちが)なぞっている。

それ以上でもそれ以下でもない。

研究は続くし、練習も続く。

実に面白い。

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2011年6月13日 (月)

準備

準備をするのが好きだ。

釣りに行く時も、前日に仕掛けを準備したりしながら「明日はこうしてああして」なんて考えている時に、結構な幸福感を味わっている。

遠くに出かける時に、バックパックの中に荷物を詰め込むのも好きだ。勿論いつも綺麗には詰め込めなくて、適当にぽいぽいと放り込んでお終い、という形にはなってしまうのだけれど。

それで、準備という事で言えば、やはり一番好きなのはライブの準備だ。

まず曲目(演目)を考える。バンドの雰囲気に合うように、あとはお客さんが楽しめるように。

曲目が一通り挙がったら、今度はその譜面の準備だ。おおよそのアレンジがわかるように。コード進行の一つ一つの意味をもう一度検討し直しながら譜面を書く。

そんな風にして挙がってきた曲目たちを並べ替える。1stセットの一曲目はこの曲で、そうしたら流れとしては二曲目にこれかな、そんな事を考えながら。それは何だか物語を作るのに似ている。

後はもうひたすら練習。本番は一回しかないけれど、練習ではたくさん間違える事が出来るのだから、何度も何度も繰り返し同じ箇所を弾いたり。

そんな事を今日もやっていた。

今週末のライブに向けて、大方の方向を決めた。すごくわくわくしてくる。

6月18日(日) 小岩 Back in time
03-3659-0351
http://www.bqrecords.net/backintime.htm
sax:黒田雅之 piano:福島剛 bass:鶴賀信高 drums:南たけし
関西からサックスの黒ちゃんとベースの鶴賀を迎えて、こちら東京(っていうか江戸川区)からは「Wたけし」で。黒ちゃん鶴賀がこっちに来る理由は「ETCの高速1000円均一が終わるから」だそうです(笑)ずっと1000円にしといてくれれば良いのにねえ。
19:00~open 20:00~start チャージ:2000円

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2011年6月12日 (日)

記念日

今日はウチの親父の誕生日。昭和21年の生まれだから、今日で65歳か。

そんなんもあって、今日は我々夫婦で両親にメシでも奢ろうと思っている。考えてみれば、両親にメシなんかを奢るのは生まれて初めての事だ。

それともう一つ。

一年前の今日、かみさんと籍を入れた。

我々夫婦は、今日でまだ1歳。

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2011年6月11日 (土)

ライブ情報

近い日程でのライブ情報を載せておきます。

是非ご来場下さい。

6月18日(土) 小岩「Back in time」
sax:黒田雅之 piano:福島剛 bass:鶴賀信高 drums:南たけし
19:00オープン 20:00スタート チャージ2000円(予約した方が席の確保は確実です)

7月4日(月) 上野「アリエス」
harmonica:皆川和義 piano:福島剛 guestvocal:大塚美香
19:30スタート チャージ2000円

7月8日(金) 高円寺「アフターアワーズ」
vibraphone:楠原木曜 piano:福島剛
時間チャージ等詳細未定(多分20:00ぐらいから)

まずは来週のカルテットに全力投球。

頑張ります。

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2011年6月10日 (金)

脱独身生活

やっと束の間の独身生活が終わった。今朝早く、かみさんが家に帰ってきた。

家で一人、というのは本当にやる事が無くて、仕事なんかはそれなりに捗ったのだけれど、夜になると暇過ぎてひたすら酒を呑んでしまう。

独身生活初日は良かった。将棋の名人戦がやっていたから、それにかぶりつき。感動の名勝負。素晴らしい一局だった。はっきりわかった。九マス×九マスの盤面には宇宙がある。

翌日以降は暇でしょうがなかった。野球はテレビ中継してねえし。

かみさんが帰ってきてくれて、やっと生活が普通に戻った。

今日は既に昼の仕事が終わり。今から親戚の集まり。ウチの親戚はみんな小岩に住んでいるので、すぐ集まります。

はっきり言って、アホです。

ま、仲良いので何よりですけど。

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2011年6月 9日 (木)

