明るい節約生活
「てめぇの稼ぎが少ねえ上に、毎晩毎晩酒ばっかり呑みやがって!お陰でウチの家計は火の車だよ、このボンクラ!」と言いたい所をじっと堪えて、「たけちゃん、ちょっとお金無くなってきちゃった。節約しないとだね」と可愛く言うのは、我が妻ナミコである。
「へ?何で?」と間抜けに問い返しても、「だからてめぇの稼ぎが“ちょっとバイトを頑張ってる大学生”よりも少ねえからだろうが、このスカタン!」と言いたい所をぐっと耐えて、「まあ今はあたしが働いてないからね。それにまだ失業保険も振り込まれてないし…」と、決して私の低収入を詰ったりはしない、妻ナミコである。まさに妻の鏡である。私はナミコを心から愛している。最近では友人ヤマとの間では、ナミコの事を「ネ申子(カミコ)」と呼んでいる。理由はネ申過ぎるから。
さて。という訳で、我が家は本日より節約週間に入る事になった。我が家の節約事情を紹介したい。
気付かぬ内にぽんぽんと金を遣ってしまうものの一つに、「お茶」が挙げられる。我が家のお茶の消費量はマジにハンパない。デブを家に一匹乃至二匹飼っている方はよくご存知かも知れないが、デブというのは実によくお茶を呑むものである。そしてそれをばんばか汗として体外に出すものである。これはデブに共通の生態である。
我が家においても「デブ将軍」の名をほしいままにするこの私が、一日にリットル単位ではなく、ガロン単位で烏龍茶を呑む(1ガロンは約3.785リットルである)。何かと言えばすぐに、「ねーなみちゃーん、お茶入れてー」と言っては烏龍茶をがぶ飲み。額に汗をじっとり。一分の隙もないデブの姿ではあるが、本当に私は一日に4リットルぐらいは、つまり1ガロンぐらいは最低でもお茶を呑んでいるのである。
このお茶を、コンビニなどでいちいち買っていたのでは金が幾らあっても足りない。流石のビルゲイツでも「タケシ、ちょっとはコンビニのお茶を呑むのを控えてくれないか?タケシのお茶代が嵩んでいるせいで、我が社アップルコンピュータ社が傾き始めてしまったよ。社員のみんなは、リーマンショックに続くウーロン茶ショックだと口々に言っているよ」と泣きつく有様だ。
そこで、「インテル入ってない」でお馴染みのナミコゲイツと俺ゲイツは、常に冷蔵庫の中に家で沸かしたウーロン茶を常備しておくという画期的なアイディアを打ち出す事で、この「ウーロン茶ショック」からの打開を計っている。概算ではあるが、一ヶ月のお茶代を全て自宅で入れるという節約方法を採る事により、約二兆円の節約になる事が予想されている。これで少しはマシになる。
更に「外食禁止令」が緩やかに発布された。やはり、外食という行為のもたらす経済的被害は馬鹿にならない。我が家のようなハイパーセレブ家庭ともなると、外食の際には300円のモツ煮込みに舌鼓を打ちつつ、250円のハイボールをウマウマと呑む、というのが定番だが、これも度を過ぎると経済を圧迫する。
また、私が抱えている重大な病、「なみちゃんランチ行こうよ病」がある。平日の昼下がり、家で夫婦二人でダラダラと過ごしている時に私が発する悪魔の囁き、「ねえ、なみちゃんランチ行こうよ」である。
「ちょっと散歩してさ、ほんでカレー屋さんのランチでも行こうよ」という悪魔の囁きである。これに妻ナミコは抗えずに、「良いよ、じゃあ行こっか」となる。
本当に散歩をしてカレーを食べに行くだけならまだしも、我々は散歩の途中で古本屋などに寄り、無駄な買い物をしてしまう。先日は私は古本屋で「火の鳥」の1〜3巻を買ってしまった。妻ナミコは、萩尾望都の画集を買っていた。絵に描いたような「散財するアホ夫婦」である。
これを戒める為にも、我々はしばらくランチには行かない。「散歩→ランチ」のコースを辿りたい時には、まずは自宅から水筒に入れたお茶を二人分持って、江戸川土手まで散歩である。これにより散歩欲は発散される。そして帰りに近所のスーパーでつけ麺二人分入り250円也でも買って帰って、家でそのつけ麺でも食えば宜しい。最近スーパーで売っているつけ麺のレベルはぐんぐんと上がって来ている。つけ麺に関しては、外で食わなくとも良いかとも思っている。
勿論、友人や仕事仲間とのコミュニケーションの一環として外食をする事もある。妻ナミコにもそういう機会はある。その時にケチケチするのは良くないが、普段の生活では引き締めていかなくてはならない。
我々の節約生活は始まったばかりだ。
金があるのも良いことかも知れないが、金が無いのもそれなりに楽しいものである。
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