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2011年4月25日 (月)

もっと上手くなりたい

家を出る時に、滅多に使う事のないiPodがたまたま目に入ったので、上着のポケットにそれを無造作に突っ込んだ。

仕事へ向かう電車の中で、イヤフォンを耳にはめてみる。

中に入っている楽曲を確認してから、バド・パウエルを聴く。圧倒的に凄い。

こおん、と透き通るような美しい音色もあれば、ぐしゃっと潰れるような音もある。それらの音が、次々と湧いて来る想像力の波に乗せられて、緩急自在なリズムと共に「音楽」を作っている。

まさにこれが「音楽」だ、とうっとりする。

ジャズに触れ始めた頃、一番最初に熱心に聴いたピアニストはモンクだった。わかったような口を利きたかった若い頃の私には、モンクのその「難解さ」が魅力的だった。きっかけは、そんな下らない事だったけれど、今なおモンクは私の一番のアイドルだし、一番の研究対象だ。恐らくこれからもずっと。

モンクに次いで私の心を捉えたピアニストはオスカー・ピーターソンだ。流麗で極めて高度なテクニックと、明るい世界観が良かった。結局、ピーターソンに似たような(或いは彼の系譜下にある)ピアニストを聴く内にジーン・ハリスやモンティ・アレキサンダー、ジュニア・マンスというピアニストに興味を持つようになった。今ではそんなに頻繁にピーターソンのアルバムを聴く事も無いけれど、先日手持ちのCD及びレコードの整理をしていたら、ピーターソンのアルバムだけで30枚近くあった。

その次に夢中になったのが、バド・パウエルだ。同じ名うてのテクニシャンでも、パウエルとピーターソンは明らかにその音色を異にした。パウエルの音色は硬質だ。それも刺すように鋭い硬質さではなく、岩のようにゴツゴツとした硬質さだ。私はあっという間にパウエルの虜になった。

そんな事を、電車の中でiPodを聴きながら思い出した。

昨日、人前で演奏して、改めて「もっと上手くなりたい」と思った。

そう思って、今日もじっくりピアノに向かって練習をした。

まだまだ道のりは長い。

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