チューンナップ

たまにこのブログの細かな設定を弄りたくなる時があって、何だか子供の頃にミニ四駆という車のおもちゃを改造していた時に感覚は近いのだけれど、今日、久しぶりにちょこっと改造してみた。

リンクを勝手に四件貼った。

いつも世話になっているライブハウスを四件。

上野のアリエスさん、小岩のCOCHIさんとBack in Timeさん、それから京都のざぶざぶさん。勿論全て無許可。多分怒られないと思う。

上に挙げた店のマスターたちには本当に頭が上がらない。駆け出しの頃から(今も駆け出しみたいなものだけれど)お世話になっていて、私のような音楽家を出演させてくれるのだから。

どこもとても良いお店です。機会があればホームページを覗いてみて、そして是非実際に足を運んでみて下さい。

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2011年6月 8日 (水)

四年ぶりの一人

四年ぶりの一人
かみさんが一人で東北へ被災地ボランティアに行ってしまったので、家で一人。

寂しいので、昼からイサキで刺身となめろうを自作。添付写真の通り。激ウマイが、やはり何となく寂しい。

思い返してみると、2007年の3月、27歳の時に大学を卒業してからこっち、「実家に帰って家族と暮らす→結婚して夫婦で暮らす」という事をしていたので、四年以上も一人で暮らしていなかった事になる。「家で一人で寝る」という状況がなかったのだ。

昨晩は久しぶりに一人で寝た。何だか想像するに陰鬱だったので、帰るまでにあちこちの店で一人呑みをして、前後不覚になってから倒れるように寝た。

明後日の朝までの我慢。その間にやる事もたくさんある。サボらないように。

今日はひたすら譜面書いてます。

後で呑みにいこっと。

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2011年6月 7日 (火)

第6局

羽生善治名人と森内俊之九段による第69期名人戦、第6局が本日よりスタート。

戦局は一日目の今日からヒートアップ。羽生名人が怒涛の攻めを見せてくれる。

どっしり構えての相矢倉。良いねえ良いねえ。こういうの見たかったぜ。

明日が二日目。

超楽しみ。

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2011年6月 6日 (月)

東から西へを二往復

昨日のクイズの答えは、

「今日はひまだ」→(江戸っ子は「ひ」が言えない)→「今日はしまだ」→「島田」→「芸者の頭」

でした。ホントしょーもないダジャレだ。

今日はレッスンで東京中をうろうろ。「小岩でレッスン→池袋でレッスン→再び小岩でレッスン→千駄ヶ谷でレッスン→小岩に帰って飲酒」の予定。現在池袋を後にして小岩に戻る所。鉄ちゃんか私かという勢いで電車に乗りまくっている。山手線と総武線だけだが。

電車での人物観察も面白いのだけれど、最近は電車内では携帯電話のゲームで将棋ばかりしている。

最近少しだけ強くなった。

ピアノも少しずつ上手くなれば良いなあ。

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2011年6月 5日 (日)

築地はインドみたいだ

一昨日に築地へ行ってきた。細い路地に小さな店がひしめく様子は、インドのバラナシという街を思わせた。

大江戸線の築地市場駅に着いた時点で魚の臭いがぷんとするというのもインドっぽい。インドは、空港に降り立つと「インドの臭い」がするのだ。これは本当だ。

たまたまだが、かみさんが図書館から借りていた「築地用語辞典」みたいな本が家にあった。パラパラとめくると、嘘のような(多分ホントの)「築地用語」が紹介されていた。

「おい」→「バカヤロウ」

「おい、元気か」→「バカヤロウ、元気か」

などなど。

面白かったのは、「ああー、今日は芸者の頭だなあ」と言うと、「今日は客が来ないなあ」という意味になるという築地用語。

何故そうなるか、正解は明日。単なるダジャレです。

ヒント:江戸っ子は「ひ」が言えない。

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2011年6月 4日 (土)

