六年目の一月三十一日
六年前の今日、一月三十一日から、この日が私にとって特別な日になった。
市川修という男が死んだ日だからだ。
彼がいなかったら、彼に会っていなかったら、間違いなく音楽で飯を食おうなどとは思わなかった。今の生活はしていなかった。
まだ私には充分な実力も無くて、元より学歴も後ろ盾も皆無だから、やはりこの世界では色々と苦労をするけれど、何かの偶然から市川修という男と出会って、彼の人間に惚れて、挙げ句に同じ道を少しずつだけれども歩ませてもらっている事を、私は、嬉しく思う。
市川修さん、俺を生かせてくれてありがとう。
死んじまったから、もう遅いのかも知れないけれど、俺は貴方にずっと感謝したい。
出来れば、少しずつでも恩返しもしたい。
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