反復によってしか獲得は無い
ジョン・コルトレーン作曲の「Giant Steps」という曲がある。
一般に「難曲」と言われる曲だ。曲自体かなり速いテンポを持ちながら、そのテンポの中で目まぐるしく転調を重ねていく。一行ごとに違う言語で書いてある文章、と例えると随分大袈裟にはなるが、要するにそんな感じなのだ。
私の自らの「ピアノの下手さ」に対するコンプレックスというのは昔から結構なもので、「Giant Steps」をスムーズに弾けるようになったら、もう「下手」って言われないようになるかな、などというよこしまな気持ちで嘗てこの曲を練習した事がある。
結果として、それなりにスムーズに弾けるようにはなったが、やはりまだまだ私は下手くそなままで、なかなかにこのコンプレックスは根深いと思ったのだが、それは大した事ではない。
今日、練習中に久しぶりにこの曲を弾いてみたら。
弾けねえこと弾けねえこと。
間違えること間違えること。
そうだった、大事な事を忘れていた。人間は一度修得した技術や知識も、時が経つと「忘れる」。そうだった。
改めて、「反復」の大切さを思い知る。
反復によってしか私は何かを獲得出来ない。
ああ、オレの馬鹿。
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