進化する日本のエース

twitterという呟きサイトに登録していて、様々な人の呟きを見ている。下らなくて笑ってしまうようなものから、興味深く為になるもの、そして時には不愉快なものと、そこには大変に多種多様な呟きがある。

何人か、その呟きを楽しみにしている人がいるのだが、その内の一人はプロ野球選手のダルビッシュ有投手だ。

彼のトレーニング理論や野球理論は、大変に興味深い。つい最近では「ジャイロボール(浮き上がる魔球と言われるもの)」の有無(或いは真偽)について、一般的な立場の我々にもわかりやすいように自論を展開していた。これもとても面白かった。

またトレーニングや食事などの話も興味深い。彼が本当に様々な事を考えて、またあらゆる角度から工夫を凝らしつつ野球に取り組んでいるのがわかる。

それら幾多の工夫の中には、一見して野球とはあまり関係ないのではないか、というものまで含まれる。無論、関係はある。

しかし、それは「最終的に関連付く」類いのものである。驚くのは、それら瑣末な部分に至るまで、彼が創意工夫を重ねて、外堀を埋めていくかのように努力を重ねている事である。

最早彼が日本球界No.1の投手であり、球界の宝である事に異論を唱える者は少ないだろう。今現在確固としてある彼の評価、それは彼の類い稀なる才能による所も大きいのではあろうが、やはり何よりも彼の努力の賜物なのである。感嘆せざるを得ない。彼だけが努力をしている訳ではない。殆どのプロ野球選手が日々血の滲むような努力をしているのだろうが、彼はそうした努力の面でも一流のスポーツ選手であるのだ。

ダルビッシュ選手について、聞いた話だが面白い話がある。彼は現在12種類の球を投げ分けるそうだ。これは尋常な数ではない。だが、単純な数だけで言えば、彼は高校生の時の方が多くの変化球を操っていた、というのだ。

それら数多くの変化球を、彼は一度プロに入った時に「封印」したという。まずはプロで通用するストレートとカーブだけを磨き、それが満足のいくレベルになった時に、再び一つずつ変化球を増やしていったと言うのだ。

先の話にも共通する事だが、目先のわかりやすい結果だけに囚われずに、常に先を見通しながら地道な努力を続ける。彼のそうした姿勢に私は強い感動を覚える。

音楽も恐らくそうなのだ。簡単に上達するなどという事は、滅多な事では有り得ない。レッスンなどの売り文句によくある「誰でも簡単にすぐ上達!」というのは基本的には嘘だと私は思っている。

簡単に上達しないからこそ、上達した時の喜びは大きいのだ。工夫のし甲斐があるのだ。地道な練習や研究が、より楽しくなるのだ。

まだまだ若い、私よりも年下のダルビッシュ有投手というスポーツ選手を見て、そうした事をいつも学ばされる。

一体彼はどこまで進化を続けるのだろう。

プロ野球ファンとしても、市井の一音楽家としても、非常に楽しみである。

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2011年6月 3日 (金)

築地

築地
築地
築地場外市場に行ってきた。

飯を食べて貝を買った。

今から焼く。

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2011年6月 2日 (木)

健康診断

久しぶりの一日オフ。

昼から近所でやっていた江戸川区の健康診断に行く。尿検査やら血液検査があったので、結構しっかり見てもらえる。たまには検査しておかなきゃな。

気になる肥満であるが、その基準になるBMI値というのがあるらしい。体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で出る数値らしいが、私は72÷1.65÷1.65=26.4。25以上は肥満カテゴリーに入るので、私は今現在名実共にデブであるという事になる。

そういえば昨日は酒を呑んだ後にラーメンを食ってしまった。流石デブ。貫禄の肥満である。

いや、ホント気をつけますわ、色々。

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2011年6月 1日 (水)

無題

関西から一つ訃報が届く。

やり切れない気持ちになる。

彼とピアノを一緒に弾いた事があった。

あまりにも早過ぎる。

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