あきらめたらそこで試合終了だよ
そんな事を言ったのは、湘北高校バスケ部の安西先生だった。
最後の最後まで、勝つ事を諦めてはいけない。私たち嘗ての少年達は、安西先生から幾つもの物事を学んできたが、とりわけ大事なのはやはりこの事だ。そう、あきらめたらそこで試合終了なのだ。
昨日、それと同じ事を、とある野球選手が教えてくれた。広島東洋カープの現役最年長選手、大ベテランの石井琢朗選手である。
昨日の広島-巨人戦、もつれにもつれたゲーム展開は、4-3で巨人がリードして9回裏2アウト、ノーアウトランナー無しという局面を迎えた。投げるピッチャーは今年から巨人の守護神を務める山口鉄也投手、そしてバッターボックスには石井琢朗選手である。
ゲームの流れは完全に巨人のものであった。ああ、この琢朗さんで今日は終わりか。私の脳裏をちらとそんな考えがよぎった。私と同じように思っていた観客も少なくなかったかも知れない。弁明をする訳ではないが、確かに「そういうムード」だったのだ。
石井琢朗選手の頭には、そんな事は微塵もなかった。彼は微塵も諦めてなどいなかった。「何としてでも塁に出る」、その事しか頭になかった。
結果として、彼は粘りに粘ってフォアボールを選んで出塁した。代走に出たのは球界一の韋駄天男、赤松真人選手。打席には昨年の盗塁王、梵英心選手である。
まず仕掛けたのは赤松選手。自慢の快足を飛ばして二塁を陥れた。圧巻の盗塁であった。こうなると、私たちファンも、「もしや、追いつくか?」という希望が出て来る。
そしてその期待に応えた梵選手。会心のセンター前タイムリーで、なんとカープは同点に追い付いたのだ!その後、続く東出輝裕選手も良い当たりを飛ばしたが、センター鈴木選手(?)の好守に阻まれ3アウト。ゲームは時間切れ引き分けとなった。
さて、この同点劇、MVPは誰だろうか。そう、私が考えるのは、2アウトから四球を選び出塁した石井琢朗選手である。盗塁を決めた赤松選手も素晴らしかった。そしてタイムリーで応えた梵選手も流石であった。しかし、最後の最後まであきらめない、何が起こるかわからない、そういった事を身体全てを使って表現した石井琢朗選手、私は本当に胸を打たれた。
「どうせ勝てっこないだろう」
「やっぱり金持ちは強いよね」
そんな風にいじけるのは簡単だ。しかし、「絶対に勝ってやる」、「負けてなるものか」と歯を食いしばり必死の抵抗を見せるその姿こそ、我々ファンの心を強く打つのだ。
まさにプロフェッショナルベースボール。「これぞプロ野球!」というものを昨日は堪能した。最高だった。
本日も我らが広島カープは、読売ジャイアンツとの試合である。昨日にも勝るような好ゲームを期待したい。
頑張れカープ!
あ、それと明日はワークショップです。詳細はこちら
4月17日(日)東京笹塚 スタジオミュージアム Gスタジオ
tel 03-3370-9764
http://www.studio-museum.com/sasazuka/index.html
「ミュージックワークショップ東京 vol.12」
ファシリテーター:廣木光一
しばらく間が空いてしまいましたが、恒例のワークショップ、第12回目です。発足当初からご尽力頂いている廣木光一さんをお迎えして、濃密に、そして真剣にみんなで音楽と向かい合っていきましょう!
15:00~start 参加費:2000円(見学のみの方は1000円)
参加ご希望の方は
musicworkshop.tokyo@gmail.com
までご連絡を。
私も全然音楽が上達しないけれど、それでもあきらめない。あきらめたら、そこで試合終了だよ。
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