奇跡~大きな愛のように~
麺を、愛している。狂おしいほどに。
米にも負けず
パンにも負けず
東に美味い蕎麦があると聞けば、行って大袈裟に喜びながら食い、
西に美味いうどんがあると聞けば、ダシの香りにうっとりとしながらうどんをすする。
北に美味いラーメンがあると聞けば、行ってその麺のコシに腰を抜かし(←ダジャレな)
南に美味いソーキソバがあると聞けば、行って「なんくるないさー」と呟く。沖縄行った事ねえけど。
そういう麺好きに、私は既になっている。
さて、「何食いたい?」と聞かれれば、「麺食いたい」と答える事でお馴染みの私であるが、ついに、ついにと言って良いだろう。昨日、究極の麺に出会った。
灯台下暗し、東大難しくて入りがたし、とはまさにこの事で、その究極の麺は、我が街小岩にあった。
本当ならば誰にも教えずに、私だけの楽しみとして心に秘めておいても良かったのであるが、私は今、どうしても誰かに言いたい。小岩にある究極の麺、これを是非とも食して頂きたいのである。
店の名前は、「美中味」。特級厨師のいる店である。いや、特級厨師がいるかどうかはわからない、多分いる。
私の紹介したい「本気度」の証拠として、以下に「ぐるなび」の紹介ページのURLを貼っておく。小岩駅から徒歩二分だ。
美味いのは、ここの「蝦仁湯麺」、日本名は「えびのあんかけそば」である。値段は820円。
昨日かみさんとこの店に夕飯を食べに行った所、私はビールを呑んでいたのだが、かみさんは酒が呑めない為に、「あたしは米か麺が食いたい」と言い出した。
食べなさい。私はそう答えた。
食べなさい、泣きなさい、笑いなさい。いつの日か、いつの日か花を咲かそうよ。私は喜納昌吉よろしくそう答えた。
そこでかみさんが選んだのが、前述の「蝦仁湯麺」である。
数分の待機の後に運ばれてきたその麺は、何とも上品な佇まいをしていた。
「うむ、奈美子、美味そうではないか。後で私にも一口くれたまえ」私はそう言ったが、かみさんはすぐに小さな椀に私の分の麺とスープといくつかの具をよそってくれた。
どれどれ、と一口麺を啜る。麺の世界の海原雄山と言われたこの私が一口それを啜ってみた最初の印象は、「ほほう、あっさりとしていてなかなかに美味いではないか」であった。
最初はその程度の感想であった。というよりも、今一つピンとこなかった、というのが正直な所だ。
一口目から「美味いっっっっ!!!!!!」ではなく、「あれ?これひょっとしたら美味いんじゃね?」という感覚に近い。
それが…二口、三口と食べ進める内に、「蝦仁湯麺」は、隠していた牙を徐々に、そして凶暴に剥き始めた。
つまり、こういう事である。
一口目「あれ?これひょっとしたら美味いんじゃね?」
↓
二口目「あ、これ美味いわ」
↓
三口目「いや、これムチャクチャ美味いわ」
↓
四口目「これ…美味いってレベルじゃねえぞ」
↓
五口目「美味い祭じゃー!者どもー!狼煙を上げろー!武器を持ていいいいい!」
↓
六口目「あ…はぁん…美味しいよぉ…お、美味しいよぉぉ…」
↓
「も、もう…ら、らめぇ(だめぇ)」
後から後から押し寄せる複雑な野菜の旨み、そして甘み。人参、ヤングコーン、白菜、キクラゲ、そしてエビ。それらが渾然一体となり、えもいわれぬ「美味いワールド」を構築していた。まさに奇跡の麺である。奇跡の麺である。大事な事なので二回言った。
本当に、どんな有名ラーメン店で食べたラーメンよりも、それは美味かった。皆様にも是非食して頂きたいものである。
余談ではあるが、明日1月22日、私がソロピアノコンサートを行う「Back In Time」というお店から「美中味」は徒歩15秒。ここで「蝦仁湯麺」を食してから私のソロピアノコンサートに来る、というのが、ナウなヤングにバカ受けなトレンディーな土曜日の過ごし方だ。勿論、ヤングでない方でも大丈夫だ。チョイ悪オヤジにバカ受けな、レオン的週末の過ごし方だ。
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コメント
人間は美味しいもの食べてる時いちばん幸せですよね~イヤなことも考えないし。日曜日、味噌ラーメン食べよっと。冷蔵庫に偶々ある。そうして月曜日は入院だあ~3週間余り楽して来ます(笑)
投稿: のりまき | 2011年1月21日 (金) 20時13分
のりまきさんへ
入院、大変でしたね。ご無事に退院されたようで何よりです。
投稿: ふくしまたけし | 2011年5月24日 (火) 13時29分