今日はまた一段と地震が多い。震災から丁度一ヶ月を過ぎているにも関わらず、未だにこの有様だ。一体どうなってしまうのだろうかという不安は依然として強く在る。
そんな中、まさに賛否両論渦巻く中で、明日、日本プロ野球が開幕する。
ナイター問題などの球場問題を始めとして、チームや選手達は決して万全とは言い難いかも知れない。
しかし、やはり我々ファンとしては、この開幕の日を心より楽しみにしていた、というのもまた事実だ。様々な苦労は察するが、何より好ゲームを期待したい。
さて、その本シーズン。大の鯉党である私はやはりカープ選手に大きな期待を寄せてはいるが、その赤ヘル選手以外にも、期待の意味を込めて注目している選手が何人もいる。
今日は開幕前日という事で、その内二人の、取り分け注目している選手を紹介したい。
まずは、日本ハムファイターズの若きスラッガー、中田翔選手である。高校生時代から大物スラッガーとして注目を浴びていた彼だが、入団から数年はプロの厳しさにやられていた。ストレートも変化球も、そして投球術もプロとアマチュアではまるで違う。そのレベルの高さに、彼も驚いていた事だろう。
それが昨シーズン中盤ほどから、彼のバットから快音が響き始めた。力強いスイングが、幾多のアーチを描き出した。
天性のホームランアーティスト。私は彼の描くアーチに見とれた。
そして今年のオープン戦。彼のバッティングを注意深く観察していて、その進化に私は驚かされた。これまでの力強さに加えて、しなやかさがそこに見てとれた。バットがまるで鞭のように「しなる」、そんな感覚だ。
これは中田翔選手、まさに覚醒の年か、と私は息を呑んだ。
恐らく今シーズン、彼は20本〜30本のホームランを放つだろう。しかしそれは彼からすれば、「最低限それぐらいは打たなくてはならない数」だ。私は個人的には彼にホームラン王の載冠を期待したい。ひょっとすれば、ひょっとする。
もう一人の注目選手は、奇しくも前述の中田翔選手のチームメイト、そして今や日本球界ナンバーワンのピッチャー、そう、ダルビッシュ有選手である。
彼に関しては、もはや「タイトルを期待」という言葉さえ似つかわしくない。余程の事が無い限り、恐らく彼はタイトルは手にする。それも複数。
これは私見も多少は混じるが、今季のダルビッシュ選手は、ここ二十年ほどの日本球界を俯瞰してみても最高のピッチャーである、と私は感じている。桑田真澄投手、伊藤智仁投手、野茂英雄投手、松坂大輔投手。様々な素晴らしいピッチャー達が存在したが、今年のダルビッシュ投手は、その伝説の投手達と比肩しても「優れている」と私は思っている。
昨年のシーズン終盤の時点から既に彼は今シーズンを視野に入れていた。計画的な10Kgの増量、それがその証だ。
厳格な節制とトレーニングの末に彼が手に入れた一回り大きな身体は、彼の直球にこれまでになかった重量感をもたらし、またビルドアップされた下半身は抜群のコントロールをもたらした。
そして熱心な研究の成果である豊富な変化球の球種。しかもその全ての球種がプロ野球界随一の切れ味を持っているときている。
正直行って、彼のピッチングは今や「反則」に近い。ピンチで三振も取れる、ゲッツーも取れる。そもそもピンチになる状況が殆ど無い。加えて今シーズンからの統一球、いわゆる「飛ばないボール」である。
私達プロ野球ファンは今シーズン、「ピッチングという行為の辿り着く最終形態」を目にするのではないか、という期待があるのだ。
さて、明日からの開幕戦、我らがカープは甲子園にて阪神タイガースとの三連戦だ。先発ピッチャーは、恐らく阪神・能見篤史投手に対して広島前田健太投手。両エースによるシビアな投げ合いが予想される。
是非とも好ゲームを期待したい。
そして、願わくばカープの勝利を!
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